『日々の映像』

2010年03月12日(金) IT産業で日本の存在感低下



社説 IT産業で日本の存在感低下
                      2010年3月9日  日経

3月9日の日経の社説の通り、日本のIT産業は中国・韓国に大きな後れを取っている。この分野の産業に関心のある方は、是非エンピツに収録した社説を読んでほしい。日本のIT産業で日本の存在感低下にかなりのショックを受けると思う。

 日本の産業界の存在感低下は、IT産業に留まらず多くの分野に及んでいる。
3月4日に書いた「工作機械生産額、日本27年ぶり首位転落」はかなりのショックであった。工作機械生産額まで中国に追い抜かれたのである。その他中国の経済動向をアメブロに収録しているので掲載します。

34、09年新車販売、新興国で急増 中国1350万台で世界一確定
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10429808809.html
38、新時代を告げる世界一だ
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10431798031.html
39、中国、輸出世界一へ 09年1.2兆ドル、前年比は16%減
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10431921588.html
40、中国開発の商用ジェット機、ラオス航空に売却契約
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10432896122.html
48、中国GDP、10年にも日本超え 世界2位の経済大国へ
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10439676729.html
49、自動車生産能力、中国10社が12年に2100万台 供給過剰の懸念
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10441501366.html
50、 世界粗鋼生産、09年は8%減 中国のシェア、半分近くに
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10441504924.html
52、中国の輸出世界一が確定 09年、18%減の独抜く
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10454989264.html
53、中国、造船受注で韓国抜き世界一に
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10456497184.html

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社説 IT産業で日本の存在感低下
                      2010年3月9日  日経
 IT(情報技術)産業は世界で大きな成長を続けているが、その中で日本企業の影が薄くなっている。成長分野における日本の存在感低下は懸念すべき事態である。
 先週ドイツで開かれた欧州最大のIT見本市「CeBIT」に、かつて主役だった日本企業の出展はほとんどなかった。代わりに目立ったのは、中国や韓国の企業だ。
 見本市には約4200社が出展。ドイツテレコムやIBM、マイクロソフト、ボーダフォンなど欧米有力企業が大規模な展示を競ったのに対し、以前なら100社を超えた日本からの出展は今回わずか6社だけだった。対照的に中国、台湾、香港の企業は合わせて680社、現地法人などを含めると1千社に達した。
 日本の存在感が薄れた理由はいくつか考えられる。今回のテーマ「つながる世界」が示すように、ITの主力分野はハードからソフトやサービスに急速に移りつつある。ものづくりを得意とした日本は国内仕様の技術や規格にこだわり、ネット時代に移行するにつれ国際標準に乗り遅れてしまったという構図だ。
 夏にベルリンで家電見本市が開かれるため、ソニーなどがそちらに重点を移した面もある。だが、スマートフォンや電子書籍端末、3次元(3D)の立体表示装置などが注目される中で、中国や韓国の企業が様々な新製品を発表し、ハードの分野でも日本企業の影が薄れている。
 日本企業の国際感覚も問われている。様々な国際展示会で最近、中国や韓国の経営者が頻繁に講演しているのに、日本企業のトップは見あたらない。記者説明は現地任せが多く、経費節減を優先して本社の人間が現地を訪れる機会も激減した。
 日本最大のIT企業グループであるNTTも2005年を最後にCeBITへの出展をやめた。会場には顧客となる世界の有力企業約280社の最高情報責任者(CIO)が集ったが、「次世代ネットワーク(NGN)」など日本が持てる新技術をそうした場で示さなければ、世界市場に打って出るのは難しいだろう。
 IT分野では企業や消費者向けの製品やサービスに加え、今後はスマートグリッド(次世代送電網)などインフラ分野の需要も拡大する。環境技術で日本は先行しているとされるが、こうした国際展示会でも日本企業の姿はほとんど見かけない。
 政府にも国際競争力を強める戦略が見えない。日本の存在感を高めるには、新しい技術や製品の開発とともに、それを海外に示す機会を増やし技術力を訴える努力が必要だ。




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石田ふたみ