| 2002年09月22日(日) |
挫折した人を外交官に |
今日は午後から雨になりました。 それまでは窓を開けていると涼しい風が入ってきて、すっかり秋の様相。 冷たいものを飲んでいると、体が冷えてしまって寒くなるほどです。 昨日、布団干しをしておいて良かった。
さて今朝のサンデープロジェクトでも取り上げられていました北朝鮮の 日本人拉致問題。安部副官房長官は厳しい質問やら指摘を受けていま したが、どうやら彼は直前まで首相の訪朝を知らされていなかった模様。 タカ派の彼を意図的に外したんじゃないかというのはあながちハズレ ではないんでしょうか。そうは言われても、かれは首相の側近のひとり。 グチを言うわけにはいきません。首相を信頼していると言うしかない。
ここでポイントとなったのは、今回の首相訪朝は外交の手法としては 順序がおかしかったのではないかということ。事務レベルで粛々と 進めていった最後の手としてトップが乗り込むといったことが今回は トップが乗り込むことが最初だったこと。
悲観的に見れば今回のトップ会談は小泉内閣にとって命取り。でも、 楽観的に見ればこれからの交渉の道筋をつけてくれたということで、 完璧ではないにしても、問題解決の可能性が高くなったということ。
どういうことかというと、北朝鮮は首長の言うことは絶対的。だから 金正日の言うこと以上のことは下のものには決めることができない。 そうなると、事務レベルでの協議では具体的なことは何も引き出せない ことが考えられるのです。もう済んだことだと言ってね。
一方では、今まで一貫して北朝鮮による日本人拉致はなかったという 姿勢を今回の小泉首相の訪朝で崩したこと。非公式には何度となく 北朝鮮の姿勢をどうにか崩せないかトライしていたようですが、これが 崩せなかった。ブッシュ大統領の発言や、不審船の捕獲などという 追い風が吹いていたことが救いではありました。
大きな流れとしてはロシアや中国の方針転換が背景にあります。 北朝鮮としても同志が資本主義社会に近寄ったことで孤立に近い状態に なってきています。しかも北朝鮮は貧困の真っ只中にあるようです。 いくらテポドンやノドンで脅かしても、核爆弾の製造をちらつかせても、 それらを維持していく財政的、政治的なバックアップがありませんから 政権としてはそのうち化けの皮をはがされることになります。 誰からかって?そりゃ外圧に決まってます。内部告発なんかしちゃって あとからバレたりなんかすると、暗殺なんてことになりかねない。 日本ではありえませんが、公開処刑なんてこともやりかねませんから。
外交はそれぞれの国のエゴとエゴとの戦いですから一筋縄ではいかない。 国民感情としては納得いかないことも、あちらの国では取り上げるに 足りぬこととして葬り去られることもあります。国の土壌として認める わけにはいかないことは、たとえ相手の感情が分かっていたとしても、 認めたくても認められないことはいくらでもあります。日本の政治家や お役所なんかでも同じでしょ?一旦認めたこと、計画したことは簡単には 変更しようとしない。自分の間違いを認めない。自己革新ができない。 北朝鮮に限った話ではないんです。どこにでもある現実です。
それにしても今回も外務省の対応のマズさが目立ちました。 彼らはマニュアルにないことは対応できないんですかね。 平和ボケした日本人の典型です。緊急性なんか考えず、あくまで自分の 考えられる範疇の中でしか動かない。ボケた頭では動けるはずがない。
間違った見方かもしれませんが、司令塔(ムネオ)がいなくなったことで 外務省を取り仕切る人間がいなくなり、誰に相談をしていいのか分から なくなってしまったため内部で混乱したというのが対象者リストを提示 された後の翻訳に6時間もかかってしまった裏事情ではないのかな。
官僚としては首相や官房長官に相談するわけにもいかず、ましてや素人の 外相に相談するわけにもいかず。そういうときに都合の良かった人物。 自分たち寄りの政治家を動かしてものごとを決めていくという決定の プロセスが出来上がっていたんじゃないでしょうか。それが今回は無い。
そういった意味で、いわゆる「カシコイ」人じゃなく、いかに問題対処が できるかという観点で外交官を派遣したらどうなんだろうか。少なくとも 日本という国を代表して派遣されているわけだから。利権とか保身とか、 そういうことにこだわらない、国益を大事にし、素直に国民のために 奉仕する公務員として活躍できる人。そんな人たちに外交官になって 欲しい。登用する側の意識改革も必要ですけどね。まずそこからかな。
いわゆるエリートたちは挫折も無く生きてきた人たちですから、自分の 間違いは絶対に無いと思っている。人間だったらそんなことありえない から、挫折を乗り越えて強く生きている人を外交官の登用の条件として みたらどうかと思うのは自分だけでしょうか。とはいえ、やっぱり 登用する側の人間たちはエリートですから、そんな人は登用しないで しょうね。くやしいですけど。
はい。今日は曇りのち雨。(東京地方)
|