『日々の映像』

2010年01月08日(金) 「やましい金は一切ない」という感覚が可笑しいのだ

報道
小沢氏「用意できた」、4億円を台車で運搬 陸山会土地問題
                2010年1月8日  日経
東京地検、小沢氏を近く聴取 任意で、土地取引の説明求める
2010年1月7日  日経
陸山会、寄付2億8000万円偽装か 土地代金と帳尻合わせ?
                  2010年1月4日  日経
陸山会不透明会計:石川議員が「やましい金は一切ない」
陸山会不透明会計:土地取引、小沢氏が選定に関与か
陸山会資金移動:小沢氏に聴取要請へ 東京地検
陸山会資金移動:不記載17億円 05、07年にも
陸山会不透明会計:ゼネコン一斉聴取 大久保被告からも

社説:「陸山会」土地取引 小沢氏に説明求めたい
毎日新聞 2010年1月8日 
社説2 小沢氏は国民に説明を(1/8)
                 2010年1月8日   日経
社説:土地取引疑惑―小沢氏の説明が聞きたい
                 2010年1月6日 朝日新聞

 日本の政治の混迷は絶望的と思うことがある。やましい金は一切ない
というが、政治的影響力を武器で集めた金であることは疑う余地がない。
「やましい金は一切ない」という感覚が可笑しいのだ。

