夏のある日、ニガウリを貰った。 友達の実家から送ってきたそうで、 有機農法で育てられたモノで、非常に苦いのだそうだ。
子供の頃、私が夏バテをすると母がニガウリを買ってきた。 「ニガウリは夏バテに効くねんで」。 うすくスライスして、味噌炒めか、醤油炒め。
私はといえば、「この苦味がなかなか……いけるやないかい〜」と、 おっちゃん口調でニガウリの苦味を楽しんでいた。 そうして、私の頭の中には 「暑い→だるい→ニガウリ食べる→元気」なる法則が出来ていた。
おりしも酷暑が続く中、その数日前、 私は暑さ対策に、ニガウリを買ったばかり。
近所の無人野菜販売所で2本100円。 一本はその日のうちに、レンコンと一緒に炒め、 ピーナツバターで味つけて食べた。
…………………失敗だった。 ごぼうは、ピーナツバターで味付けて美味しかった。 しかし、レンコンはピーナツバターに合わない。 レンコン炒めは、塩コショー味か、醤油味が良い。 そして、ニガウリもピーナツバターに合わない。 ニガウリ炒めは、味噌味か、醤油味だ。 「ホンマ、合わへんなぁ〜」と、思いながら食べた。
そんな苦い想い出のあるニガウリなのだが、 自分で買ってきたものがもう一本残っている。
実を言えば、ピーナツバターで味付けをする前、 ニガウリをつまみ食いした時のコトだ。 「あれ!?ニガウリの苦味って、この程度やったっけ?」 さらに無糖とはいえ、味付けがピーナツバターだ。 すこし醤油はたらしたものの、やはり全体の味としては甘め。 子供の頃に感じていた苦味を体現するには程遠かった。
苦い想い出のあるニガウリのハズなのだが、 そんな苦くない思い出もあるニガウリでもあって、 自分で買ってきたものがもう一本残っていて、 さらにもう一本、お裾分けでニガウリを貰った。
この際「苦いのか苦く無いのかはっきりせぇや」と言う事で、 残っているニガウリと頂き物のニガウリを食べ比べる事にした。
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