2010年04月25日(日) |
消費税率17%まで覚悟する必要があるのか。 |
報 道
1、自民党:「消費税率上げ、国民安心税に」 政権公約に盛る 毎日新聞 2010年4月21日 2、社説:消費増税―参院選で堂々と論じよ 2010年4月22日 朝日新聞 3、消費税:引き上げ、与党内で論議 毎日新聞 2010年4月14日 4、同友会:成長戦略へ提言 消費税率17年度までに17% 毎日新聞 2010年4月13日 5、経団連:成長戦略への提言、消費税引き上げ 20年代半ばに10%台後半 毎日新聞 2010年4月13日
消費税は10%で当分落ち着くと理解していたが、最終的に17%まで行くようだ。報道4−5の通り経団連・同友会共に消費税率17%を提唱している。 自民党は報道1の通り、消費税の税率引き上げを今夏の参院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込むことになった。
鳩山由紀夫首相の「4年間は消費税を上げない」という論法は現今の財政難で通用しなくなってきている。朝日の社説の通り「それを正直に認め、将来の消費税引き上げと税収の使途を夏の参院選の争点にしてもらいたい」ものである。 首相らは昨年まで「特別会計も含めた歳出の見直しで数兆円の財源を生み出せる」などと語っていた。いまはそんな声はもはや聞かれず、増税に前向きな発言が目立ってきた。
菅直人副総理兼財務相も増税に前向きな姿勢を示している。これに対し、閣内などから反発や慎重論を唱える声が上がっているが、支出の50%を国債に依存する事態が無責任極まりないのである。消費税増税を巡る論議が、与党内で高まりを見せるのも当然と言わねばならない。
それにしても、前段の消費税17%は重い。計算例を示そう。 支出240万円に暮らす高齢者家庭としよう。 消費税5% 240万円×1.05=252万円 240万円×1.17=281万円・・・・29万円増税 生活費が年間250万円しかない高齢者世帯は、年間で29万円 (月24000円)の支出を削減しなければならない。これは実に厳しいといわねばならない。
報道5の通り、ささやかな庶民にこれだけの負担を求め、法人の税率を現行の40%から30%に引き下げよとする経団連の見解の深い違和感を覚える。法人税率を10%下がることが、日本の企業が活性化する道でではないと思う。米国の法人税率は40%でありこれを引き下げようとする動きは無い。日本の企業に納税意識の問題点があるように思う。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 1、自民党:「消費税率上げ、国民安心税に」 政権公約に盛る 毎日新聞 2010年4月21日
自民党は20日、消費税の税率を引き上げ、その一部を目的税化して医療や福祉に充てる「国民安心税」(仮称)創設を提唱する方針を固めた。税率の引き上げ時期と幅について大型連休明けにも結論を出し、今夏の参院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む。 また、高校、大学の新卒者の完全雇用に向けた取り組みとして、「トライアル雇用制度」の拡充を打ち出す。現行制度は主に中高年の離職者を想定した内容となっているが、自民党は内定を得られなかった新卒者に重点を置き、未内定者を試行的に2年程度雇った企業に対し1人当たり年100万円の助成金を支給する。今春の新卒者のうち10万人以上の就職先が決まっていないとみられ、1000億円規模の財源を想定している。【野原大輔】 毎日新聞 2010年4月21日 東京朝刊 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2、社説:消費増税―参院選で堂々と論じよ 2010年4月22日 朝日新聞 「4年間は消費税を上げない」として、増税の検討すら避けてきた鳩山由紀夫首相の論法が通用しなくなってきた。それを正直に認め、将来の消費税引き上げと税収の使途を夏の参院選の争点にしてもらいたい。 増税を封印する根拠について首相らは昨年まで「特別会計も含めた歳出の見直しで数兆円の財源を生み出せる」などと語っていた。だが、そんな声はもはや聞かれず、増税に前向きな発言が目立ってきた。 とりわけ副総理兼財務相の菅直人氏の積極発言は重い。「増税しても、使い道を間違えなければ景気が良くなることを部下たちに検証させている」と講演で述べたのである。 仙谷由人・国家戦略相も記者会見で「歳入改革を掲げて選挙をしなければ国民に失礼になる」と語った。 増税を伴う改革に正面から取り組もうという意気込みを買いたい。 参院選を控えて、民主党内には強い反発がある。小沢一郎民主党幹事長は「半年前の国民との約束を変える方が変」だと会見で述べた。 だが、子ども手当の導入などで歳出の膨張に拍車をかけながら、将来の財源の手当てすら考えないというのでは、怠慢に過ぎる。 1994年に非自民の細川連立政権が打ち出した国民福祉税構想を実質的に主導した小沢氏には、それがよく分かっているはずだ。 増税をいつまでも封印してはいられない。医療や介護、保育などを支え、教育を充実するには財源が足りない。政府の借金は今は大半が国民の資産でまかなわれているが、やがて国内だけでは回らなくなる。 社会保障や教育の財源を確保し、財政を持続可能な状態に立て直すため、納税者に負担増を求める税制の抜本改革に取り組むことは、どんな政権にとっても逃げられない課題である。 歴代の自公政権は「歳出削減が先」「景気にマイナス」などとして、増税の先送りを続けてきた。鳩山政権もまったく同じだ。