2009年02月12日(木) |
麻生太郎首相の迷走発言の顛末 |
報道 1、小泉元首相:「笑っちゃうくらいあきれた」…首相発言に 2009年2月12日 毎日 2、小泉元首相の発言要旨 2009/02/12-時事通信
ここで特定の人を批判する記述はしたくないが、麻生太郎首相の迷走発言はもはやどうにもならないと思う。自民党の小泉純一郎元首相が公式の場で「「怒るというより、笑っちゃうくらい、ただただあきれている。首相の発言に信頼がなければ、選挙は戦えない」と厳しく批判している。
小泉氏の発言は報道1の通り「自民党内の反麻生の動きに『お墨付き』を与えかねず、党内には『今回の発言が中堅・若手の倒閣運動に結びつくと、大変なことになる』」という見方は妥当なのだろう。政治は「1寸先は闇」という世界である以上、予想外の動きが出てくるように思う。自民党は麻生首相の下で選挙を行ったら歴史的な大敗北になると思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 小泉元首相:「笑っちゃうくらいあきれた」…首相発言に 2009年2月12日 毎日 自民党の小泉純一郎元首相は12日、党本部で開かれた郵政民営化推進派議員の会合であいさつし、民営化を巡る麻生太郎首相の発言について「怒るというより、笑っちゃうくらい、ただただあきれている。首相の発言に信頼がなければ、選挙は戦えない」と厳しく批判した。郵政民営化見直しの動きに対し、小泉氏が公の席で反論するのは初めて。 会合には政権批判を強める中川秀直元幹事長や塩崎恭久元官房長官ら20人が出席。中川氏らは「政治の信頼」を掲げ、新たな議連創設も検討している。小泉氏の発言は自民党内の反麻生の動きに「お墨付き」を与えかねず、党内には「今回の発言が中堅・若手の倒閣運動に結びつくと、大変なことになる」(町村派幹部)との懸念が強まっている。 小泉氏はあいさつで、総額2兆円規模の定額給付金についても批判した。給付金を盛り込んだ08年度2次補正予算関連法案について「本当に成立させなければならない法案だとは思っていない」と述べ、制度導入に疑問を表明。その上で「参院の意見と調整して、妥当な結論を出してほしい」と述べ、給付金に反対する野党との政策協議を訴えた。 小泉氏は05年秋、郵政民営化の是非を問う衆院選を断行し、与党は衆院で3分の2の超える圧倒的多数の勢力を得た。ねじれ国会に苦しむ政府・与党にとって、衆院の議席が政権維持の生命線となっており、首相は自らの見直し発言について、今月10日に小泉氏に電話し釈明するなど、沈静化を急いでいた。 ただ、小泉氏は首相の釈明にも納得していない様子で、「(衆院選を)戦おうという人に首相が前から鉄砲を撃っている。発言には気を付けてと言っておいた」と語った。また民営化法案を参院で否決された後衆院を解散した小泉氏を「奇人変人」と首相が呼んだことに「自分では常識をわきまえた普通の人だと思っている」と不快感を示した。 首相発言について、自民党の古賀誠選対委員長は12日の古賀派総会で「マスコミや野党につけ込まれるような発言は注意すべきだ」と批判。町村派総会では複数の出席者から、首相発言について「地元支援者から『首相はぶれずにしっかりやれ』と言われた」などの苦情が続出した。これを受けて、町村信孝前官房長官は総会後、国会内で河村建夫官房長官と会い、「最大派閥として、(政権を)きちんと支える。ただ、寝た子を起こさないよう、首相も発言には注意してほしい」と要請した。【高山祐、近藤大介】 【関連記事】 民主:総務相発言も国会で追及へ…管代表代行 麻生首相:自民党執行部にも失望感 郵政発言で連日釈明 自民幹事長:郵政分社化、麻生首相発言を否定 麻生首相:郵政選挙で迷走発言…また弁解 河村官房長官:首相の郵政担当発言に誤り 毎日新聞 2009年2月12日 21時28分(最終更新 2月12日 21時32分)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2、小泉元首相の発言要旨 2009/02/12-時事通信 12日に開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」での小泉純一郎元首相の発言要旨は次の通り。 わたしは最近の麻生太郎首相の発言について、怒るというよりも笑っちゃうくらい、ただただあきれているところだ。一昨日も、首相から話がしたいと電話でお話ししたが、その時に、たまたま小野次郎衆院議員のブログと言うんですか、「総理それはないでしょ」というのを読んでいた。もう一つね、世耕弘成参院議員の「それを言っちゃあおしめえよ」。だからね、首相にこういう意見が耳に入ってないと思うから、官邸に、「この小野次郎さんの文章と、世耕さんの文章をファクスで送るからよく読んでおいてくれ」と言っておきました。 だいたい、首相の方針とか、執行部の方針に批判的な意見を若手が出すと、執行部から「後ろから鉄砲撃つな」と押さえ込みにかかるが、最近の状況は、首相が前から、これから戦おうという人に鉄砲を撃っているんじゃないかと。発言は気を付けてとよく言っておいた。 わたしについても、(首相が)常識の通じない男だとかね、奇人変人とか言っているようだが、わたしは自分では常識をわきまえている普通の人だと思っている。これから、選挙を戦わなければならない。自民党がどうなるか、みんな心配している。わたしも、たまには非常識なこともするかもしれないが、だいたい政治においては常識的な、「あ、そういうもんか」というところに持っていくために、よく各政党と話し合うことが必要だと思う。 現在、ねじれ国会と言っているが、これは決してそんなに悪いことじゃない。これからも衆院の多数意見と、参院の多数意見が違う場合があるかもしれない。そういうことを考えると、今、政局より政策優先だという国民の声が強いから、衆院の意見、参院の意見が違ったら、どういう政策ならば、対策ならば、国民が満足(するのか)。納得できるような案をよく協議してもいいのじゃないかとわたしは思っている。 定額給付金についても、首相が「さもしい」と、また「自分はもらわない」と、「いやそんなことは言ってない」とか、いろいろ言っているが、この問題についても、わたしは本当に、3分の2を使ってでも成立させなきゃならない法案だとは思ってないんです。 もうわたしは引退表明してますけどね、あんまり多くのことは言いませんけども、「あの時賛成したが、実はそうではなかったんだ」とは言いたくないから、定額給付金についてはもっと参院の意見を聞いて調整して、妥当な結論を出してほしいなと思っている。 これから皆さんは選挙を戦わなきゃならないし、国民に理解を求めなきゃならない大事な時期だ。ぜひとも、9月までには国民の信を問わないとならないんですから、特に首相の発言が、信頼がなきゃ選挙は戦えないんだから、信頼が大事だということを肝に銘じていただいて、何とかこの難局を乗り越えるよう、皆さんとともにいい知恵を出していきたいと思う。(了)(2009/02/12-21:28)
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