『日々の映像』

2009年02月25日(水)  怒るというより悲しい風景だ。

 
 報道
1、社説:麻生内閣 「早く退陣を」が国民の声だ
                      毎日新聞 2009年2月23日
2、麻生内閣:支持11%…政権運営さらに窮地 本社世論調査
                      毎日新聞 2009年2月22日
3、社説:中川氏辞任 やはり麻生政権は末期的だ
                      毎日新聞 2009年2月18日
4、社説:小泉発言 もはや政権末期の症状だ
                       2009年2月14日 毎日

 毎日新聞が実施した全国世論調査で麻生内閣の支持率は1月調査からさらに8ポイントも下落し、11%となった。とりわけ、政府・与党が深刻に受け止めなくてはならないのは、今回調査で麻生太郎首相は「今すぐ辞めるべきだ」と答えた人が39%もいることである。麻生内閣は既に国民からほとんど見放されているといっていい。

 報道の通り「経済状況が日増しに深刻になる中、国民の我慢も限界に近づいている。国民に信任された政権をつくるため、早急に衆院を解散し、総選挙を行うよう再度求めておく。それが国民のため」の政治」との指摘通りだと思う。麻生首相は何を言われても馬耳東風・・・怒るというより悲しい風景である。


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1、社説:麻生内閣 「早く退陣を」が国民の声だ
                  毎日新聞 2009年2月23日
 毎日新聞が21、22日に実施した全国世論調査で麻生内閣の支持率は1月調査からさらに8ポイントも下落し、11%となった。竹下登内閣、森喜朗内閣のいずれも末期に記録した9%に匹敵する低い数字である。
 とりわけ、政府・与党が深刻に受け止めなくてはならないのは、今回調査で麻生太郎首相は「今すぐ辞めるべきだ」と答えた人が39%、「来年度予算の成立まで続けるべきだ」と答えた人も同様に39%で、早期退陣を求める声が約8割に達した点だ。麻生内閣は既に国民からほとんど見放されているといっていい。
 理由は指摘するまでもなかろう。中川昭一前財務・金融担当相が「もうろう会見」で世界に醜態をさらし、しかも、盟友をかばいたかったのか、麻生首相の対応も後手に回った。
 今回の調査で中川氏を財務・金融担当相に任命したことに対し58%の人が「首相に責任がある」と答えたのは当然だ。多くの国民はこの醜態を通じ、「緊張感や危機感を著しく欠いた麻生内閣で大丈夫か」と不安を感じたことだろう。
 首相への不信感が強まるのは無理もない。「支持しない」と答えた73%の人たちのうち、44%が「首相の指導力に期待できないから」、31%が「首相の政策に期待できないから」と回答した。民主党の小沢一郎代表と麻生首相のどちらが首相にふさわしいかの質問では、小沢氏が前回と変わらず25%だったのに対し、首相は前回から半減してわずか8%だった。
 経済政策の目玉・定額給付金も依然、73%の人が「評価しない」と答えている。首相周辺は「実際に給付されれば評価は変わる」と期待するが、もはや政権が反転攻勢に転じるすべもあまり見当たらないというのが実情ではなかろうか。
 自民党内でも、公然と「麻生降ろし」が語られ始めている。麻生首相のもとでは衆院選は戦えない。よって再び首相交代を、ということのようだ。だが、「ポスト麻生」候補が簡単に見つからないというのもまた事実だ。このままでは国民不在の党内対立だけが漫然と続く可能性が大きい。これが国民にとっては最も不幸な展開である。
 自民党の支持率は前回と同じ20%の低水準で、29%となった民主党にさらに差を広げられた。有権者の信を問うことなく、首相交代を続け、支持率が下がると人ごとのように離反する自民党の無責任さにも国民は厳しい目を注いでいるはずだ。そもそも「自分の選挙が危ういから首相交代を」ということ自体、国民不在というべきだ。
 経済状況が日増しに深刻になる中、国民の我慢も限界に近づいている。国民に信任された政権をつくるため、早急に衆院を解散し、総選挙を行うよう再度求めておく。それが「国民のため」の政治である。
毎日新聞 2009年2月23日 0時06分
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2、麻生内閣:支持11%…政権運営さらに窮地 本社世論調査
毎日新聞 2009年2月22日
 毎日新聞は21、22両日、電話による全国世論調査を実施した。麻生内閣の支持率は1月の前回調査比8ポイント下落の11%で、現在と同じ質問形式にした1949年以降、89年3月の竹下登内閣、01年2月の森喜朗内閣の各9%に次ぐワースト3位の低水準となった。麻生太郎首相がいつまで政権を担当すべきかを尋ねた質問でも「今すぐ辞めるべきだ」との回答が39%に達し、首相の政権運営は一層窮地に陥った。
