『日々の映像』

2009年11月16日(月) 政府、「デフレ」を宣言へ 雇用更に悪化

報道
1、政府、「デフレ」を宣言へ
                    2009年11月16日 日経
2、デフレの原因は内需
http://d.hatena.ne.jp/nyanko-wonderful/20090908/p3

政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。雇用条件が更に悪化することが避けられない。民主党が進めている事業仕分けは、国全体の経済からいえば重箱の隅を突いているだけなのである。国の景気を回復させるビジョンが求められると思う。

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政府、「デフレ」を宣言へ
                    2009年11月16日 日経
 政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると認定する方向で最終調整に入った。7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値で、国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。政府は2001年3月から06年8月までの月例経済報告で、日本経済がデフレの状態にあるとの判断を示しており、3年ぶりに同じ判断を復活させる見通しだ。
 早ければ20日に公表する11月の月例報告に盛り込む。7〜9月期の物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.2%上昇した。ただ国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年7〜9月期(3.9%減)以来の大幅な落ち込みとなった。 (17:38)
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デフレの原因は内需
経済
中国デフレ論は大ウソ。デフレの原因は内需。特に民間消費が死んでいる。
05〜07年のGDPデフレータは輸入のせいで下がっているが、これは05〜07年の実効為替レートがここ20年で最も下がっているのが大きい。事実、輸入と反転する形で輸出デフレータはプラス。輸出のおかげで成長率もプラス(参照:図録▽実効為替レートの推移(日本・米国・ユーロ圏))。
但し、この期間、民間消費が回復しなかったので、「いざなぎ景気超えの景気拡大」=景気回復とまではなっていない。
一方、内需デフレータは05年頃からプラスに向かっていたが、08年前半の原油価格高騰(【図解】ニューヨーク市場の原油価格推移 国際ニュース : AFPBB News)によってコストプッシュ型インフレに陥ってしまう。成長率は内需デフレータの伸びと反転する形でマイナスへ。輸出も07年の終わりを境に下がっていき、リーマンショックで一気に落ちる。金融危機の影響をさほどうけていない日本が大幅に成長率が低下した理由は、内需回復に力を注がず、輸出頼みの景気拡大を続けてきたため。2007年までにしっかりした金融・財政政策が打てていれば、さらには06年のゼロ金利・量的緩和解除さえ無ければ状況は変わっていたはず。
小泉政権以降、公的需要の成長率はほぼゼロ、もしくはゼロ以下。96年の橋本政権時と、99年の小渕政権時にのみ2%程度伸びている。このときは内需はまだマシ。99年時も小渕政権の大型財政出動がなければ内需のマイナス幅は大きくなっていた。財政出動は不況時には効くのでは?
98年と02年の実質成長率の落ち込みの原因は、総固定資本形成の伸びが大きくマイナスになったため。02年の落ち込みは不良債権問題の処理と関係しているのではと思うが、ここでは余り考えないでおこう。

用語の解説
GDP = 民間最終消費支出 + 政府最終消費支出 + 総固定資本形成 + 在庫品増加 + 輸出 − 輸入
民間最終消費支出 ・・・ いわゆる個人消費のこと。
政府最終消費支出 ・・・ 文字通りの意味。公務員の人件費なども含む。
総固定資本形成 ・・・ 住宅投資、企業の設備投資、公共投資の合計。ここでの「投資」は機械や建物などを購入することで、株式投資などの「投資」とは異なる。
在庫品増加 ・・・ これも文字通りの意味。平たく言えば売れ残り。
輸出および輸入 ・・・ 文字通りの意味。輸出と輸入以外のGDPを国内需要(内需)という。
GDPデフレータも、GDPと同様に各項目に分解できる。実質・名目成長率も同様。
http://d.hatena.ne.jp/nyanko-wonderful/20090908/p3


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石田ふたみ