喰いえるコトなど

グルメ?何それ?ウマイはウレシ、マズイはタノシ。
いわゆるひとつの食い意地日記

2001年07月26日(木) はじめての味、シオ納豆

塩納豆って、御存知?

私は知りませんでした。
二ケ月ほど前、デパ地下ではじめて見かけた。

むかしむかし、幼い頃。
まだまだ各家庭で、障子や襖の張替えなんかをしていたと思う。
思い出してみてください。障子・襖の張替えに、使っていた糊。
ただでさえ薄いのを、さらに水で薄め、
刷毛で障子や襖の骨に塗っていた。そうそう、水のり。
そっくりなんです。その包装に。塩納豆の包装も。
納豆やのに?

そう、納豆なのにビニール袋入り。
納豆に全卵1個まぜたくらいのゆるさで、
中身は「たっぷんたっぷん」。
細長いビニール袋に入れて、口を輪ゴムでキュッと閉じてある。
キュッと。器用にね。
ビニールは「ぱんぱん」にはって、中は「たっぷんたっぷん」。
触り心地も良く、なんとなぁ〜く美味しそうな気がする。

ビニールの表に白く表示された原材料名。
『塩納豆(甘口)
 原材料名/丸大豆・納豆菌・塩・こうじ・昆布』

そうか、そうか。こうじ入りか。この白いツブツブがそうやな。
うむうむ、昆布もほそ〜に切って、入ってる。
丸大豆は味噌汁に入れた時の納豆みたいで、柔らかそう。

あ〜、触れば触るほど、中身を見れば見るほど、
「なんとなぁ〜く美味しそう感」は増すばかり。

むかしむかし、幼稚園の帰り道。
漬け物屋を営んでいた親戚の店に立ち寄り、
店先で納豆を食べていたほどの納豆好きの私。
味を確かめずにはいくまい。
一緒にいてた友達の分も買い、プレゼントする。
たまたまその日、関西から遊びに来ていたので、
一緒に味見する事はできないけれど。
お試しのワクワクした気分を彼女と分かち合おう。


はりきって買って帰ったが、御飯を炊く機会がしばらくなかった。
しかし、そろそろやばい時期にさしかかる。
(……こんなんばっかり、トホホ)
正味期限が近づいて来た。

私は意を決して、塩納豆の夕べを催す事に。
玄米を炊いて、味噌汁をつくる。後は漬け物だけ。
塩納豆をメインにおいたメニュー。
味噌汁が出来上がる前に、玄米が炊きあがった。
炊飯器の蓋を開け、御飯を底からほぐす。
薄茶色の皮が破けて、間からのぞく白い柔肌がピカピカ。
玄米に限った事ではないが、できたてのお米は本当においしそう。
「ええやろ?ええやろ?な、ちょっとだけ」

思わず、新婚家庭の若旦那のようなセリフを口に。
食事を作る新妻の、初々しい後ろ姿に耐えきれなかった設定。

ゴムを切ってみると、この包装、本当にゴムだけで止めてある。
ゴムをとってもビニールの口は止まっているかと思ったら。
なにやらそれだけで、美味しそうな気がする。

こぼれないようソ〜っと持って、中身を徐徐に器に移す。
お茶碗によそったご飯の上にちょこっと、塩納豆をのせる。
大口を開け、塩納豆のかかったごはんを口の中に運ぶ。

あ〜ん、ぱくり。もぐもぐ。

あ〜、この味!!

続く。



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