『日々の映像』

2009年05月11日(月) 米国発 金融危機影響の代表例2題



1、トヨタ、前期は最終赤字4369億円 販売急激、円高も響く
                       2009年5月8日 日経
2、トヨタ連続営業赤字へ 10年3月期、8500億円に拡大
                        2009年5月8日 毎日
3、米国の凄まじい失業者の増加
                  2009年5月10日 金融危機関連情報

 米国発金融危機が如何に経済に大きな影響を与えているか、その指標の第一が米国に失業者の激増である。就業者数の減少は16カ月連続となり昨年1月からの減少数は574万人に達している。今年1−4月のみで266万人で、1ヵ月の66万人が失業している。何時になったら、失業者の増加が止まるのか。はなはだ悲観的といわねばならない。

 次に事例を挙げるとすれば、トヨタ自動車の販売減少・赤字の拡大だろう。
テータを拾って置きたい。

2008年3月期 売り上げ26兆3220億円      最終損益1兆7178億円
2009年3月期 売り上げ20兆5295億円 △22%  最終損益が△4369億円 
2010年3月期 売り上げ16兆5000億円 △20%  最終損益 △8500億円

 売り上げ26兆円のトヨタの売り上げ26兆円から16兆円になると言うのである。2008年3月期を基準にすると63%の規模に落ち込むのである。
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1、トヨタ、前期は最終赤字4369億円 販売急激、円高も響く
                       2009年5月8日 日経
 トヨタ自動車が8日発表した2009年3月期の連結決算(米国会計基準)は最終損益が4369億円の赤字だった。世界的な景気悪化で自動車販売が急減したほか、為替の円高が収益を圧迫。過去最高益だった08年3月期(1兆7178億円の最終黒字)から一転し、59年ぶりの赤字となった。10年3月期も販売減が続き5500億円の最終赤字を見込む。
 前期の連結売上高は20兆5295億円と22%減少した。北米、日本、欧州、アジアなどほぼすべての地域で販売が減少。連結販売台数は756万台と前の期に比べ15%減った。
 10年3月期は連結販売台数が650万台と約100万台減少するとみており、売上高は16兆5000億円と前期比で20%減る見通し。営業損益も8500億円の赤字を見込む。(08日 20:33)
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2、トヨタ連続営業赤字へ 10年3月期、8500億円に拡大
                        2009年5月8日 毎日
 トヨタ自動車は8日、2010年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想で、営業損益が8500億円の赤字になる見通しだと発表した。創業期の1938年以来、71年ぶりの営業赤字に転落した09年3月期に続く、史上初の2年連続赤字。赤字幅は前期の約1・8倍に拡大する。トヨタは今後、固定費削減などの収益改善を進めるが、自動車の世界的な販売不振は深刻で、短期での業績回復は困難な情勢だ。
 10年3月期の売上高は前期比19・6%減の16兆5000億円を予想。営業赤字は前期から3890億円拡大して8500億円、純損失は1130億円拡大して5500億円となる見通し。子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む連結販売台数(中国合弁などを除く)は前期を約100万台下回る650万台とし、北米、欧州、アジアなど海外全地域での販売減を見込んでいる。
 為替レートは1ドル=95円、1ユーロ=125円を想定、前期比でそれぞれ6円と19円の円高を予想した。
 同日会見した渡辺捷昭社長は「市場や為替の問題はあるが、11年3月期に向けて収益改善策を続ければ(黒字化が)見えてくるのではないか」と説明。自動車市場の見通しについて「将来にわたって縮小することはない。各国の強力な政策が市場の拡大につながるだろう」と述べた。
 トヨタが同日発表した09年3月期連結決算は、売上高が前期比21・9%減の20兆5295億円。営業損益は前期の2兆2703億円の黒字から一転、4610億円の赤字となった。
 純損益も前期から2兆1548億円減少し、4369億円の赤字。純損益の赤字は50年以来、59年ぶり。
 トヨタは当初、09年3月期に1兆6000億円の営業利益を見込んでいたが、昨秋のリーマン・ショック後に、自動車市場が世界規模で縮小。連結販売台数は756万台で、売上高、収益とも過去最高を更新した08年3月期の891万台から135万台の大幅減となった。

 【トヨタ自動車の連結決算】 2009年3月末現在の連結子会社はトヨタ車体など529社、出資比率に応じて純損益を連結決算に反映させる持分法適用会社は56社。デンソーやアイシン精機などは持分法適用会社に含まれる。トヨタは2000年3月期から米国会計基準の連結決算を開示(03年3月期まで日本会計基準と併用)しているが、日本基準に比べ連結対象会社が少なくなるなどの違いがある。
 「課題(解決)の徹底度やスピードが十分ではなかった。率直に反省している」
 トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は8日の決算発表の席上、71年ぶりとなる営業赤字をこう振り返った。
 渡辺社長が会見で業績悪化に対する自身の責任について、「反省」との表現で心情を吐露したのは初めて。6月下旬の退任を控え、社長として臨んだ最後の決算会見を反省の言葉で締めくくった。
 「足元を固めながら成長していこうと、社内に言い続けてやってきたつもりだったが、結果として今回の決算が出た」と渡辺社長。「もっと対応を徹底し、スピードを上げられていればここまでは至らなかったかもしれない」とも語り、対応の遅れを事実上認めた。
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3、
2009年05月10日(日) 米国の凄まじい失業者の増加
報 道
1、4月の米雇用53万人減、減少ペースやや鈍化 失業率は8.9%
                    2009年5月¥8日  日経
2、米雇用統計:失業率、8.9%に 25年7カ月ぶり高水準−−4月
毎日新聞 2009年5月9日 東京朝刊
3、米雇用統計:4 月の失業率は8.9% 3月から大幅悪化
毎日新聞 2009年5月8日 
4、3月の失業率8.5%に悪化、15ヵ月で510万人失業
                2009年4月5日 金融危機情報から

米国は凄まじい失業者の増加が続いている。
1月の米失業率、7.6%に悪化            失業者 1253万人
2月の米失業率、8.1%に悪化            失業者 1335万人
3月の失業率  8.5%に悪化            失業者 1401万人
4月の失業者  8.9%に悪化            失業者 1468万人
今後の予想   10.3%              失業者 1698万人

 上記のうち1−4月に失業した人は、報道3のとおり266万人で、第二次世界大戦後では最悪の雇用悪化が続いている。就業者数の減少は16カ月連続となり昨年1月からの減少数は計573万8000人に達している。数ヶ月まえの予想の通り最終的に失業率が10%を超えると思う。
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20090510





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石田ふたみ