『日々の映像』

2009年02月21日(土)  日本の農業政策は枝葉のみ

報道と資料
1、減反参加の農家、所得補償を拡充 農水省検討
                    2009年2月20日日経
2、自民党:減反交付金の増額要求
                    2009年2月20日 毎日
3、【食糧安保を問う】(4)「飼料米」と「耕作放棄地」
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200901300152a.nwc
5、「兼業農家」が日本を滅ぼす
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090218/186539/

報道1の通り「減反参加の農家、所得補償を拡充」という報道があったので、
日本の農業問題の一端を記述したい。何時も思うことであるが、農業対策に対する行政の提示は、「減反参加の農家の所得補償を拡充」というように実に枝葉のテーマのみであると思う。

 根本問題は、農家に課せられる土地改良費の負担という根本的な「農地の保有コスト」の問題なのである。これがあるために少しでも立地条件が悪いと農地の買い手がなく膨大な「耕作放棄地」が生まれているのである。以下の数字が分かる人いましたら教えて欲しい。
全国の土地改良区の借入残高・・・財投資金
支払っている金利・・・・・・・・高くて公表できないだろう
                
町が出来る立地があると税金で道路が出来る。米作には水路が生命線である。この水路を土地改良区が、財投資金を借りて作ったのである。この借入の返済と金利が大きく農家の負担となっているのである。

この負担金が1反あたり〇〇〇〇円となって農家への請求となる。減反分にも土地改良費の負担がくるのである。農地を保有するコストを解決するのが政策の基本ではないかと思う。何回もここで書いたが、全国の土地改良区の借入残高を税金で100%補填すべきだ。

 5町歩以上の農地を保有している農家は、集落で1〜2軒である。このような大農でも農閑期にはタクシーの運転手をするなどの兼業農家となっている。ここまで農家を追い込んだのは政治の責任だ。

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1、減反参加の農家、所得補償を拡充 農水省検討
                    2009年2月20日  日経
 農林水産省は生産調整(減反)などのコメ政策を見直すのにあわせ、生産調整に参加する農家の所得補償を拡充する検討に入った。現在の所得対策である「水田・畑作経営所得安定対策」を拡充したり、新しい交付金を設けたりすることを検討する。ただ財務省は必要な財源の増加に慎重で、政府内の調整が難航する可能性もある。
 農水省は5年に1度の農政の基本計画の見直しに着手している。石破茂農相は4月にも農政改革の方向性を示す考えで、所得対策の見直しも盛り込む見通しだ。
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2、自民党:減反交付金の増額要求
                2009年2月20日 毎日
 自民党は19日、コメの生産調整(減反)に協力した農家への交付金増額を柱とする米価安定策を政府に求める方針を決めた。3月中にまとめる農政改革案に盛り込み、09年度の補正予算への費用計上を政府に働きかける。増額を求めるのは、主食用米に代えて飼料用、米粉用のコメなどを生産した農家への交付金。
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3、石破農相:減反など農政改革論議スタート 審議会に諮問
毎日新聞 2009年1月27日
 石破茂農相は27日、食料・農業・農村政策審議会(農相の諮問機関、会長・林良博東大大学院教授)に、食料・農業・農村基本計画の見直しを諮問した。今後約1年かけて議論し、10年度以降の農政の指針となる新計画を来年3月ごろ閣議決定する。食料供給基盤の強化や食の安全・安心などが主な検討項目だが、コメの生産調整(減反)の廃止を含めた見直しなど、与党や農業団体の反発が強い課題もあり、論議は曲折が予想される。
 また、政府は27日、河村建夫官房長官や石破農相ら6閣僚で構成する農政改革関係閣僚会合を設置。石破農相が新設の農政改革担当相を兼務し、政府一体で農政改革に取り組む体制を整えた。閣僚会合は今春までに一定の方向性を打ち出し、基本計画の見直し論議にも反映させる。
 今回の基本計画見直しは、世界的な穀物需給の逼迫(ひっぱく)や食品の安全性をめぐる不安の高まりなどを受け、持続可能な国内農業の基盤をどう確立するかが課題。07年度で40%と低迷する食料自給率(カロリーベース)について、新たな目標を掲げるかどうかも焦点となる。不況で職を失った人々の農林水産業への就業を促し、高齢化などに悩む農山村を活性化することもテーマだ。
 凍結状態に陥っている世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)は、今年後半に再開される見通しで、農産物の関税引き下げなど更なる貿易自由化への備えが問われる。最低輸入義務(ミニマム・アクセス)として毎年約77万トンのコメを輸入する一方、国内の水田の4割に減反を強いる政策も限界感は明らか。何らかの見直しが必至だが、「やり方次第で米価が暴落する」(農協関係者)との懸念もあり、衆院選を控えた与党や農業団体は警戒を強めている。石破農相は27日の会見で「政府全体として強い推進力で(農政改革に)当たりたい」と決意を述べたが、調整は難航しそうだ。【行友弥】
 ◇食料・農業・農村基本計画
 旧農業基本法(1961年制定)に代わって99年に施行された食料・農業・農村基本法に基づく政府の農政運営の指針。計画の対象期間は10年間程度、5年ごとに見直す。05年3月に閣議決定された現行計画は、食料自給率を45%(07年度で40%)に高める目標などを掲げている。
毎日新聞 2009年1月27日 19時47分


