| 2002年11月23日(土) |
銀行を叩いても・・・ |
「資金繰りに一番効果的だったのは不動産取得だった。」
どういうことかというと、銀行が担保に取るのは従業員や設備では 無く、不動産、つまり土地に担保をあてがうことで貸し付けをした ということです。大企業ならば受注量を持ってそれを担保にできた ものが、中小企業ではそうではなく、潰れるリスクを考えてその企業 が保有する土地を担保とすることを条件に運転資金を貸しつけていた から、中小企業がその土地取得に走ったことで不動産価値が急に上が り、不動産価値が上がれば貸し付けも増える。その繰り返しでバブル になったというもの。そして銀行は不動産にのみ価値を見出し、その 不動産取得を促すこと、あるいは自身が不動産を取得することで銀行 の価値を上げていると考えた。そして不動産を保有していれば必ず 儲かるという土地神話が築かれた。当然ながら土地の価値には限界が あり、その限界を感じた人々が土地を売り始めると、慌てて周りが 売り始めたもんだから、一気に土地の価値が下がり始めた。バブルの 生成と崩壊は全てこの土地に関する動きで説明が出来る。
でもこれはあくまで現象に過ぎないと思う。 銀行の貸し付けの姿勢あるいは条件が問題で、大企業と中小企業との 間に格差をつけた。貸し付けの基準が企業の将来性ではなくて現物を 持つかどうかを中小企業の貸し付け条件としたことが問題だと思う。
産業の下支えをする使命のある銀行は、自身を守るためには使命感 よりも保身を優先させたということ。その背景には日銀の窓口政策が あると思う。どういうことかというと、日銀にはある思惑があり、 景気を上向きにさせるために資金の流通を高め、その資金を回らせる ために何らかの理由をつけて借りさせるというもの。その借りる名目 が不動産取得であったといってもいい。現物を担保としていれば、 誰も反対しないからね。貸し出しを増やすためにはその不動産の価値 を高めれば貸し出しを増やすことができますから、意図的に不動産の 価値を高めることを考えたのです。そしてある時からその貸し出し 政策を転換し、緊縮の方向としたのです。そうすると銀行は自身の 保有する不動産を売りに出し、そして不動産価値は下落の方向となり、 中小企業が保有する不動産の価値も下がりますから貸し出しも減る。 これを実行したのが貸し剥がし。運転資金の借り入れの継続に難色を 示したのが貸し渋り。
不良資産というのは、自身が保有する資産価値が落ちてどうしようも なくなったものをいうのですが、これが銀行のことになると、銀行が 貸し出した資金が戻ってこなくなるその資金のことをいいます。
バブルで貸し出した資金が戻って来ないのは、自身の行った行為の ツケが回ってきたことなので、必ずしも借りた企業や個人が責めら れるものではありません。不良資産も不良債権も狭義では同じ意味。 ということは、銀行が責められてガバナンスを強化しろと言われても 文句を言えない状況。ただ、その当時の関係者が責任を問われている かといえば、そうではない。だから銀行のトップは激しく反論する。 現在の銀行トップは悲しい運命を負わされています。
でも、元を辿れば日銀の窓口政策に行きつくんだから、日銀の責任を 問うことは理屈としては無理ではないんです。でもそこには責任追及 の手は及んでいません。これはその実証が難しいから。
このあたりは本に書いて叩かれた人がいますから、これ以上は言いま せんが、今の沈滞した景気を語るには外しては通れないことであると 思っています。どうしたら景気が良くなるのか分からないということ は、どうして景気が良くならなくなったかという原因がつかめないと いうことと同じ。理屈で説明できないということは、理屈で説明でき ないことが行われたからに他なりません。処方箋が作れない医者は、 その原因が分かっていないから。そういうことです。
そういう意味でも、今まで手を付けてきていないところに本当の原因 があるわけで、だから銀行叩きにしても、それは単に表向きの言い訳 であって根本的な問題解決にはならないと思います。
さぁ、じゃあどうしようかねってところが抜けているのがこの議論の 欠陥ですが、まあいいじゃないっすか。(笑)ただのつぶやきなんで。
はい。今日は曇りところにより一時雨。(東京地方)
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