しむちゃんのつれづれ日記
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2002年04月15日(月) 今は昔・・・

改めて2月の経済誌を眺めていました。
このころのキーワードは「2,3月危機」。
より一層の金融緩和により、円安・株安・金利安のトリプル安が懸念
されていた頃です。一向に進まない構造改革に疑問が出ており、また
問題も対処の仕方に問題があるとして内閣支持率も急降下、政府とし
ては何とも恐ろしい時期であったと思います。

PKOの発動やら空売り規制やら為替の介入やら国債の買い上げやら、
とにかく取りうる手段を講じて通貨・株・債券への影響を少なくする
よう手を尽くしておりましたから、結果としてはそんなに大きな変動
も無く、また大きな動揺も起きずに3月末を過ぎることになりました。

これは恐らく投機筋は想定していなかったストーリーです。
もっと日本の経済がガタガタになってくれた方が儲けのチャンスは大き
かったと思います。でも、そんな投機筋の思うままになるほど日本の
経済は腰が高くなかったということですね。決して政府や日銀が介入する
ことが是というわけではありませんが、全てを市場に任せておく市場
主義には反対です。

もちろん、現場にいるディーラーの観点からすると、強制的に市場を
かく乱する政府や日銀の行動は批判するでしょう。しかし、理屈では説明
できない状況になってしまった日本経済の安定を守るためには、いいか
どうかという観点では無く、するべきかそうでないかという観点になると
思います。そこまで追いこまれているということでもありますけどね。

ジャブジャブと溢れている資金も、使うべき人が使わなければタダのカネ。
まったくもって日銀の印刷機も意味の無い使われ方をしたもんだと、今更
ながら考えてしまいます。

かつてであれば日銀が過剰な紙幣を印刷して、銀行に無理に融資をさせて
インフレを引き起こすなどといった方法も取られていたようですが、今は
借り手の無い状況。しかも借りる人を選んでいます。98〜99年を思い
起こしてしまいます。あの頃はバランスシートを軽くするために、銀行が
融資先を限定して来た頃。大きく2つのパターンに分かれましたが、ひとつ
は中小企業に融資が行き届くよう大企業から融資を引き揚げるパターン。
もうひとつはその逆で、安心できる大企業に融資を増やすために中小企業
から融資を引き揚げるパターン。引き揚げるためのいい訳としてスプレッド
を上げさせてくれと言って来ました。そうなると必然的に返済をするしか
ありません。金利の利払い負担が重くなりますから。前者の場合は返済の
能力のある大企業からの引き揚げですから納得もできますが、後者は中小
企業イジメとしてマスコミからバッシングされたもんです。

現在は大企業ですらバランスシートを改善することに必死になっております
(つまり借金を返済しようとしている)から、資金の借り手が無くなって、
企業から個人へとシフトしてきました。ローン会社が儲かっているのは
この影響があります。銀行も個人向けのサービスを充実させてきている
のもこの影響です。個人だと問題が起こった時に叩きやすいしね。

ひとつの考えとしてPL上の利益を出すために借金をすることがありますが
これについては投資家としては危険な兆候だといわざるを得ないでしょう。
第三者がひとつの企業を見る観点としては、その会社の利益を見るのが
一番手っ取り早い方法なのですが、それが見せかけの利益であることが
あります。ですから今はPLよりもBSの内容を重視するスタンスになり
つつあります。その意味で、リチャード・クー氏が以前から唱えている
バランスシートの改善は、日本企業にとっては使命であると言えるでしょう。
これは小泉さんが構造改革を唱える前のことですけども、評論家の間では
彼の主張はなかなか受け入れられるものではありませんでした。
今でも景気対策に重点を置くべしと唱える人が多いですから。

企業に席を置く身としては、目の前の景気浮揚に浮き足立って一番肝心な
自分の足腰が弱っている事実を見逃してしまうことが心配です。ですから
やはり血を見ると言いますか、痛い目に会って、そしてそれをどう切り抜け
るかというところで知恵を出し合う、そんなプロセスを通らないといけないと
思っています。これはある意味、武器の無い戦争とでも言いましょうか。
外面的な傷にならない、心の中での戦争とでも言いましょうか。そこで勝利
した人だけが、戦後の復興期に儲けることができる、なんて世の中。
どうでしょう?

はい。今日は曇りときどき晴れ。(東京地方)


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