2009年02月13日(金) |
パイオニアが薄型テレビ撤退、1万人削減へ |
パイオニアが薄型テレビ撤退、1万人削減へ
報道 1、パイオニアが薄型テレビ撤退、1万人削減へ 2009.2.12 22:産経新聞 2、パイオニア:「薄型」撤退、消耗戦に見切り 構造転換へ 毎日新聞 2009年2月12日 3、パイオニア株式会社の概要
日本の電機メーカーの国際競争力の根源は、国内の熾烈な競争から生まれたと思う。それだけに退場を余儀なくされる企業が出るのは当然である。パイオニアは12日、平成22年3月までに薄型テレビ事業から撤退し、国内外で正社員6000人を含む計1万人の人員削減を実施すると発表した。連結での従業員数が42000名の企業が1万名の人員の削減であるから、まさに企業の存続の可否まで問われる事業縮小である。
報道1の一部を引用したい「高い技術力で国内初のテレビを開発した日本ビクターも昨年、国内市場から事実上撤退。今年は欧米でも事業を大幅縮小する。「世界初」の新製品で市場を切り開いてきたパイオニアとビクターのテレビ事業からの撤退は、技術だけでは生き残れない競争の厳しさを物語る。」この部門に働く人にとっては会社が突然なくなるに等しい出来事である。しかし、このような事例は今後数多く出るのではないかと思う。 パイオニアの小谷進社長は12日の会見の言葉を引用しよう。 「われわれが先駆けとなってきたプラズマテレビから撤退するのは断腸の思いだ。再び当社が光を放つときまで、構造改革を敢然と進めなければならない」と。企業のサバイバルが激しく展開されると捕らえる必要があるのだ。 ---------------------------------------------------------------------
1、パイオニアが薄型テレビ撤退、1万人削減へ 2009.2.12 22:産経新聞 パイオニアは12日、平成22年3月までに薄型テレビ事業から撤退し、国内外で正社員6000人を含む計1万人の人員削減を実施すると発表した。薄型テレビは色彩を鮮やかにみせる独自技術を打ち出したが、年間出荷台数は約30万台にとどまり、大手が1000万台を超える規模で争うレースから脱落した。今後はカーエレクトロニクス事業に軸足を移して経営再建を図るが、歴史的な自動車販売の低迷でカーエレ部門の収益力も弱まっており、再生に向けた前途は険しい。 パイオニアは21年3月期の連結業績見通しを下方修正し、売上高が従来予想から1400億円減の5600億円(前期比28%減)、営業損益が690億円の赤字(従来予想は170億円の赤字)、最終損益も1300億円の赤字(同780億円の赤字)になると発表した。最終赤字幅は過去最大になる。 小谷進社長は12日の会見で「われわれが先駆けとなってきたプラズマテレビから撤退するのは断腸の思いだ。再び当社が光を放つときまで、構造改革を敢然と進めなければならない」と話した。 AV(音響・映像)機器メーカーとして技術に定評があるパイオニアにあって、小谷社長は昨年11月の社長就任前からテレビ事業の改善策を担当してきた。それだけに撤退は同社の置かれた深刻な状況を物語っている。グループ人員はすでに昨年12月までに約5900人を削減したが、一段の削減を実施する。 プラズマテレビ事業は16年にNECから買収して本格参入した。当初こそ市場をリードする存在感をみせたが、パナソニックなど大手の攻勢の前に失速。昨年には中核部品のパネルの生産をやめるなど対策を講じてきたが、「経営環境は想定を超えて悪化して採算改善が見込めない」(小谷社長)と判断した。 薄型テレビをめぐっては、高い技術力で国内初のテレビを開発した日本ビクターも昨年、国内市場から事実上撤退。今年は欧米でも事業を大幅縮小する。「世界初」の新製品で市場を切り開いてきたパイオニアとビクターのテレビ事業からの撤退は、技術だけでは生き残れない競争の厳しさを物語る。 軸足を移すカーナビゲーションシステムなどのカーエレ部門は、自動車メーカー向けの納入激減を受けて、21年3月期には125億円の赤字に転落する見通しとなった。このため、黒字化は今回打ち出した構造改革の効果が表れる23年3月期まで持ちこしとなる。 5期連続の最終赤字で財務面も極めて厳し状況に追い込まれるなか、パイオニアの経営再建の行方は今後、買収を含めた業界再編ぶくみの展開が予想される。 パイオニアが薄型テレビ撤退、1万人削減へ •国内外で1600人削減へ 大日本スクリーン製造 •日産、最終赤字2650億円に 来年度中に2万人削減 •アルプス電気が1万3000人削減 部品販売低迷 •パナソニック国内外で1万5000人削減へ 今期3800億円赤字 •神戸製鋼、3月に一時帰休 人員削減は行わず •トヨタ系各社「非正規」さらに削減 •住友化学、2500人削減 3月期の赤字150億円に
