『日々の映像』

2008年12月27日(土)  教員:心の病での休職教員、10年間で3倍の4995人 

1、教員の病気休職、8000人 07年度は過去最多
                   2008年12月26日 日経
2、ベテランの挫折、増加 指導通用せず孤立深める
                   毎日新聞 2008年12月26日 東京朝刊
3、心の病で休職教員、10年間で3倍 07年度、5千人
                   2008年12月26日1時0分  朝日

 1997年1月1日から書き始めた日々の映像〈ミクシイ上は日記〉は、今年12月31日で満12年4380回の記述となる。この間に教職員の精神疾患による休職の問題は、毎年記述してきた記憶がある。先生たちはなぜ簡単に
精神疾患の患者になってしまうのだろう。それは、生きる哲学の貧弱さではないかと思う。

 生涯青春に会で、この生きる哲学の一つとしてアインシュタインの「人は自分以外のもののために生きられるようになって、初めて生のスタートを切る」言葉を会報に何回も引用した。この概念を東洋的(仏教の考え方)に言えば「利他の実践」すなわち自分以外の他人を利する生き方・実践である。このような生きる基本哲学が明確な先生は、少々のストレスでうつ病になることは絶対にないと思う。

 それにしても病気休職者と精神疾患の休職は大変な人数である。
1、国の公立小中高校や特別支援学校などの教員計約92万人を対象に調査。2、病気休職者全体の数は8069人(414人増)と過去最多。92万人の0.87%に当たる。日本の勤労者は6000万人である。同じ比率で病気休職者が出ると52万人になる。
3、うち、うつ病などの精神疾患で休職した人は4995人(前年度比320人増)で過去最多。92万人の0.53%に当たる。同じ比率でうつ病などの精神疾患で休職者が出ると32万人になる。
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生涯青春の会会報1号(4)に収録した内容。
(4) 百歳まで元気でいるには (2004年2月13日)
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10179281205.html
 2月10日から百歳に関することを書くのは4回目となった。百歳になって元気でいることが、いかに大変なことかを考えてみよう。2003年9月13日の日々の映像で、百歳以上2万人の実情を書いた。詳しくは省略するが、食事など基本的動作を介助なしで行なえる割合は、男性30・9%に対して女性は僅か13・6%しかいないのである。
 それゆえ、飯田深雪さんや平山直八さんの存在は、驚嘆すべきことなのである。少なくとも、活力がこんこんと湧き出るような生き方をしないと、百歳になって社会で活躍することは不可能なことだ。
 アインシュタインが含蓄のある言葉を残している。「人は自分以外のもののために生きられるようになって、初めて生のスタートを切る」と。私は1998年1月18日に日々の映像の結びで次のように書いた「自分以外のもののために生きられるようになる・・これを我が人生の最大の課題にしようと思った。そこに初めて気力が溢れる充実の日々が待っているような気がする」と。

 ・活力が こんこん湧き出る 生き方は 自分以外の 利他の実践
           
(下の句は今回修正)

