(仮)耽奇館主人の日記
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2005年05月13日(金) ブラックホール・ストマックのこと。

先日、チャレンジ・メニュー、つまり、大食いに挑戦した。
麺が七玉という超巨大ラーメンを制限時間内に食べきるというものだったが、失敗してしまった。
完食はしたのだが、三十分という制限時間を十分オーバーしてしまったのだ。
ほんとうに悔しかった。
ここであらためて。
私はグルマンである。つまり、大メシ食らいだ。
高校時代は、本八幡駅の南口にあったギョーザ専門店で、百個食べたらタダというのを、二週間ごとに繰り返していたし、また、ラグビー部の練習の帰りに仲間たちとカツ丼をどれだけ食えるか競って、十五杯という記録を作ったことがある。
現在でも胃袋のブラックホールぶりは変わらず、飛騨の高山ラーメンの巨大パフェを一人で食うし、目黒にあるステーキレストランの、五百グラムのステーキを三枚食ったら、賞金一万円というのをクリアしたし、市川の実家で親戚たちと一緒にやったバーベキューパーティーでは、実に七キロ分の肉とソーセージを食べきった。
別に、胃下垂だとか、胃拡張だとか、そういう不健康な身体ではない。
肝臓に時々不具合が起こるが、胃袋だけは子供の頃から、頑丈で、消化能力は人一倍なのだ。
それ以上に。
私は異常に、食い意地が張っている。
一日六食食べてもまだ足りぬくらいなので、新潟の祈祷師をやっている親戚は、本気で餓鬼が憑いていると思ったくらいである。
前世が第二次世界大戦時、南方戦線でイギリス人捕虜の肝臓を食った将校ということになっているらしいので、その因果かなと思うことにしている。
でも、ほんとうは、こうである。
小学生の頃、給食で、クラスのほとんどが牛乳嫌いで、いつも私がみんなの分を飲み干していたからだ。
平均二十本から三十本を、毎日、六年間も飲み続けていれば、誰でもブラックホール・ストマックを獲得出来る。
でも、それは身体的能力の部分で、気持ち的なものは、どうやら生来のもののようだ。
その証拠に、娘のサカキも、私に似て、ブラックホール・ストマックの持ち主である。
一緒にケーキ・バイキングに参加したことがあるが、サカキはワンホールのケーキを一気に五個食った。
その他にも、紅蜘蛛お嬢様の証言だと、チャレンジ・メニューで有名な神楽坂飯店の一升チャーハンを軽々と平らげたし、原宿ではクレープを全種類食べたとのこと。
もちろん、私と同じく、飛騨の高山ラーメンのあの巨大パフェを制覇している。
全く、親子でフード・バトルに出場出来る勢いなのだが、私もサカキもそういうものには興味がない。
誰かと食べるのを競うよりも、自分自身が食べることを愉しむことが重要だと考えているためである。
・・・・・・
私の家に泊まった女の子たちは、たいてい、出されるご飯の茶碗のデカさに驚嘆する。
ドンブリそのものだからだ。
つまり、私は日常的に、ドンブリでメシを食っているわけである。
ちなみに一人だと一日五合。
サカキが来ると、一日一升。
そして、私とナマで長くつきあっていると、みんな影響されて大食いになる。
紅蜘蛛お嬢様は、成長期真っ只中なので、この二年間で六センチ半も身長が伸びた。
おやつに、バナナ六本、牛乳一リットルを与えるということをやっていたせいだ。
近所に住む音大生の二口さんは、その名の通り、妖怪二口女のごとく食いしん坊なのだが、私の餌付けで、さらに大食いになった。
念願だった、スイカ一個まるごと食いが出来るようになったと、去年の秋に嬉しそうに報告していた。
そんなに腹いっぱい食えば、当然太るのだが、私たちは見苦しいほどデブッたことがない。
その理由は。
食べた分、運動するからだ。
いっぱい食べて、くたくたになるまで運動して、グッスリ眠る。
こういう生活を、少なくとも、ストレスに押しつぶされそうな時にやってみるといい。
びっくりするくらい、顔に笑顔が浮かんでくるはずである。
・・・・・・
私が超巨大ラーメン制覇に失敗したことを聞いたサカキは、仇を討ってあげると言ってくれた。
あいつは、私よりも「もち吸い」が出来るから、きっと成功するであろう。
「もち吸い」を知らない読者のために。
突きたてのおもちを、そのまま手でしゃくりあげるように、口で吸って、丸呑みするという食べ方である。
ともかく。
食が細い、痩せがちで太りたいという方は、老若男女問わずご連絡下さい。
ビッシビシ鍛えて差し上げます。ニヤッ。
今日はここまで。


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