 不支持率は前回比8ポイント増の73%で、前回記録した01年2月の森内閣の75%に次ぐワースト2位を更新した。支持率は昨年9月の内閣発足直後には45%。その後は同10月に不支持率に逆転を許すなど調査のたびに下落し、当初の4分の1にまで落ち込んだ。
 不支持理由は「首相の指導力に期待できないから」が最多で前回比11ポイント増の44%。支持理由の「首相の指導力に期待できるから」も3ポイント減の9%で、首相の指導力を疑問視する世論がうかがえた。
 支持率下落に歯止めがかからないのは、中川昭一前財務・金融担当相の「もうろう会見」による引責辞任も要因とみられ、中川氏を閣僚に任命した首相の責任については「責任がある」が58%で、「責任はない」の37%を大きく上回った。
 「麻生首相と民主党の小沢一郎代表のどちらが首相にふさわしいか」との質問への回答は、麻生首相が前回比8ポイント減の8%。小沢代表は横ばいの25%で、差は17ポイントに広がった。
 政党支持率は自民党が前回と同じ20%、民主党が3ポイント増の29%。4回連続で民主党が自民党を上回った。「次の衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいか」という質問への回答も自民党が5ポイント減の22%、民主党は1ポイント増の51%だった。
 政府・与党が政権浮揚の材料として期待する定額給付金に対しては、「評価する」が2ポイント減の20%、「評価しない」が1ポイント減の73%で、理解は広がっていないことを示した。
 首相の政権担当時期に関する回答は、「今すぐ辞めるべきだ」のほか、「来年度予算の成立まで続けるべきだ」39%、「夏ごろまで続けるべきだ」7%、「できるだけ長く続けるべきだ」8%だった。【坂口裕彦】
【関連記事】
毎日新聞 2009年2月22日
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3、社説:中川氏辞任 やはり麻生政権は末期的だ
毎日新聞 2009年2月18日
 中川昭一財務・金融担当相が17日辞任し、後任は与謝野馨経済財政担当相が兼務することになった。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後、ろれつが回らない状態で記者会見する醜態を世界にさらした中川氏の責任は重い。辞任は当然だ。
 ただし、さらに驚かされたのは、この期に及んで中川氏が当初、09年度予算案と関連法案が衆院を通過した後に辞表を提出すると「条件」を付けたことだ。
 いったん辞任表明し、死に体となった担当相が今の深刻な経済危機を乗り切ることができないのは明らかなはずだ。中川氏は一転、夜になって辞表を提出したが、麻生太郎首相も「予算案通過後辞任」でよしと判断していたとすれば、その危機感の乏しさにあきれるほかない。
 中川氏は、もうろうとした状態だったG7後の会見は、飲酒ではなく体調不良が原因だったと改めて説明し、「健康管理の不注意で関係方面に多大な迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と謝罪した。「予算案通過後辞任」というのは、自らの進退を引き換えに野党に速やかな予算審議をうながしたいと考えたのかもしれない。
 だが、世界同時不況が刻々と深刻化する中、他国の財務相らが中川氏を信頼して政策協調を持ちかけはしないだろう。一方、野党は17日昼に中川氏が辞任表明した後、問責決議案を参院に提出。今後、審議が滞るのが確実になり、やっと与党からも即時辞任を求める声が強まったのが実情だ。
 それにしてもお粗末だったのは麻生首相の対応だ。16日には「体調管理をしっかりして職務に専念を」と中川氏に続投を指示。17日も自ら動こうとした形跡は見当たらない。国民がどんな思いで今回の醜態を見つめていたか。なぜ深刻さに気付かないのか。
 中川氏の不安定な言動はかねて指摘されていた。それでも盟友だったからか、中川氏を起用した首相の任命責任はもちろんのこと、この間の対応も厳しく問われるのは確実だ。
 自民党執行部の中には「もうろう会見」の直後から「中川氏で乗り切れるか」との声もあったようだが、誰も責任を持って収拾に動かず、結局、辞任劇もしどろもどろとなった。既に指摘している通り、これはやはり政権末期の症状だ。
 危機管理能力の欠如も露呈したことで、国民の間にはますます「この政権で大丈夫か」との不安が募るだろう。与党内で語られている09年度予算案成立後の追加経済対策も国民のためというより、麻生政権の延命のためと映る人が多いだろう。
 今後、政権を立て直す材料は極めて乏しいと思われる。そんな閉塞(へいそく)感を打ち破るためにも早期の衆院解散・総選挙に踏み切り、政治をリセットすべきだ。再度、そう求めておく。
毎日新聞 2009年2月18日 0時07分