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2、パイオニア:「薄型」撤退、消耗戦に見切り 構造転換へ 毎日新聞 2009年2月12日 パイオニアが、事業の「柱」だったプラズマテレビ事業から完全撤退し、車載機器中心に事業構造を転換すると打ち出した。薄型テレビメーカーは、世界的な価格の値崩れや販売競争の激化による消耗戦を繰り広げ、多くは赤字続きに苦しんでいる。今後、家電メーカーの生き残りをかけた事業の縮小・撤退や再編などに広がる可能性もある。【秋本裕子】 パイオニアは今年3月にパネル生産から撤退し、パナソニックからパネルを調達してコスト削減を進め、生き残りを目指す計画だった。しかし、昨秋以降の金融危機の深刻化で販売不振が強まり、価格下落や市況悪化が急速に進んだ。テレビなどのデジタル家電は、販売力や大規模生産による低コスト化が市場での勝敗のカギを握るが、収益改善のめどが立たず、ついに薄型テレビに見切りをつけた形だ。 パイオニアは今後、国内首位のカーナビゲーションなど強みを持つ車載機器に経営資源を集中し、経営のスリム化を目指す。しかし新車販売不振で、車載機器事業の収益も悪化。「11年3月期には回復基調に入る」(小谷進社長)と見るが、抜本的な収益改善策が求められる。 薄型テレビ各社は昨年以降、テレビ事業の見直しを加速。日本ビクターは国内家庭用液晶テレビ販売を大幅縮小し、日立製作所もプラズマテレビのガラス部材生産をやめる方針だ。ソニーは国内に二つあるテレビ工場を1カ所に集約、パナソニックもパネル工場の稼働延期などを打ち出している。しかし、「今後の景気動向次第では、パイオニアに続いて撤退に踏み切る動きも出るかもしれない」(業界関係者)との見方も強まる。 【ことば】パイオニアとプラズマテレビ パイオニアは97年に50インチの大画面プラズマテレビを世界で初めて発売した文字通りの「開拓者」。しかし、規模で勝るパナソニックや韓国勢の攻勢に苦戦し、08年のプラズマテレビの出荷額シェアは約4%(世界5位)。現在、「KURO」ブランドで販売しているテレビも技術力の高さに定評があるが、機種によっては同クラスの他社製品の2倍近い高価格がネックとなっていた。 ■電機メーカーの主な薄型テレビ事業リストラ策■ 日立製作所 プラズマパネル部材生産撤退、国内外7000人を配置転換 パナソニック パネル生産拠点の集約、国内外1万5000人削減 ソニー テレビ生産拠点集約、国内外1万6000人削減 シャープ 液晶工場再編、派遣社員1500人削減 パイオニア プラズマテレビ撤退、国内外1万人削減 【関連記事】 パイオニア:TV撤退へ 静岡の生産工場操業打ち切り シャープ:初の最終赤字1千億円 非正規1500人削減へ シャープ:初の営業赤字…3月期見通し シャープ:上場初の最終赤字に…3月期見通し パイオニア:全正社員の賃金、最大10%超削減 創業来初
毎日新聞 2009年2月12日 21時09分(最終更新 2月12日 23時13分)
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商号 パイオニア株式会社 PIONEER CORPORATION
本社 東京都目黒区目黒1-4-1
創業 昭和13年(1938)1月1日
設立 昭和22年(1947)5月8日
代表取締役社長 小谷 進
資本金 69,823百万円(2008年3月末現在)
従業員数 42,775名 (連結ベース:2008年3月末現在)
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