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小沢氏「用意できた」、4億円を台車で運搬 陸山会土地問題
                2010年1月8日  日経
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題で、小沢氏が2004年10月上旬ごろ、会計事務担当だった石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=に対し、土地代金の原資4億円を「用意できた」などと伝えていたことが7日、関係者の話で分かった。小沢氏の事務所で現金を受領し、台車に載せて車に搬入し、別の事務所まで運んだという。
 東京地検特捜部は小沢氏本人からの資金提供の経緯を確認するため、小沢氏の参考人聴取の早期実現に向け日程調整を急いでいる。同氏の聴取内容などを踏まえ、石川議員を政治資金規正法違反罪で在宅起訴するとともに、当時同会の会計責任者だった公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=西松建設の違法献金事件で公判中=も同法違反で立件する方針。来週にも最終的な刑事処分を判断するとみられる。 (07:00)
首相、小沢氏聴取「自身が判断すべき問題」
 鳩山由紀夫首相は7日午前、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題で、東京地検特捜部が近く、小沢氏本人から任意で事情聴取することが固まったことについて「小沢幹事長ご自身が当然判断される問題だと思っている」と語った。首相公邸前で記者団に語った。(15:38)
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東京地検、小沢氏を近く聴取 任意で、土地取引の説明求める
2010年1月7日  日経
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題で、東京地検特捜部が近く、小沢氏本人から任意で事情聴取することが6日、関係者の話で分かった。特捜部が聴取を要請、同氏側は応じる意向を示したもようだ。特捜部は、小沢氏が購入原資として個人資金4億円を提供した土地取引の経緯などについて、説明を求めるとみられる。
 特捜部は、当時、同会の会計事務担当だった石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=から来週にも再聴取。政治資金規正法違反容疑での同議員立件に向け、詰めの捜査を進めている。
 関係者によると、陸山会は2004年10月、東京都世田谷区の宅地を約3億4千万円で購入。土地購入の原資として小沢氏から個人資金4億円を借り入れたが、政治資金収支報告書には記載しなかった。 (07:00)
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陸山会、寄付2億8000万円偽装か 土地代金と帳尻合わせ?
                  2010年1月4日  日経
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題で、2005年、2つの関連政治団体から同会に寄付された2億8千万円は、資金移動を伴わない「偽装」だった疑いのあることが3日、関係者の話で分かった。04年10月に購入し支払いを済ませながら、政治資金収支報告書上は05年1月に支払ったとする土地代金の一部に充てたかのように、つじつまを合わせたとみられる。
 東京地検特捜部は、土地代金の原資4億円を不記載とした04年分に加え、05年分の報告書でも政治資金規正法違反に当たる可能性があるとみている。近く、当時の会計責任者で、小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=西松建設の違法献金事件で公判中=を任意で事情聴取する方針。 (07:00)
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社説:「陸山会」土地取引 小沢氏に説明求めたい
毎日新聞 2010年1月8日 
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る会計処理について、東京地検特捜部の捜査がヤマ場を迎えている。
 当時の事務担当者で、小沢氏の私設秘書だった石川知裕衆院議員は、04年に行われた土地購入の資金に充てるため、小沢氏から現金で約4億円を受領したとされる。だが、政治資金収支報告書に記載しなかった。特捜部は政治資金規正法違反(不記載)で、来週にも石川議員を在宅起訴する方針だ。
 この取引を巡っては、不自然な資金の流れが明らかになっている。
 石川氏は04年10月5日、小沢氏から借りた約4億円で土地購入の手付金1000万円を払い、残額を陸山会の口座にまとめた。さらに同月29日午前、口座から土地代の残金約3億3000万円を支払った。
 石川氏はその日午後、小沢氏の複数の政治団体から1億数千万円を陸山会の口座に入金し、手持ちの資金と合わせて4億円の定期預金を組み、これを担保に金融機関から4億円の融資を受けたという。
 小沢氏側は従来、この融資金を土地購入に充てたと説明していた。だが、午前の支払いと午後の融資の時間差が説明の矛盾を露呈した。
 このような資金移動をしたうえ、収支報告書へ記載しなかったのはなぜか。疑惑の出発点である。
 石川氏は、特捜部の事情聴取に「虚偽記載は私の一存」と供述したとされる。一方で、土地購入は小沢氏の指示だったことを認めている。小沢氏は政権へも強い影響力を持つ。会見などを通じ、一連の経緯への認識を明快に語ってほしい。
 「陸山会」の会計処理を巡っては、05年にも小沢氏側からの約4億円の出入金が報告書に記載されなかった。07年にも約4億円が出金され、別の元秘書が小沢氏宅に運んだとされる。04年分の借り入れの返済とみられるが、記載はない。報告書への不記載の総額は17億円を超える。
 昨年、西松建設からの献金に絡み公設第1秘書が逮捕・起訴された事件での小沢氏の発言を思い起こしたい。小沢氏は、献金は政治資金収支報告書にすべて記載し、やましいことはないと繰り返した。今回の事態が発言と矛盾するのは明らかだ。
 小沢氏の資金問題では、「新生党」と「自由党」を解党した際の党の残余資金22億円以上が小沢氏側政治団体に移ったとされる。西松建設事件では、特定の業者からの多額の政治献金を検察から指摘された。
 約4億円は私財かもしれないが、一政治家の資金としては巨額だ。その原資も気になる。小沢氏は、特捜部の聴取に応じるだけでなく国民への説明責任を果たしてほしい。
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陸山会資金移動:不記載17億円 05、07年にも
陸山会不透明会計:ゼネコン一斉聴取 大久保被告からも
時40分
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社説2 小沢氏は国民に説明を(1/8)
                 2010年1月8日   日経
 政治献金を巡るいくつかの事件が決着しないうちに、また別の疑惑が深まっている。民主党の小沢一郎幹事長の関連団体の土地購入をめぐり、東京地検特捜部は不自然な資金の流れについて小沢氏本人から任意で事情聴取する方向だ。

 小沢氏はこれまで「政治活動費はすべて公表している」と繰り返してきたが、問題となった土地の購入に充てられた約4億円の原資は政治資金収支報告書に記載されていない。違法性はなかったと主張するのなら、資金の出もとなどに関して国民にきちんと説明する責任がある。

 疑惑は小沢氏の資金管理団体「陸山会」が2004年10月、東京都世田谷区で購入した476平方メートルの宅地の取引に絡む。土地購入は秘書の寮を建てる目的で、約3億4000万円の代金は小沢氏が個人資金から4億円を貸し付けた中から支払われたという。

