| 2003年02月23日(日) |
ずーっと玉虫色でいい |
ここ数日はイラク問題でいろいろと動きが出ており、マスコミもこの問題を取り 上げているところが多いですね。
2月18日に行ったイラク情勢に関する安保理公開会合における原口国連代表部 大使演説の一部を外務省のHPから引用してみます。
"In our view, it is crucial now that the international community remain united and continue to put strong pressure on Iraq. If the Security Council fails to act in unity, it will not only damage the credibility of the United Nations but also send the wrong message to Iraq. It would also lead to an ongoing threat throughout the world of terror by weapons of mass destruction.!"
「今、最も重要なことは、国際社会が今後も一致団結した行動をとり、イラクに 対し圧力をかけることであります。仮に安保理が結束して行動できなければ、 国連の信頼性を傷つけるのみならず、イラクに対し間違ったメッセージを送る こととなります。また、このままでは、大量破壊兵器による恐怖が世界を脅かす という状況が続くことになりかねません。」(外務省仮訳)
結語に至ってはさらに、
"Japan sincerely hopes that the Security Council will be united and take effective action to fulfill its responsibilities for international peace and security."
「日本政府は、安保理が、このような現実を踏まえ、一致団結して効果的な行動 をとり、国際の平和と安全に対する責任を全うすることを期待します。」(同仮訳)
こう何度も「一致団結」を呼びかけるのも、みなさんアメリカの意見を聞いて下 さい、とでも言いたげです。言葉だけを見てみると、いかにも大胆にアメリカを 支持しているんですよと言っているように見えますが、冷泉彰彦のレポートを 見てみますとそうでもないようです。というのも、
”原口大使は「目線」や身ぶり、表情などは一切使わず、座って原稿に目を落とし ながらの棒読みでした。その英語も、わざわざ子音と子音の間に母音を、つまり 's' を 'su' に変えると言ういわゆる純粋カタカナ発音で、しかも強勢アクセント を外した平板な早口でしたから、誰にも意味の分からない不思議な演説でした。
私は、今度の国連大使は英語とは縁の薄い方なのか、と思いましたが、そんなバカ なことがあるわけがありません。これは、完全に儀式であって、会議の席上で外交 力を発揮するつもりは更々ない、そんな意図の演説だったようです。小泉内閣とし ては共和党政権の戦略に乗っかるのは、既定路線であって、今回の国連演説は国内 向け、つまり政界メンバーの反応をうかがい、世論の反応を探るためのアドバルーン だったのでしょう。”
サンデープロジェクトでもやっていましたが、アメリカのイラク処理は新保守派と 言われるいわゆるタカ派の議員たちが影響力を持っていて、彼らの力をブッシュが 無視できない状況であることが問題です。国民の6割以上がイラク攻撃を支持して いるという世論調査もあるとおり、国民もイラク攻撃を支持しているようですが、 一方ではパウエル国務長官のように穏健派もいるわけで、そういう意味では一昨年 の9.11事件はタカ派を後押しした形になっています。こういうきっかけを待って いたかもしれません。
もし日本政府がホワイトハウスの本音はイラクを攻撃することだと大真面目に考えて それに同調するならば、手痛いしっぺ返しをアメリカ国民や世界から受けるかもしれ ません。詳しい考察はこの場では避けますが、軍事面での積極的な姿勢は、決して 日本にとってはいい結果にならないと思っています。ずっと玉虫色か反戦を指示して いる姿勢を保って欲しいものです。
いずれにしても状況はやさしいものではなく、どちらに転んでも少なからずの影響が 出てくるのは間違いありません。その影響が国益として長期に考えた場合、どちらが より国益を損ねないか、その判断をきちんとして欲しい。判断できないならば、いつ までも玉虫色の発言を続けるべきで、態度を表明しないぞという態度を表明する。 このあたりは小泉首相がお得意のところではないだろうか。
アピール度のなかった原口大使のスピーチは、あれはあれで良かった。 言葉としてはアメリカを立てながらも、姿勢としては強行でないことを態度で示した いわゆる玉虫色。叩けと言えない日本の立場を貫けばいい。軍事面で主体性を出せ ない日本の姿勢を貫けばいい。日本は所詮、敗戦国なんだから。歴史を背負ってます。
はい。今日は曇り。(東京地方)
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