しむちゃんのつれづれ日記
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2003年04月30日(水) 某銀行のオトモダチ

日比谷に本社のあるお客さんのところへ行って手形を受け取った帰り、
ウチの会社の入り口の所で昔馴染みのメインバンクの担当者とばったり
会いまして、風雨の当たる玄関口であるにも関わらず、少しばかりお話
をしてみました。資金部にいた頃は決して話せなかったようなこと。

話を聞いてみると、彼はどうやらウチの会社の専属担当になったらしい。
自分は営業職に移っていろんなお客さんと接することで刺激を与えられる
ことが自分にとってはプラスになっているというと、彼はウチの専属だから
会社のどこに(つまりどの事業に)金を注ぎ込むかをひたすら考えていると。
銀行マンとしては担当会社からいかにリターンを得るかを考えるのが役目。
手数料収入がガタ落ちの銀行ですから、投資から得る収入へと道をシフト
しているようです。(ある意味、企業再生のための資金注入という側面も
あるのですが、ただいまBS改善の真っ最中ですから、そう簡単にはウチの
会社も金を借りるわけには生きません。)

さはさりながら、彼の考えではウチの資金部や役員連中の考えにはどうも
納得がいかない様子。期待のできる人はいるようですが、そのスタッフ不足
を指摘しています。で、彼はそのスタッフとなりたいのでわたくしにその
口添えをしてくれないか、銀行マンでなくなっても構わないと言うのです。

だったら自分を代わりに銀行へ雇ってくれと言いたいのですが、彼の思いは
時間単価の低さに不満があるようです。そのことは否定しません。そもそも
彼の銀行は日本で一番行員にきついことを強いる文化がありますから、以前
合併した時も、その相手の行員が仕事のきつさに辞めてしまうことを予想
しての合併だったと聞いています。合併するだけで、自ずと辞めていく行員
が出るので退職金も積まなくて済むという楽なリストラが行えるということ。
かつてはセブンイレブンとまで言われていましたから。(朝7時から夜11
時までが定時だということ。)体力の続かない行員は何も言わなくても辞め
ていくという環境です。まさしく体を金で売っている銀行。

自分はそんな環境で働いたことがないから、生活は収入の絶対額で評価され
ると考えていますが、つらい環境にいる人間はやはり逆のことを言うんですね。
ま、自分の場合は安月給でナインナイン(朝9時から夜9時までが定時)なの
で、単価としてはむしろ彼よりも低いと思うんですけどね。しかも提携相手は
こちらの論理が通用しない青目ということもあるし。

ウチの会社は財閥系なので、少々業績が悪くても、株価が低くても、メイン
バンクが救ってくれるという安心感があるのか、投資家はありがたいことに
見捨ててしまうところまではいきません。その彼も潰すようなことはしない
と言ってくれています。ただ、自分としてはそのようなことはあくまで限度が
あるわけで、そのことに甘んじている人がいるうちは会社は良くならないという
思いがあります。だから、今後4〜5年はそんな人がまだ残るので企業の変革
とか改革とかいったつらい立場に自ら陥るようなことを避けて通ると思います。
つまり保守的な考えで、いかに自分が失職しないかということを最優先に考え
続けると思います。いわゆる問題の先送りと考えは同じです。バブル崩壊後に
日本経済の回復が一向になされなかった理由のひとつです。ウチの会社でも
残念ながら実践されています。

経済の発展と同様、企業の発展は新商品や新規事業のリスクをかぶりながら
そのリスクを越えるリターンを得ること、そしてその状況を続けることから
得るものだと思います。リスクを冒さない保守的な行動では発展はありえま
せん。強くかつ積極的なマインドがあればこそリスクに立ち向かって行ける
のですが、周囲と同様、いかにリスクを減らすかに重点が置かれている以上、
保守的な考えに支配されているところから脱却することはできません。なぜ
なら、こういった状況では、いかに失敗した人間を叩くかに終始するからです。
自分が叩かれないためにまず他人を叩くという行動に出るからです。他人の
失敗を見て微笑んでいるんです。これでは不信感の塊としかいいようがあり
ませんから、創造性とか協調とかいった観点では仕事は出来ません。これが
ウチの会社の文化だとは思われたくないから、そういった組織行動の悪さ
加減のことではなく、技術重視の経営からの脱却、つまり商品企画が大事だ
という主張をしました。それを銀行員の目で見てどうなのかという観点で
ウチの会社を評価して欲しいという意味でね。中にいると見えないであろう
客観的な目で見て欲しいからね。

会社としては資金援助をしてもらうのはありがたいことですが、あくまで
それは窮地に陥った時のことであって、平時にしてもらうようなことでは
ありません。平時にやって度を過ぎたのがバブルの貸し付け。不動産神話に
のっかって不動産価値の上昇を予想して不動産価値と同等あるいはそれ以上の
貸し付けを行い、その資金を元手に不動産を購入し、そしてその不動産を
担保にまた資金の貸付を行う。不動産価値が上昇する限り、無限の貸し付けが
行われることになります。だからバブルが崩壊した時にその貸付の回収が
永遠にできなくなって不良債権と化したわけです。

ま、そんなこんなで彼とは10分ぐらい立ち話をして別れましたが、彼が
行内で評価されるためには、いかにウチの会社にカネを貸してリターンを
得るかが問われますから、どの事業に注ぎ込むかという観点しかないよう
です。だったらもっとウチの会社の事業を勉強して、銀行員の観点でもっと
介入してくれればいいと思います。いつまでもシロウトの目では変に頭の
いいウチの会社の人間にだまされるから。カネ貸し業の究極は事業のプロ
になることだと自分は思っています。それでこそ生きたお金の活用を考え
られるというもの。お金は生きてこそ価値が上がります。そしてその価値
から発生する利益で銀行をうるわす方向に持っていければお互いにハッピー。

ゼロサムゲームが蔓延する中で、プラスサムゲームに持っていけるかどう
かが銀行員に問われる力量ではなかろうかと思う。製造業の人間には思い
つかない観点でね。体力が問われる銀行マンですが、本来は頭を使う仕事
ですから、思いっきり頭を使って欲しいですね。>他力本願(笑)

はい。今日は曇りときどき雨。(東京地方)


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