2010年03月10日(水) |
インフル治療薬:強毒鳥インフルに効果 初の純国産 |
報 道
1、社説:新型インフル 「幸運」にあぐらかかず 毎日新聞 2010年3月8日 2、インフル治療薬:強毒鳥インフルに効果 初の純国産 毎日新聞 2010年2月26日
今回のH1N1型ウイルスパンデミックは終息に向かっている。 これは「幸運」であったと言える。これが病原性の強いインフルエンザだったら、お手上げだった。ブログに強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)の恐怖にニュースを多く収録した。
世界保健機関(WHO)によると、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)2月17日現在の感染者は東南アジアを中心に478人(うち死者286人)となっている。実に死亡率は60%なのである。
歓迎すべきニュースがある。国が承認審査を進めている初の純国産インフルエンザ治療薬「CS−8958」が、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)に効果のあるという。治療薬「CS−8958」の効果を東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)らが確かめ、米科学誌プロス・パソジェンズに発表している。人類は恐るべき強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)の立ち向かう事が出来るようだ。
治療薬CS−8958は第一三共が開発から製造まで行い、今月、国に承認申請した。年内の発売を目指している。吸引タイプで、1回の服用で効果があるというから素晴らしい。
報道のマウスにH5N1型ウイルスを感染させた実験をメモ。 1、薬を投与しないマウスはすべて死亡。 2、別の治療薬「タミフル」を投与した場合の生存率は5〜9割 3、CS−8958治療薬は7〜9割と効果が高かったほか、タミフルが効きにくい耐性ウイルスにも効果を維持。
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 社説:新型インフル 「幸運」にあぐらかかず 毎日新聞 2010年3月8日 新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)が収まりつつある。日本の患者は減少を続け、世界保健機関(WHO)もピーク越え宣言を検討している。 今回のパンデミックは、ある意味で「幸運」だった。出現したH1N1型ウイルスは、懸念されていた病原性の高いH5N1型ではなかった。一部の人には基礎免疫もあったと推定される。 しかし、「幸運」にあぐらをかいてはいけない。これが病原性の強いインフルエンザだったら、今の体制ではお手上げだった。現在のウイルスが変異する恐れも残されている。過去には第2波以降に犠牲者が増えたパンデミックもある。 気を緩めず、今回の対応の問題点を洗い出す検証作業を進めたい。その上で対策を練り直し、次の流行への備えとすることが大事だ。 重要な検証対象の一つに、ワクチン対策がある。新型インフルエンザのワクチンは新型ウイルスが出現してから作る。日本でインフルエンザワクチンを作っているのは、小規模のメーカーだけだ。しかも、鶏卵を使う従来の製造法では新型出現から最初のワクチン出荷までに約半年かかる。 このため、当初はワクチン供給の遅れや不足が懸念された。接種回数についても政府の対応が揺れた。結果的に、政府は国産ワクチン約5400万回分に加え、海外メーカーから9900万回分のワクチンを輸入する契約を結んだ。購入費用は1000億円を上回る。 ところが、流行は下火になり、ワクチン余りが生じた。 新型インフルエンザの動向は予測が難しい。不足するより余った方がいいと考えるのは当然だし、今あるワクチンの活用策も検討課題だ。 一方で、輸入の前提となる新型のリスク評価がきちんとできていたかの検証は必要だ。海外のワクチンメーカーのビジネス戦略も、改めて分析しておいた方がいい。 国内のワクチン生産の体制強化にも力を入れたい。鶏卵を使わない生産技術の確立に加え、製造力の向上が課題だ。ワクチン生産技術を持つ国はそう多くない。せっかくの技術を生かし、輸出まで視野に入れた体制作りを検討してはどうだろう。 ワクチン以外にも水際対策や発熱外来のあり方など、検証が必要な対策は数多い。海外に比べると日本は犠牲者が少ない。その背景にある要因も分析し、今後に役立てたい。 もうひとつ気がかりなのは、これらの対策を統合する国の危機管理の実態が見えにくかったことだ。これを機に、安定感のある体制を整備してほしい。 【関連記事】 インフルエンザ治療薬:初の純国産薬、強毒鳥インフルに効果−−第一三共・吸引型 鳥インフルエンザ:季節性と混合で、強毒化する恐れ 毎日新聞 2010年3月8日 東京朝刊
―――――――――――――――――――――――――――― インフル治療薬:強毒鳥インフルに効果 初の純国産 毎日新聞 2010年2月26日 国が承認審査を進めている初の純国産インフルエンザ治療薬「CS−8958」が、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)に効果のあることを、東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)らが確かめた。26日、米科学誌プロス・パソジェンズに発表した。 マウスにH5N1型ウイルスを感染させて実験した。それによると、薬を投与しないマウスはすべて死に、別の治療薬「タミフル」を投与した場合の生存率は5〜9割だった。これに対し、CS−8958は7〜9割と効果が高かったほか、タミフルが効きにくい耐性ウイルスにも効果を維持した。 CS−8958は第一三共が開発から製造まで行い、今月、国に承認申請した。年内の発売を目指している。吸引タイプで、1回の服用で効果があるとされる。タミフルは5日間続けて計10回経口する。 世界保健機関(WHO)によると、2月17日現在の感染者は東南アジアを中心に478人(うち死者286人)。現在の治療薬には主流のタミフルとリレンザ、今年1月に発売された点滴薬ラピアクタの3種類ある。河岡教授は「タミフル耐性ウイルスの流行に備え、新しい薬を用意することが重要だ」と話す。【関東晋慈】 毎日新聞 2010年2月26日 20時24分
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