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4、社説:小泉発言 もはや政権末期の症状だ
                     2009年2月14日 毎日
 小泉純一郎元首相が郵政民営化に関する麻生太郎首相の発言を公然と批判し、2兆円に上る定額給付金の財源を確保する08年度第2次補正予算関連法案の再可決にも異議を唱えた。「麻生首相では次期衆院選は戦えない」と言っているのに等しい発言で、今後、同調者が増える可能性がある。麻生政権はいよいよ末期症状を呈し始めたといえるだろう。
 小泉氏が麻生首相の発言を「怒るというよりも笑っちゃう」などとあからさまに批判したのは、麻生首相をはじめとする最近の郵政民営化見直しの動きが、小泉政治を真っ向から否定するものと映ったからだと思われる。
 今期で引退を表明している元首相の発言が、これまでの政権批判の中で最も大きな衝撃として報じられていること自体が今の自民党の活力のなさや実力者不在を物語る事態だ。それでも小泉氏の批判には一定の説得力があると受け止められているのはなぜか。
 「私は民営化に賛成ではなかった」に始まる首相の発言があまりにお粗末であり、自民党議員のみならず、国民の多くも「この経済危機の中、麻生首相で大丈夫か」と大きな不安を感じているからだろう。
 小泉発言のもう一つの大きなポイントは補正予算関連法案が参院で否決された後の衆院での再可決に強い疑問を呈したことだ。
 小泉発言の場となった12日の会合には18人が出席。衆院本会議で与党から何人が造反するかは速断できないが、再可決できず、目玉政策の定額給付金が実現不能となれば、たちまち麻生政権は窮地に陥る。今回の会合での発言で自民党内の倒閣運動は初めて具体的に顕在化したとも言える。首相の苦しさはここにある。
 首相はどうするのか。
 再三指摘している通り、衆院の3分の2を占める今の与党勢力は、郵政民営化を争点にした05年の衆院選で得たものであり、民営化を根本から見直し、自らの政策を遂行したいと思うなら、衆院解散で信を問い直すのが筋だ。
 だが、麻生首相自らの言動が批判を招き、支持率は上向く気配がない。このため、解散は、ただひたすら先送りされる状況になっている。一方、自民党内では仮に補正予算関連法案を成立させても、今後、総裁選を前倒しし、衆院選前に首相を交代させようとの動きが強まるだろう。
 国民が一番迷惑なのは、こうした党内抗争だけが、ぐずぐずと続くことだ。政治空白とは、まさにそれを指すのだ。
 経済状況が日に日に深刻になる中、国民の信任を得た首相にしか思い切った経済政策は断行できない。首相が交代するにせよ、しないにせよ、当面必要な経済対策を実行したうえで、早期に衆院解散・総選挙を行うことだ。改めてそれを指摘しておく。











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石田ふたみ