 だが、こうした資金の流れは04年分の収支報告書には反映されず、05年分の報告書に盛り込んだ土地の購入時期や、代金を別の政治団体からの寄付でまかなったかのような記載は事実に反していた疑いが濃い。

 東京地検は陸山会の会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員から事情聴取し、近く政治資金規正法違反で在宅のまま刑事処分する方向で検討している。小沢氏本人からも聴取に踏み切るのは、取引が小沢氏の指示だったことや提供した4億円の資金の出所が極めて不透明である点を重視したものとみられる。

 小沢氏を巡っては、西松建設の巨額献金事件で元秘書の裁判が始まったばかりだ。鳩山由紀夫首相の資金管理団体の偽装献金事件では、昨年末に元秘書2人が規正法違反に問われた。首相と与党幹事長がともに政治資金に絡む疑惑で追及を受けている現状は異常な事態といえる。

 民主党内や、連立を組む社民、国民新両党からは、首相や小沢氏に明確な説明を求める厳しい声があまり聞こえてこない。一方、自民党は18日に召集予定の通常国会で、首相と小沢氏それぞれの関係者の参考人招致を求めていく方針を決めた。

 検察の捜査や与党内の自浄能力に限界があるとすれば、事実の解明は国会の重要な役割となる。  

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社説:土地取引疑惑―小沢氏の説明が聞きたい
                       2010年1月6日 朝日新聞
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体が、5年余り前に、東京都世田谷区の土地を購入した際の不自然な資金の流れが問題になっている。
 東京地検特捜部は、購入代金に充てた約4億円の収入を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、当時の資金管理団体の事務担当者で現在は民主党衆院議員の石川知裕氏を、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴する方向で検討しているという。
 小沢氏をめぐっては、西松建設からの違法献金事件で規正法違反に問われた公設第1秘書の裁判が始まったばかりだ。秘書は無罪を主張しているが、その決着がつかないうちに、新たな政治資金問題が持ち上がってしまった。
 問題の本質は単なる不記載ではない。4億円の原資の出どころだ。問題のない資金であるなら、そのことをきちんと説明さえできれば、これ以上、疑惑をもたれることはあるまい。
 小沢氏はできるだけ早く、土地購入や資金手当ての経緯を丁寧に国民に明らかにすべきだ。
 4億円は土地購入の数日前から、複数の関連政治団体を経由するなどして資金管理団体に集められていたというが、その大もとの出どころもはっきりしない。この不自然な資金の流れについて、納得できる説明を聞きたい。
 検察当局には捜査を尽くすよう求めたい。必要なら、小沢氏本人から事情を聴くことも避けるべきではない。
 小沢氏は再三にわたり、自らの政治資金は収入も支出もすべて収支報告書に記載して公開している、と透明性を強調してきた。西松建設側からの献金も、資金の動き自体は収支報告書に記載されていて、適法に処理したとの主張の根拠としている。それだけに今回、収支報告書に記載されていない資金の流れが浮かんだ意味は重い。
 小沢氏は民主党政権の最高実力者と目され、政府の運営にも大きな影響力を持つ。夏の参院選挙を仕切る責任者でもある。それだけに、より高度な説明責任が求められる。
 鳩山由紀夫首相の資金管理団体の偽装献金事件で、年末に首相の元秘書ら2人が規正法違反で起訴された。首相と与党幹事長という政権のツートップが、同時に「金庫番」の政治資金問題を抱える姿は異常である。
 政治に変化を求めて政権交代を選んだ有権者は、自民党政権時代に繰り返された「政治とカネ」の問題を、新政権でも立て続けに見せられ、がっかりしているに違いない。
 18日に召集される予定の通常国会で、自民党など野党は2人の政治資金問題を厳しく追及する方針だ。補正予算案と新年度予算案の早期成立を最優先する政府与党の国会運営にも、足かせとなりかねない。
 疑惑の払拭(ふっしょく)は急務である。

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石田ふたみ