2001年07月24日(火) |
ステップ4「ここまでキテしまいました」※21日からの続き |
調理というのは「後に食す」という事を前提にして、 なされるべきものである。 しかしその時、「どあほ」(言うまでもなく私)には自信がなかった。 はたして今、自分が調理している物体は、 後に人体に入れていいものだろうか。 つーか、ホンマに食べんの?コレ?
このくそあっつい中、そんな疑問を抱えながら調理しているもんだから、 なぜかしら冷え冷えとした気分である。なかなか、経済的だ。 イヤイヤ、そんな問題ちゃうやろ。 つーか、それ以前に確固とした疑問を早々に持ち、そんな調理 つーか、実験やめろよ、 つーか、思いもつくな、「どあほ」よ。
命を危険にさらしても、コンビーフ作りのフィニッシュはあくまでも、 ポトフで〆ようとする「どあほ」。 「どあほ」は「どあほ」なりに考えて、 コンビーフの「ヌメ」リをとり、煮沸消毒をくりかえし、 なんとか、ゆでても普通の泡しか出ないまでに持っていった。
ひととおりの儀式を済ませたコンビーフの小片を、さらに薄切りにし、 両面をこんがりと焼く。ここまできたら、誰にも文句はいわさん。 他に入れるものにとりかかろう。
キャベツはすでに、悪い部分を取り除いている。 買い置きの小玉葱をむく。後はポトフ用に今日、買ったもの。 にんじん、だいこん、しめじ、ブロッコリ。 そして、買っててよかった、セロリに長葱、しょうが。 ええ仕事してくれ。オレの命は任せた。 はっきりいって、毒消しである。
それらを、こんがり焼いたコンビーフとともに、鍋にいれる。 コンビーフの「ゆでたれ」もいれ、鍋いっぱいの水をたす。 そしてひたすら、煮るべし、煮るべし、煮るべし…………。 クツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツ…………。 親の敵ほど、煮立てた。 幸いにして、例の白い白い泡は出てこなかった。 よかった。ヤツは倒したのだ。
そうして、ポトフは出来上がった。 「ゆでたれ」は「ゆで汁」になり、今「スープ」になった。 ちょっぴり、塩からいがなかなかのもんだ。 野菜に関しては、まあ、こんなモン。よくあるポトフの野菜だ。 問題のコンビーフだって、もちろん食べた。ひとかけ。 なにしろ、この調理はコンビーフ作りのフィニッシュなのだから。 味は塗りたくった粒マスタードの味。ダメ押しの毒消しだ。 もう、味なんて、どうでも良くなっていた。 味を求めていたら、絶対にこんな実験……いや、調理はしてない。 コンビーフ作りの〆に、ポトフを作り、大量の野菜とともに、 コンビーフのはしっこを口に入れる。 その行為こそが大切だったのだ。
ちょっぴりのスリルをともないながらも、当初の目的は遂行された。 汗を流しながら、食し、さわやかな達成感と充実感を味わい、 無事、コンビーフ作りのグランドフィナーレを迎えた………… …………………………………ように思ったのだ。その日は。
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