『日々の映像』

2010年03月24日(水) アジア市場の開拓



アジア中間層8.8億人
 エコノミスト3月30日号
◇酒向浩二(さこう・こうじ=みずほ総合研究所アジア調査部主任研究員)
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/summary/news/20100320org00m020005000c.html

 日本の大企業トップは、今年の年頭挨拶にあたり、業種を問わず「アジア市場の開拓を加速する」と宣言した。日欧米など先進国市場から、中国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国などのアジア市場へと大きく舵を切ったのである。

 2008年9月のリーマン・ショックに始まる世界金融危機の影響から、0先進国の経済成長率は軒並みマイナスに陥ったが中国、インド、ASEAN5ヵ国(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)次の成長を維持している。 

          9年度    10年度
ASEAN5ヵ国 6.5%    4.7%
中国       8.7%、  10.0%
インド      6.4%    7.7%

 10年に中国は10.0%、インドは7.7%、ASEAN5が4.7%と高成長が見込まれている。中国は約13億人、インドは約12億人という若年層主体の膨大な人口を抱えており、内需拡大が期待できるのである。これだけの市場を抱えていて、就職難に苦しむ日本は一体どうなっているのと言いたくなる。
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アジア中間層8.8億人
 エコノミスト3月30日号
 「新興国、特にアジア市場の開拓を加速する」
 日本の大企業トップは、今年の年頭挨拶にあたり、業種を問わずこう宣言した。日欧米など先進国市場から、中国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国などのアジア市場へ−−。経済メディアは連日、日本企業のアジアシフト戦略を伝えている。民主党政権も「アジアを輸出先でなく、(日本と一体の)内需として見ることが重要」(直嶋正行経済産業相)など、アジア市場を日本の成長戦略に取り込みたいとするアジア重視姿勢を打ち出している。
 2008年9月のリーマン・ショックに始まる世界金融危機の影響から、09年の先進国の経済成長率は軒並みマイナスに陥ったが、中国、インド、ASEAN5(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)の新興アジア諸国は6.5%の成長を維持している。なかでも中国は8.7%、インドは6.4%の高成長を内需主導で維持したことが目を引く。IMF(国際通貨基金)の1月時点の予測によると、10年に中国は10.0%、インドは7.7%、ASEAN5が4.7%と高成長が見込まれている。
 中国は約13億人、インドは約12億人という若年層主体の膨大な人口を抱えており、中長期的な内需拡大が期待できる。これが先進国市場の縮小に悩む日本企業にとっては大きな魅力だ。国連予測では、中国、インドにASEAN5、NIES(韓国、香港、台湾、シンガポール)を加えた人口は、10年の約31億人から30年に約36億人に増加する。
 日本企業の投資動向を占う指標として、国際協力銀行(JBIC)が毎年実施している海外直接投資アンケート調査(日本企業600社超が回答)がある。これをみると、近年、中期的有望展開事業先の1、2位はそれぞれ中国、インドの指定席となっている。その最大の理由は「現地マーケットの今後の成長性」である。(本誌につづく)
2010年3月20日

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石田ふたみ