皮を途中で切らずに剥けると、イイ事があるような気がするよね?
私が林檎を味わう際には、ひとつの試練が待ち受けている。 その試練を想像すると少々憂鬱になる。
実は私、生林檎を噛る時の、 あの爽やかな「シャクシャリ」という音を聞くと鳥肌がたつのだ。 ちょうど、多くの人が黒板に爪を立てた音を聞いた時のように。 いえ、私は黒板に爪を立てた音では鳥肌はたたないのだが。
子供の頃、私の奇癖を知る兄が面白がり、 耳元で「シャクシャリ」言いに来た。 もうそれだけで、鳥肌が立っていた。 最近はマシになってきて、林檎もなしに、 人が口で「シャクシャリ」言うくらいでは鳥肌は立たない。
最近はマシになってきたって、想像力が欠如してきたって事か? いーや、少しは身体に免疫ができたって事にしとこう。 そうしておいてくれ。
林檎の音が苦手で、味にも何の執着がないというのなら、 実際何の問題もない。 「私は林檎が嫌いだ」それだけで済む。 ところが、林檎の味は大好き。 ならば、出来上がった林檎菓子を買ってくればヨイ。
が、事はそんなに簡単ではない。 林檎は昨日付けの日記にも書いた通り、 『お裾分けに都合のイイ食品ランキング』でかなりの上位に位置する。 私はなにがしの縁があって、手許に食材が来た以上、 自分で調理したくてたまらないのだ。
林檎の調理法は、たんとある 。 林檎ジュース、アップルパイ、林檎ジャムに、 林檎のコンポート、タルトタタン、その他モロモロ……。
そのいづれを味わおうとしても、 最低限、皮剥きという作業がある。 「シャクシャリ」という、私にとっての試練を伴って。
では極力試練をさける為、皮剥きを省ける林檎調理を考えてみよう。
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