| 2003年02月07日(金) |
マイナス金利での取引 |
こんな記事がありました。
マイナス金利が“定着”=外銀など一部で連日の取引成立
金融機関同士が短期資金を融通し合うコール市場で、利息を払って資金を借りて もらう「マイナス金利」が定着してきた。資金の貸し手は外資系銀行で、借り手 も外銀や信用力の高い邦銀など一部に限られるものの、マイナス金利での取引は 初成立した1月24日以降、少額ながらほぼ毎日続いている。 (時事通信) [2月7日17時4分更新]
こんなレポートもありますので覗いてみて下さい。
さて、1月24日の時はどういうことだったかというと、
”この日は、無担保コール市場で、外資系金融機関が別の外資系銀行に、金利 0・01%を支払って貸し出す取引が成立した。マイナス金利は、邦銀が外資系 銀行に円を貸してドルを借りる取引では恒常化している。邦銀の信用力が低下し、 金利面で損をしてでも外貨を調達する必要が出ているためだ。
今回の場合、外資系銀行は邦銀から円を借りた時のマイナス金利で「利益」を得て いるため、コール市場で金利を払って貸しても、通算で損失にはならなかった。”
ということです。
円がセロ金利下の国内でじゃぶついていることの象徴です。 東京新聞の解説を見てみましょう。
Q なぜ、お金を払ってまで資金を貸すの?
A 海外の銀行は銀行内の規則で、日本通貨の「円」の保有制限を設けていることが 多い。背景には日本経済が低迷し円の信用が落ちている現実がある。「これ以上、 円を持つと危険」という“自主規制”だ。B銀行は制限を超えるほどの円を持った ため、仕方なく、マイナス金利でお金を貸したとみられる。
Q でも、損をしてまでお金を貸すとは…。
A それが単純に損を出したわけでもないようだ。マイナス金利でお金を貸した欧州 のB行はそれ以前に、市場の信用を落とし外貨調達に苦しんでいた国内銀行との間で、 かなり有利な条件で円と外貨を交換する取引を成立させたらしい。このもうけはマイ ナス金利で出た損を大きく上回っており、総合的には利益を上げたとみられている。
Q マイナス金利はまた発生しそうなの。
A 海外銀行の国内支店も、低金利と株安で円を運用する手段を見つけにくい。 これらの外資は邦銀と同様、日銀に「日銀当座預金」を設けるが、ここにも「これ 以上、お金を置いてはダメ」と自主規制しているケースがある。さらに邦銀の信用 ダウンで外資の預金は増加傾向だ。つまり、優良な外資は手持ちの円が余っている。 保有制限を超えた円を持つ外資が、マイナス金利でお金を貸すケースは、また出て きそうだね。
技術的には難しいと言われたマイナス金利。取引コストや自主規制のために可能と なった。とはいえ、他の取引で利益が出ていなければできなかったこと。それでも こんな取引は例外中の例外。通常われわれが目にすることは出来ない。
実際の貸出金利が実質金利になってくれれば、借り手としては苦しまずに済むの ですが、それでは貸し手に利益が生じない。ただ、デフレ状態では貨幣価値の方が 資産や債券よりも価値が高くなっているのは事実。だから借金せずに返済をする方向 となる。そうなると貨幣は滞留し、経済は収縮する方向へ向かう。これが一方通行 である状態が現在の状態。政府の出番はここにあるんじゃないでしょうか。
死んだ貨幣を生きたものにするには、貨幣が流通しなければならない。 流通するためには貨幣の取引が生じなければならない。健全なお金の流れは、
政府・日銀→市中銀行→企業・個人
こうなることで消費や投資が進むことになる。今はこの流れが逆。消費や投資を 抑えて返済をしているから、いくら金融緩和をしても貨幣がじゃぶつくだけ。その 結果、上記のようなマイナス金利の取引が成立する。一方では資金不足に苦しむ 中小企業や個人は高利で借金をせざるを得ないというアンバランスが起きています。 資金不足というのは収入の減少のことです。ここにメスを入れなければいけない。
デフレ政策のセイフティ−ネットとは、こういうことだと思います。収入を増やす ための政策です。そのための解決策として政府通貨発行なんですが、なかなかこの 議論が前向きになりませんね。従来の常識を壊してでもやって欲しいんですが・・・。
はい。今日は晴れ。(東京地方)
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