『日々の映像』

2009年03月26日(木) 輸出入の激減


資 料
1、月貿易収支は5カ月ぶり黒字、内需悪化で輸入が過去最大の減少
2009年 03月 25日 13:14 JST


日本の輸出入は、自動車の輸出が前年同月比で7割減となるなど、信じられないような実態となっている。
・輸出  前年比 49.4%減
・輸入  前年比 43.0%減

財務省が25日発表した2月貿易統計速報によると、世界的な景気の悪化で輸出の大幅減が続くと同時に、原油価格の下落や内需の悪化を受けて輸入も減少しているのである。

2008年度の日本の輸出額は昨日の「米国発 金融危機関連情報」に書いたように7820億ドル (78兆円)である。この輸出が半減しようとしているのである。この影響が如何に深刻なものであるか、月を追って身近に感じられることになるだろう。

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1、月貿易収支は5カ月ぶり黒字、内需悪化で輸入が過去最大の減少
2009年 03月 25日 13:14 JST
 [東京 25日 ロイター] 財務省が25日発表した2月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は824億円の黒字となった。黒字は5カ月ぶり。
 世界的な景気の悪化で輸出の大幅減が続くと同時に、原油価格の下落や内需の悪化を受けて輸入も減少しているため。ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は109億円の赤字だった。 
 <自動車輸出が7割減> 
 黒字額は、前年比91.2%減少となった。輸出は前年比で49.4%減と、比較可能な数値が公表され始めた1980年以降で最大の減少率を4カ月連続で更新すると同時に、輸入も同43.0%減とこれまでで過去最大だった1986年8月の同41.2%減を上回る減少率を記録した  
 地域別の輸出動向をみると、対米、対EUでそれぞれ過去最大の減少率となった。対米輸出は昨年6月から9カ月連続で前年比2けた減となり、1986年3月から9カ月の間、2けた減少し続けた記録に並んだ。当時は米国の不況や貿易摩擦、プラザ合意後の円高で対米輸出が減少していた。一方、対アジア、対中国は減少率が縮小した。  
 輸出を品目別にみると、自動車(前年比70.9%減)、半導体等電子部品(同51.1%減)、自動車の部分品(同60.8%減)などが輸出押し下げに寄与した。自動車は主に米国向けの排気量3000cc超、英国向けの1500─2000cc、ロシア向けの1500─2000cc、3000cc超の乗用車が減少。半導体等電子部品は特に韓国・中国向けのIC(集積回路)、台湾向けのメモリなどが減少した。
 <1─3月期GDPの外需悪化幅、10─12月期比縮小か> 
 地域別の輸入動向をみると、対米が過去最大の減少率となり、対中も前年比41.1%減と86年9月(前年比46.2%減)以来の大幅な減少となった。対中輸入額はの5982億円と、04年2月の5765億円以来の低水準となった。財務省幹部によると、旧正月が1月に当たる場合は、2月に輸入減の影響を受ける傾向があるという。
 輸入が減少した主な品目は原粗油(前年比64.7%減)、非鉄金属(同70.8%減)、石油製品(同67.8%減)など。原粗油の輸入減には、価格低下が影響した。輸入原油単価は前年比マイナス59.0%の2万5625円/キロリットル、ドルベースでは同マイナス51.3%の45.3ドル/バレルとなった。 
 貿易統計の内容について、エコノミストの間では「日本の輸出環境は引き続き厳しい状況であるとともに、輸入も国内需要の悪化や輸入価格の下落を受けて加速度的に悪化し始めたことも確認できた」(農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏)との見方が出ている。ただ、輸入の減少で「今後しばらく貿易収支は縮小均衡の傾向を続けそうだ」(カリヨン証券チーフエコノミスト・加藤進氏)という。1─3月期国内総生産(GDP)の外需寄与度について「輸出が前期比20%減程度まで減少幅が拡大するものの、内需低迷を反映し輸入も大幅な減少になることが見込まれるため、外需の悪化幅は10─12月期に比べれば縮小する」(ニッセイ基礎研究所・主任研究員の斎藤太郎氏)との予測が複数出ている。 
 (ロイター日本語ニュース 武田晃子記者)
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石田ふたみ