デフレの定義は「継続的な物価下落」だと定義したのは誰でしょう?
※ちなみに自由民主党デフレ対策特命委員会が提言している中に、次のよう なくだりがあります。
”デフレとは 「物価が持続的に下落する状態」のこと。 日本は90年代半ばからデフレ傾向が始まり、最近、さらに拍車がかかりつつ あるとされる。 物価の持続的な下落は、消費や投資を抑制し、企業収益の減少や、賃金、 資産価格の下落を招くなど、経済の発展を阻害する。 いったんデフレに陥ると悪循環が生じて悪化するため「陰湿な経済」とも 比喩される。 デフレ・スパイラルとは、こうした悪循環が相互作用し、加速 度的に進む状態をいう。 ”
これを見てみんながこぞって物価下落のことをデフレというのか。
多くの経済学者・金融関係者やエコノミストがいまだにデフレを貨幣価値の 観点からのみ言及していることは、大きな危険性をはらんでいると思います。 もっぱら、その定義は政府・自民党がしているんだから致し方ないとはいえ、 その言葉の持つ本来の意味を見失って、公的な言及を鵜呑みにしてそれを何の 恥じらいもなく論理を展開する、世の中では理解していると思われる人たちを 見て正直がっかりしているところ。
本来の意味を分かっていても、コメントを求められたら一般に理解されている 言葉を使って展開しなければならないのは分かりますが、そこにその人の持つ 論理をきちんと反映しなければ、見ている人に変に誤解されても仕方がないと 思います。しかも、みごとに横並びというか、物価指数に言及する人ばかりで、 誰か違った観点で言及してみろよと思うんですが、なかなかそのような人は いませんね。
デフレという言葉は戦後45年、使うこと無しに過ごせたことが致命的だった かもしれません。なにせ教科書にはほとんど言及されていないんですからね。 だから昭和の時代に学校を卒業した人にはピンとこない言葉。
デフレとうまく付き合うよりもインフレになった方がはるかにコストが安いと 論じている人は、これまでのインフレ体験を多くの人が享受してきたからその 経験や知識により対応がしやすいという考えがある。というか、これまでの 理論上での話。教科書通りでは解決できないんだから、理論というのは通用 しないんじゃないかといささか疑問ですね。これには。
「物価デフレ」とか「資産デフレ」とか言いますが、「デフレ」のところを 「下落」とか「価格下落」と置きかえれば一目瞭然です。下降するさまを 「デフレ」と言っているんですね。これが一般的に使われているからたちが悪い。
おさらいしましょう。(使用する言葉の善し悪しは無視して下さい) 商品価値よりも貨幣価値が落ちることをインフレ。 商品価値よりも貨幣価値が上がることをデフレ。そんだけ。
言い替えれば、 モノの価値が上がればお金がたくさん要る。それに価格が伴えば物価は上がる。 モノの価値が下がればお金は少なくていい。それに価格が伴えば物価は下がる。 この関係が比例していれば価格が動く。
価値が上がるか下がるかはモノへの評価ですから、価値のないものは価格が 低くて、価値のあるものは価格が高い。同じ宝石でも希少価値のあるものは 価格が高いですね。これも評価です。
でも今の状態は同じモノが価格の低下を引き起こしている。これはどういう ことか。それはお金の支払をする者(家計・企業)の収入が減ったから。 収入が減ったから支出も減るのは自然なこと。なんで収入が減ったのか。 これは資産価値が減少したから。この資産価値の減少が収入の低下を招いて いるんです。巡り巡って経済全体のパイを縮小させているのです。
どこに責任があるのかというと、バブルを引き起こした時代の政策当事者、 日銀です。物価の安定(つまり緩やかなインフレ)が目標であるのに、急激な インフレ上昇を避けることができなかった。この時点でデフレが起きるのは 時間の問題だったのです。極論すると、資産価値の低下がデフレの根源であり、 資産価値の低下が物価下落を引き起こしているんです。
だとすれば資産価値をもう一度上げてあげればデフレは解消するのかというと 一概には言えませんが、恐らくインフレ傾向にはなるでしょう。しかし誰もが 資産を保有しているというわけでなく、資産を保有していない人へインフレの 恩恵が回ってくるのは資産価値が上がった1〜2年後になるでしょう。
もし政府がここにテコ入れをするのならば、資産価値上昇のためにお金を 注ぎ込むことになりますが、それは国債を発行するという借金政策ではなくて、 やはり政府通貨の発行という形がいい。つまり景気対策には公共工事への 資金注入ではなくて、資産の買い上げということになります。
でも議論としてはマイナスの課税(例えばマイナス5%の消費税)とかお金の ばら撒きとか。より広く行き渡るからね。いつぞやもばら撒きがありましたが その原資は国債の発行。これを政府通貨の発行に変えるんです。そうすれば 借金は増えない。増えないどころか、消費が増えるから税収アップにもつな がります。政府通貨の発行は円への信用の低下を引き起こしますが、それを 怖がっていては始まりません。塩ジイも円安方向は歓迎だと言っていますし。
こんなこと言ったら公明党員かと言われそうですな。自分は違いますよぅ。
はい。今日は雨ときどき曇り。(東京地方)
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