(仮)耽奇館主人の日記
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2005年01月02日(日) 初夢とささらの宣言のこと。

まず。初夢は、こんな内容だった。
さらさらと柔らかく降る雪の中を、深く積もった山の上を、クロスカントリーで滑り歩いている私がいる。
後ろをさくさくとついてくる桜の君がいる。
彼女は真っ裸だった。
そのうち、雪が止み、山道が広がって、広々とした雪原が大きく視界に飛び込んできた。
暗く、蒼い、夜空が真っ赤に溶けるように消え、朝日がゆるゆると顔を見せてくる。
陽光が雪原に反射して、それを全身で浴びると、私は一切の苦悩、懊悩が消滅するような、晴れ晴れとした気分になった。
そこで桜の君を振り返り、
「寒くないのか、おまえ」と私。
「ううん」と桜の君。
「やっぱり、あれか、おまえ、雪女だったんだな」
「うん、あたしもびっくりよー」
私がニヤッと笑うと、桜の君もニヤリと笑った。
こんな内容を、桜の君に報告したら、すごくいい夢だなぁと言われた。
雪国の人間なら誰でも知ってることだが、雪の中の空気はとてもきれいなのだ。
その中を呼吸するだけで、ほんとうに肺が清らかになる。
朝方の空気は特に、きれいで気持ちがいいので、初夢に雪国の朝日を拝むのは、吉兆だと思う。
桜の君にとっても、いい年になりますように。
・・・・・・
はとこのささらが、キッパリ、宣言をしてきた。
生意気にも、「アーティスト宣言」である。
絵を描いたり、詩を書いたり、ギターを弾いたり、写真を撮ったり・・・と、オールラウンドのマルチアーティストになりたいという。
「ほほう」と私。
「そのためには、何をしなきゃならんのか分かってる上での宣言なのかな?」
「モチロン。おじさんのあの言葉、大好きだから、あの通りにやっていくよ」とささら。
「?」
「“いっぱい、詰め込む”、英語だと“フィールド、シールド”・・・」
「ああ」
ほんとうは、私の言葉ではない。
英国の怪談の達人、M・R・ジェイムズの短編に登場した言葉で、韻が好きなので、いつまでも覚えていただけなのだ。
しかも魔術、妖術に深くかかわる言葉である。
それがささらのモットーになるのか・・・
私はニヤッと笑って、
「とりあえず、何から始めるんだい?」と聞いた。
「まずは、ヌード。おじさん、あたしのヌードを撮って」
「・・・・・・」
しばらく沈黙を続けたが、私はしっかりした声で返事をした。
何と言い返したのかは、ここではあえて書かない。
今年は今年で、また色々ありそうだ。
今日はここまで。


犬神博士 |MAILHomePage

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