しむちゃんのつれづれ日記
文字サイズは「中」が最適なようです。

2003年07月23日(水) (近い)歴史上の人物

NHKの番組「その時歴史は動いた」。今日の主人公は吉田茂でした。
あらためて吉田茂の言葉を思い起こしました。それらを番組のHPから引用させて
もらいます。

首相を引き受けた時の吉田の言葉
「戦争に負けて外交に勝った歴史がある」。
吉田が友人である武見太郎氏に語った言葉として有名。

吉田首相が、新憲法成立を急ぐ理由として答えた内容は?
「日本としてはなるべく早く主権を回復して進駐軍に引き上げて貰いたい。
そのためには、連合国に対し再軍備の放棄、徹底的民主化の完成という安心感を
与える必要がある。それらが根本法としての憲法の上で確立していることが望ま
しい。」(吉田茂著「回想十年」より引用)

吉田茂晩年の言葉
「外交は小手先の芸でもなければ権謀術数でもない。大局に着眼して、人類の平和、
自由、繁栄に貢献するとの覚悟をもって主張すべきは主張し、妥協すべきは妥協
する。これが真の意味での外交である。」(吉田茂著「回想十年」より抜粋)

そしてマッカーサーの回想
「有能な吉田茂氏を総理として日本国民は自ら努力し廃墟の中から立ち上がり、
西欧の思想と理想に日本自身の由緒のある文化を溶け合わせた。日本はその結合
から生まれた社会的権利の思想に、しっかりと根を下ろした生き生きとした国に
生まれ変わったのである。」(マッカーサー著「マッカーサー回想記」より抜粋)

ジョン・ダワ―著「敗北を抱きしめて」(中公文庫日本語訳版)より彼の生い立ちと
外交官としての生き方を引用してみます。

生い立ち
 吉田茂の父親は土佐藩志士竹内綱と新橋芸者坂本喜代の私生児だったが、生後
 間もなく富豪吉田健三の養子となる。吉田健三は明治維新の新興成り金多角経営
 で実績をあげたが、早世。養母士子は吉田一斎の孫。漢学熟、学習院、一橋大学
 前身商業学校等を経て東大法学部政治学科卒業、外交官となる。牧野伸顕の娘と
 結婚、岳父牧野を通じて皇室主義者とる。牧野は薩摩大久保利通の息子。吉田の
 現実主義は大久保の思想にも通ずるものがある。吉田茂にとって皇室とは国家の
 本質。

外交官
 一貫貫して中国に拠点をおく英米派外交官。その考えは、英米帝国主義と日本帝国
 主義の協同歩調を大切にし、あくまでソ連・中国等の共産主義勢力こそ日本帝国
 主義の敵であるという考え方は、第2次世界大戦前の氏の外交官生活の思想の根底
 にあった。1945年1月吉田茂は近衛を動かして、天皇に戦争終決の上奏文を
 提出し、陸軍憲兵隊に逮捕され45日間の拘留、この出来事が戦後吉田茂をして
 反戦外交官という国民的英雄イメージを高めた背景出来事がある。

”上奏文は、日本の敗戦を憂え、天皇に早急な和平工作を上奏しているが、その論理は、
まず最大の重要事項は日本国体の維持であり、本件に関しては、すでにこの時点で、
吉田茂はアメリカは日本の国体維持に必ず同意すると読んでいる。しかし吉田等が
一番心配したのは、敗戦後の日本の共産化であり、しかもこのまま戦争を続けると、
国内至るところで国民の不満は共産化という結果で噴出してしまうから早急な和平が
急がれるという進言であった。そこには戦争の被害で苦しむ国民の心情等は何の考慮
の対象にもなっていない。

しかし、この近衛上奏文に前後して、陸軍梅津上奏文はアメリカは日本を徹底的に
破壊し尽くそうとしているから、アメリカとの講和は不可能と上奏され、天皇はこの
梅津上奏文に沿って、和平はソ連を通じて行なおうという方針を出す。こうした経過
から、当時の陸軍の情報のアメリカ外交を読み解く読みの誤りと吉田茂のアメリカを
見る目の確かさとが際立った歴史的対照をなしているのは興味深い。”

というコメントを西川さんという方が氏のHPでお書きになっています。
鋭い考察に見入ってしまいました。たまたま検索していたら見付けたんですけどね。

歴史の詳細というのは教科書では教えてくれません。著者の思想が入ります。
教科書はある意味偏った見方を押し付けていますから、必ずしも歴史に忠実かと
いうとそうでもない場合があります。前述で紹介したような著書や、テレビでの
放送を見て、それを自分なりに解釈するしかありません。

ただ、今の日本を生きていられるのは、このような歴史上の人物がいたからこそ
だと思います。大きな変動の時期に、このような英断をしたこと自体が素晴らしい。

でも吉田茂は昭和42年まで生きていたわけですから、自分の生まれを考えると、
思ったほど昔の人物ではありません。自分が生まれた時には存命だったわけですから。
つまり経済成長真っ只中に日本を見取ったわけで、幸せな最後だったかもしれない。

結果的には日本をいい方向へと導いた人物の最有力者である吉田茂。
頭の片隅にでも残しておいた方が良さそうですね。

はい。今日は曇りときどき雨。(東京地方)


 < 過去  INDEX  未来 >


しむちゃん [HOMEPAGE]

My追加