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4、【食糧安保を問う】(4)「飼料米」と「耕作放棄地」
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200901300152a.nwc


 政府は今年に入ってコメの生産調整(減反)政策の見直しなど、農政改革に向けた検討に乗り出した。日本の水田は全体面積の6割の利用にとどまっており、耕作放棄地は埼玉県の広さに匹敵する。食料自給率を向上するために減反政策を見直して農業基盤の強化につなげる狙いがある。その減反見直しの一つの受け皿として、期待されるのが「飼料米」づくりだ。
 日本の食料自給率は40%だが、畜産向けの飼料自給率は25%程度と低く、その多くを輸入飼料に依存している。このため、飼料米づくりは、眠っている農地の有効利用だけでなく、畜産飼料の自給率向上や有事の際の食用転用など、食糧安全保障の観点からも貢献度が高いとされている。
◇   ◇
 「豚の飼料は米国はトウモロコシだが、カナダでは大麦を使っている。日本がコメを活用するのは理にかなっている」
 飼料米を使ったブランド豚の生産・加工から販売まで手がける平田牧場(山形県酒田市)の新田嘉七社長は、食料自給率向上につながる国産飼料米づくりの重要性をこう訴える。
 飼料米で育てられた豚は脂身が白くてつややかなほか、不飽和脂肪酸が増えて口溶けが良くなるという。また、地元産のコメがエサとして使われているため、安全でおいしいブランドを確立できる。
 年間20万頭の豚を生産する平田牧場では周辺農家と契約し、飼料米を買い取っている。新田社長は「今年から飼育仕上げ期のエサの全部を飼料米5%(配合)に高め、来年は10%にできる量を確保する。減反を減らして水田を有効活用したい」と話す。
◇   ◇
 飼料用米の作付面積は、平成16年度の44ヘクタールが今年度計画では1405ヘクタールまで増えた。平田牧場やポークランド(秋田県)など先進的な畜産業者が、ブランド向上のため、飼料米を契約栽培している効果だ。
 飼料米は主食用のコメより価格が安く、生産者にとってはうまみが少ない。来年度予算が成立すれば、10アール当たり5万円の交付金が支給され、試算では農家の収入は同8万円程度になるが、それでも主食用米の13万円に比べれば安い。
 平田牧場は飼料米を一定価格で買い上げ、飼料米農家を支援している。「非遺伝子組み換えの飼料だけを選び出して輸入することが難しくなっており、飼料米のコストは相対的に低くなりつつある」(新田社長)という。
 飼料用トウモロコシの年間輸入量は1200万トンあり、10年後に飼料米の作付面積を4万ヘクタール、収穫量を約26万トン(19年度実績は292ヘクタール、約1500トン)にする農水省の計画でも、食料自給率を高める効果は0・1%分にすぎない。
 ただ、今の日本に求められるのは、自給率という数値目標ではなく、輸入も含めた多様な食糧調達を進める安全保障戦略だ。それが農業の構造改革を促し、輸出競争力を併せ持った強い農業への転換につながる。(食糧問題取材班)=おわり

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5、「兼業農家」が日本を滅ぼす
減反政策は諸悪の根源、コメを作って米価を下げよ
2009年2月20日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090218/186539/



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石田ふたみ