菅氏の姿勢は、その大転換につながる可能性がある。 菅氏がよって立つ考え方は、「増税しても、集めたおカネを雇用が拡大するように有効に使えば景気は良くなる」というものだ。 医療や介護、環境など需要がますます増える分野で雇用の創出を促す。そのために増税で得られる財政資金を投じる。デフレ脱却をにらんで、そういう方法を採るなら景気を失速させずにすむ可能性はあるだろう。それが財政再建の一歩にもなる。 所得税や法人税も含めた税制改革の全体像をいかに描くか。増税分をどう使うのか。政党間で競い、国民に信を問うべき大事な課題だ。それを忘れた選挙は、無責任ではあるまいか。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3、消費税:引き上げ、与党内で論議 毎日新聞 2010年4月14日 仙谷由人国家戦略担当相は13日、衆議院を任期途中で解散し、総選挙で消費税の増税を掲げて戦う可能性について言及した。菅直人副総理兼財務相も増税に前向きな姿勢を示している。これに対し、閣内などから反発や慎重論を唱える声が上がっており、消費税増税を巡る論議が、与党内で高まりを見せている。 仙谷氏は13日の閣議後会見で、「今のままの税収が続けば、大きな壁にぶち当たる」と、社会保障などの財源となる税収の低迷に懸念を表明。「任期(満了)の1年前、半年前か分からないが、(総選挙に)打って出るとなれば、消費税、歳入改革を掲げなければ国民に失礼」と語った。 鳩山由紀夫首相は昨年9月の政権交代から4年間は消費税増税を見送るとの「約束」を一貫して表明しているが、仙谷氏の発言はこの約束を撤回し、増税を前倒しすることを示唆したものだ。菅氏も12日の講演で「増税しても、使う道を間違わなければ景気が良くなる」と述べており、主要閣僚から、増税に前向きな発言が相次いだ。 こうした仙谷氏らの発言に対し、平野博文官房長官は13日の会見で「時期尚早の議論だ」と反発。民主党内からも、「無駄削減の努力をしないで消費税論議(を行うの)はナンセンス」(高嶋良充参院幹事長)と批判の声が上がった。国民新党代表の亀井静香金融・郵政担当相や社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相も、「経済が成長して税収を上げるべきだ」(亀井氏)などと、増税には慎重な立場だ。 仙谷氏らの発言の背景には、深刻な財源不足がある。政府は6月の策定を目指し、3年間の予算の大枠を決める中期財政フレームと、中長期的な財政再建の道筋を示す財政運営戦略の策定を検討している。しかし、社会保障費が毎年1兆円以上増える中、政権公約の実現を図りつつ、財政健全化を目指すのは極めて困難だ。 一方で、参院選前に消費税引き上げ論が高まれば、選挙戦に悪影響を及ぼすとの懸念も強く、反発の声もより強まりそうだ。【久田宏、坂井隆之】 毎日新聞 2010年4月14日 0時35分
―――――――――――――――――――――――――――――――――― 4、同友会:成長戦略へ提言 消費税率17年度までに17% 毎日新聞 2010年4月13日 経済同友会は13日、政府の成長戦略への提言を発表した。財政再建や将来不安の解消に向け、消費税率を17年度までに段階的に引き上げて17%とすることや、法人税率を現行の約40%から5%引き下げることも求めた。日本経団連も同日、20年代半ばに消費税率を10%台後半とすることなどを柱とする提言を正式発表。参院選の争点になる可能性のある消費税率について財界の提言が相次いでいる。 同友会は、将来不安の解消策として65歳以上の国民1人に月額7万円を給付する新基礎年金制度の創設を提案。財源を消費税として税率を13年度に10%(年金目的3%)、17年度に17%(同10%)にすべきだとした。 このほか企業の競争力強化のため「企業の創意工夫を促す規制緩和や改革を速やかに進める」ことを求め、成長するアジアの需要を取り込むため方策の必要性を強調した。【米川直己】 【関連記事】 経団連:消費税率を段階的引き上げ…成長戦略への提言 与謝野・平沼新党:「消費税上げ」で一致 発信箱:「消費税政局」の予感=倉重篤郎(論説室) 経団連:成長戦略への提言、消費税段階的引き上げ 20年代半ばに10%台後半 毎日新聞 2010年4月13日 20時29分(最終更新 4月13日 23時15分)
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5、経団連:成長戦略への提言、消費税引き上げ 20年代半ばに10%台後半 毎日新聞 2010年4月13日 日本経団連は12日の会長・副会長会議で、政府の成長戦略に対する提言を決めた。経済成長には財政や社会保障制度の安定が不可欠とし、財源として消費税率を11年度から段階的に引き上げ、20年代半ばに10%台後半とすることなどを盛り込んだ。法人税は現行の約40%を国際水準の30%まで早期に引き下げることを求めた。13日に発表する。
御手洗冨士夫会長は12日の会見で「増大する歳出に耐えられる構造が必要」と消費税率引き上げの必要性を強調。そのうえで「企業が活性化しない限り雇用は増大せず、豊かな国民生活の向上もない」と企業の国際競争力強化の観点から法人税減税は急務との考えを示した。
経団連の提言は、財政、税制、社会保障の一体改革▽「健康大国」実現などの成長戦略▽大企業と中小企業のネットワーク強化などで構成されている。【米川直己】 【関連記事】 毎日新聞 2010年4月13日 東京朝刊
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