| 2003年01月25日(土) |
金融再生論か産業再生論か |
経済のプラットホームとなる産業の建てなおし、新しい産業の 育成が大事だというのはまさしく正論。金融論に終始している 今の政治に異論を唱える人も多い。
製造業に従事している自分もその異論には賛同したいんですが、 経済再生のためには金融のテコ入れは大事で、産業に活力を入れる ための原資作り、つまりお金を流せる仕組みを考えなければなり ません。
産業の活性化とは、企業がお金を借りることを悪とする考えから 脱却しなければ、いつまでたっても新規事業を立ち上げる動機付け が起こるとは考えにくい。新規事業を行うには、そのための原資が 必要なわけで、過去の利益から捻出するか外部からお金を調達する かのどちらかに依存するわけで、そうなると元手のない人には 選択肢がひとつになってしまい、その資金調達の信用をどこから 持ってくるか、貸出側からするとそのリスクをどう評価するかと いうところでの葛藤になります。いかんせん、貸出リスクはしっかり 管理されておりますから、ここを蔑ろにして金融機関もかつての 使命を全うすることは出来ません。自分のクビを絞めることになる からね。一生懸命、不良債権を減らすことにエネルギーを使って おりますから。
どちらを取るかというのは議論としては成り立たない。 結論が出ないから。そうじゃなくて、どちらを優先させるかという ことを議論として持ち出すべきで、そのためにはもうひとつの方を どうしたらいいかということになるわけで、本質的なところでの 議論を無視してはいけません。要するに今の状況が正常なのか異常 なのかを冷静に考え、異常であると考えるのならば、それがなぜ 異常なのか、その根っこを認識するところから始めて、それをきち んと把握した上でその解決策を考えること。当たり前のことを 当たり前に行うだけなんですが、どうも論点がボケたところでガヤ ガヤやっているような気がしてなりません。
今の日本の経済状況がなるべくしてなって、そういう状況と長く 付き合っていくべきものなのか、いやそうではなくて、こうあっては ならないことで、必ず変えなければならないのか。
周りを見たらどの人も今の状況は危機的だ、改革が必要だ、変化を 求めるべきだ、なんてことがあちこちで叫ばれている。何が悪くて 変えろと言っているのか、彼らもやることが無くてただわめいている わけじゃないでしょうから、その背景をきちんと説明する、説明して あげることが大事じゃないかと。
産業界に国が介入することには規制と補助以外には限界があります。 というか、産業界は自分たちの生き残りに必死になっていますから、 細かいところでは自力でちゃんとやっています。本音としてはその 後ろ盾を国がやってくれるとありがたいと思っている。
50年前と今とで比べると、物量も質も明らかに豊かになっています。 一部の豊かな人だけではなくて、多くの人が豊かさを共有できる社会 になっています。生産性を上げたら価格が低下していくという経済学の 教科書にある理論とは逆の状況になっています。モノが豊かになった からこそデフレは必然的な到来であったと自分は理解しています。
であるならば、安定的=緩やかなインフレという図式をやめて、逆の 考えに転換することを考えてもいいんではないだろうか。つまり、 安定的=緩やかなデフレ。人口の増加が無ければ物量の増加はありえ ないんだから、生産性を上げて物量が増えれば価格は下がらざるを 得ないのは農業品と同じこと。ここに生産性の追求に対するモチベー ションの低下が起こっているんです。効率を上げて生産を増やしても 給料の上昇には貢献しないとなると、やる気も失せるというもんです。
要するに購買側の収入が増えないから支払額も増えるわけなく、量が 増える分だけ価格が下がるという図式。これをみんながデフレと称して 騒いでいるわけです。右肩上がりの成長を求めると価格の低下を引き 起こし、それに伴って収入も低下するから余計に価格を下げざるを 得ない。これがデフレスパイラルだと思っている。収入の低下を引き 起こしたのは何なのか。単に業績の悪化だけでは説明ができない。
自分が政府通貨の発行に賛同するようになったのは、企業の再生や、 インフレ理論に基づく経済政策では現状を解決できないと考えている からです。現状はとりたてて解決する状況でもなければ国債の発行を 何の問題でもないと考えるならば話は別ですが。
お隣の韓国のように、いざとなったらIMFに助けてもらうなんて ことは日本には適用できません。なぜなら日本はIMFに資金提供して いる第2位の国だからです。日本が破綻するとIMFの資金だけでは とてもカバーすることなんか出来ない。お金で国を再建してきた国は お金で解決するしかないと思います。政府通貨の発行を大々的にして こなかったのは国の面子や円の信用に関わることだったから。でも 一時的な円の価値低下(つまり円安)を引き起こしたとしても、それは 輸出企業にとってはありがたいこと。いずれはどこかで落ち着きます。
インフレが怖くてインフレ政策を考えることができないのなら、デフレ にうまくつきあっていく方法を考えなきゃいけないのに、それすらも とんちんかんな議論になっているように思います。
経済を建てなおしためにはお金の流れをスムーズにしてあげることが 国に出来る唯一の政策ではないでしょうか。
しんどいながらも一生懸命がんばっている人もたくさんいます。 そんな人たちを尻目に自分は関係ないとほざく議員や官僚にはさっさと 辞めてもらって、本当に国民の方を向いてくれる人を我々も選ぶべき 時が来ているんじゃないでしょうか。
夢と希望と幸せと。 そんな思いを抱かせる社会に早くなって欲しいと願うのは自分だけじゃ ないと思います。その切り口としての政府通貨発行。
国民のためにと言いながら自分のことしか考えていない議員の発言には 飽き飽きしてきました。ね。重鎮といわれる議員さんたち。
長くなってしまいましたね。ほんじゃ。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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