(仮)耽奇館主人の日記
DiaryINDEX|past|will
2005年02月03日(木) |
私の机の畑中純のこと。 |
職場のそれぞれのデスクを見ていると、誰のデスクかすぐ分かるくらい、個性に溢れかえっている。 休憩時間や待機時間に、私も含めたみんなは、音楽を聴いたり、本を読んだり、マイパソコンでムービーを眺めたり、ネットサーフィンしたりしているのだが、今回は個性を形成する本について。 二十代に入ったばかりの連中は、週刊少年ジャンプとかマガジンとかを山積みしているが、回し読みをするのは若い連中だけで、私も含めたベテランたちの輪の中には入ってこない。 いや、正確には入って「これない」。 その最もたる「理由」が、私のデスクの上に平積みされているマンガ単行本だ。 畑中純の「まんだら屋の良太」という作品である。 これを楽しめる、楽しめないで、本当に、精神年齢が大人か子供かが分かってしまうくらい、奥深いマンガなのだ。 ジャンプの「デスノート」にハマッている若い女性社員が、興味本位で畑中純を一読したことがあって、感想を聞いたら、「干し柿みたいな感じ」とそっけなかった。 干し柿とは言いえて妙なので、私は思わずニヤリとした。 確かに、畑中純の世界は、スナックやチョコレートしか目にしたことのない若者にとっては、「渋い」食べ物以外のなにものでもない。 しかし、そこに、子供には決して分かりえない、人間の深み、奥深さ、そして本物のエロティシズムが横たわっているのだ。 マンガで表現する純文学といってもいい。 で、私は、リアルタイムで出版されたマンサンコミックスを山盛りと積み上げているのだが、現在ではほとんど入手不可能である。 でもご安心あれ。 今度の三月に、ペーパーバック式のオンデマンド版で、ごっそり出版されるそうだから、興味を持ったら、是非一読を。 今日はここまで。
|