『日々の映像』

2010年05月01日(土) 社会のひずみ

1、中国:男が刃物で園児ら襲い31人負傷 4人死亡か 江蘇
                      2010年4月29日   毎日新聞
2、視点・論点 「貧困と格差」
                2010年03月30日 (火) 弁護士 宇都宮健児
           http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/41150.html
3、一度社会から断絶されるとどん底に…
 貧困と無縁ではない「引きこもり」の実態
                 http://diamond.jp/articles/-/7827

 日本・米国共に社会のひずみがあるが、中国の社会のひずみはより深刻ではないかと思う報道を取り上げたい。中国江蘇省泰州市の幼稚園で29日午前、刃物を持った男が園児らを襲い、園児28人と教師ら3人が負傷した。このうち園児5人は重体、4人が死亡したとの情報もあるという。

 日本でも数年前に起こったが、中国は連続してこのような事件が起こっており社会のひずみの深刻さを露呈している。

3月23日
福建省南平市の小学校で児童が襲われ、8人が死亡、5人が負傷する事件が起きる。
4月28日
広東省雷州市で病気療養中の教員(33)が小学校で児童ら19人を切りつける事件が起きる。
4月29日
男が刃物で園児ら襲い31人負傷 4人死亡か 

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1、中国:男が刃物で園児ら襲い31人負傷 4人死亡か 江蘇
2010年4月29日   毎日新聞
 【上海・成沢健一】新華社通信によると、中国江蘇省泰州市の幼稚園で29日午前、刃物を持った男が園児らを襲い、園児28人と教師ら3人が負傷した。このうち園児5人は重体といい、4人が死亡したとの情報もある。地元警察は現場で無職の男(47)を拘束した。中国では今年に入り、学校で子供が襲撃される事件が相次いでおり、上海万博の開幕直前に社会のひずみを露呈する形となっている。
 拘束された男は、地元の保険会社に勤めていたが、マルチ商法にかかわっていたことから9年前に解雇された。負傷した園児の多くは同じクラスの4歳児。警察は犯行の動機を追及している。
 中国では3月23日に福建省南平市の小学校で児童が襲われ、8人が死亡、5人が負傷する事件が起きたほか、4月28日にも広東省雷州市で病気療養中の教員(33)が小学校で児童ら19人を切りつける事件が起きたばかりだった。
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1. 視点・論点 「貧困と格差」
2010年03月30日 (火) 弁護士 宇都宮健児
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/41150.html
1 日本中に貧困が広がっている
 貧困が、今、急速に日本中に広がっています。
 貧困は、人間の尊厳を奪い去り、ときには命さえも奪い去ります。貧困の広がりは、わが国社会そのものを崩壊させる危険性をはらんでいます。
 わが国における貧困と格差の広がりは、昨年の衆議院議員総選挙において、「国民生活が第一」「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げた民主党を大勝させ、歴史的な政権交代が行われる大きな要因となりました。

2 日本政府が貧困率を初めて発表 - アメリカに次ぐ貧困大国日本
 新政府は、昨年、可処分所得が全人口の中央値の半分に満たない国民の割合を示す相対的貧困率を発表しました。日本政府が貧困率を発表するのは初めてのことです。
 それによると、2007年におけるわが国の貧困率は15・7%、子どもの貧困率は14・2%、一人親世帯の貧困率は54・7%になっているということです。
 したがって、わが国の国民の6人に1人、子どもの7人に1人、一人親世帯の2世帯に1世帯が、貧困状態に陥っているということになります。
 OECD(経済協力開発機構)による相対的貧困率の調査によれば、先進国ではわが国は米国に次いで貧困率の高い貧困大国となっていますし、一人親家庭の貧困率は、OECD加盟30か国中最悪となっています。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/41150.html

3、度社会から断絶されるとどん底に…
貧困と無縁ではない「引きこもり」の実態
http://diamond.jp/articles/-/7827

会費5000円も払えない 困窮する「引きこもり」たち

 2009年頃から、引きこもる当事者や家族から「生活ができない」といった経済的困窮への悩み、生活保護の申請に関する相談が、日に日に増えてきているという。
 とくに、当事者が35歳以上のケースでは、こうした貧困に関するものが多く、社会への不信感や絶望、怒りなどを切々と訴えてくる。
 こう最近の状況を明かすのは、10年余りの引きこもる生活を経て、自ら引きこもり支援の“居場所”を立ち上げた、京都市の梅林秀行さん(36)だ。
「引きこもった本人の目線を大事にしたい」との思いから、08年10月、活動を支援する会社経営者が好意で提供してくれた京都市南区の作業所に「京都ARU(アル)」(代表・田中稔、Eメール:kyotoaru@gmail.com TEL:075−661−2088)を開設。現在、そんな居場所のスタッフを務める。
 同会の会費は、月額5000円。同業の民間支援団体に比べても、格安なほうだと思われるのに、「経済的にしんどくて、支えきれない」といった相談が目立つようになったという。
「リーマンショック以降、急速に経済状況が悪化しました。団塊の世代のボリューム層が、一気に離職した影響もあるようです。家族自身が定年退職や給料の減少、リストラなどの理由で、たとえ当人のキャリア形成を支援するためであっても、これまでのように、経済的な支援ができにくくなっているんです」(梅林さん)
 引きこもりは、貧困と無縁ではない。基本的には、仕事をしていないからだ。
 何らかの精神疾患を抱えていれば、医療費も増大していく。引きこもりという状態に入ることによって、支出は増えることがあっても、収入が増えることはない。
 引きこもりは、セーフティネットの枠外にいる。貧困は、構造化されているのだ。
「貧困と経済的困窮の解決は、良くならない状況からのスタートです。この視点で、これまでの引きこもり支援は、なぜ語られてこなかったのか。引きこもりにどう対応すべきかの問題は、貧困や経済的困窮といったテーマにデザインされていなくて、解決に向けた選択肢を持てていなかったのです」(梅林さん)
 なぜなら、引きこもり支援は、不登校支援の延長として成立したいきさつがある。また、家族同士の家族会を母体に、草の根的な引きこもり支援がスタートした。梅林さんは、「貧困がテーマ化されにくかった事情の1つではないか」と考える。
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石田ふたみ