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1、教員の病気休職、8000人 07年度は過去最多
                     2008年12月26日 日経
 文部科学省は25日、2007年度の教員の処分に関する調査結果をまとめた。病気による分限処分(休職)者は前年度より414人増の8069人、このうち精神疾患による休職は320人増の4995人で、いずれも過去最悪を更新した。一方、わいせつ行為で懲戒処分を受けた教員(監督責任での処分除く)は139人で31人減った。
 調査は約91万6000人の公立小中高校の教員について、都道府県と政令市の教育委員会を通じて実施。(07:02)
教職員の病気休職:精神疾患、4995人に 15年連続で増加−−昨年度公立校
 07年度にうつ病などの精神疾患で休職した公立学校の教員は4995人(前年度比320人増)で過去最多だったことが、文部科学省の調査で分かった。15年連続の増加で、01年度(2503人)の約2倍。病気休職者に占める割合も13年連続で増え、過去最高の61・9%(前年度比0・8ポイント増)に達した。文科省は「重大な結果。教員のメンタルヘルス保持の取り組みを充実させたい」とコメントした。
 全国の公立小中高校や特別支援学校などの教員計約92万人を対象に調査。病気休職者全体の数も8069人(414人増)と過去最多で、14年連続で増えた。精神疾患の大多数はうつ病で、適応障害やパニック障害、統合失調症なども含まれる。年齢別では40代(37・5%)と50代以上(35・2%)で7割以上。文科省によると(1)従来の指導法が通用しなくなり自信を失う(2)保護者との関係が変化し説明を受け止めてもらえず悩む(3)業務の多忙化や複雑化(4)家庭の事情−−など複数の要因が絡んだケースが目立つ。
 ◇懲戒処分は1万2887人に
 調査では07年度に懲戒処分(監督責任を除く)を受けた教員が1万2887人だったことも判明。前年度比1万1728人の大幅増だが、1万1893人は北海道で、査定昇給制度に反対する争議行為で処分された教員だった。
 処分の理由別では▽酒気帯びを含む飲酒運転81人(前年度比20人減)▽わいせつ行為139人(31人減)▽体罰124人(45人減)▽公費不正執行または手当などの不正受給40人(24人増)などだった。【加藤隆寛】
 ◇地方公務員全体、最多の2万326人
 教員、警察官を含む地方公務員全体で07年度に懲戒処分を受けたのは2万326人と、過去10年間で最多となったことが25日、総務省のまとめで分かった。2万人を超えたのは84年度以来。問題がある職員を免職・休職させる「分限処分」を受けた地方公務員も2万2686人で、記録のある60年度以来最多となった。【石川貴教】

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2、ベテランの挫折、増加 指導通用せず孤立深める
 毎日新聞 2008年12月26日 東京朝刊
心を病む先生が増え続けている。精神疾患で休職する教員数が過去最高となった文部科学省の調査結果。ベテランの先生でも手のかかる児童生徒に立ち往生し、多忙の中、孤立を深めている。
 「最近多いのは、40代後半から50代のベテラン教員の挫折」と話すのは、北九州市教育委員会内で教員の相談にのる保健師だ。「立って騒ぐ子に注意しても、これまでの指導が通用しない。授業が成立せず、保護者のクレームが入り始めると対処が難しい。夜間の家庭訪問など時間外の仕事も続き、精神的な病に陥る例がある」
 最長期限の3年休職して復職したものの、辞めていく教員もいる。休職期間が長いほど復帰は難しい。
 学年主任として生徒間トラブルの処理に奔走した関西地方の50代の男性教員は、自律神経失調症と診断され今春から休職した。きっかけは肩の重い痛みと右腕のしびれ。脳血栓の前兆と思い受診したが異常はなかった。「授業後に口が乾き強い疲労に襲われるようになった。休む理由を探す自分にがくぜんとし、心療内科でストレスが原因とわかりました」
 東京都教職員互助会の三楽病院で、年900件近くの相談に対応する臨床心理士の溝口るり子さんは「悩みがあっても同僚は忙しそうで相談できず、抱え込んでしまう教員も多い」と話す。
 団塊世代の大量退職で、経験の浅い若手教員も増えている。教員の相談にのる東京メンタルヘルス・アカデミーの武藤清栄所長は「子ども同士のトラブルにどう介入していいかわからない教員が増えている。受験、受験で教員採用に至った人も多く経験不足。相談すれば楽になるのに、『余計なことを話せば自分が傷つく』と孤立しがち」と指摘する。
 07年度に精神的な病で休職した教員は全教員の0・55%。だが武藤さんは、時々休んだり、抗うつ剤を服用したりして働く教員はその5倍程度に上ると推測、休職予備軍のすそ野は広いとみる。【山本紀子】
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3、心の病で休職教員、10年間で3倍 07年度、5千人
2008年12月26日1時0分  朝日
 小中学校、高校などの教職員で、病気休職した数が昨年度8千人を超え、過去最高となったことが25日、文部科学省のまとめでわかった。うち、うつなどの精神疾患は15年連続の増加で約5千人と10年前の3倍に達した。
 調査の対象者は約91万6千人。病気休職者は8069人で前年度より414人増え、精神疾患は4995人で前年度より320人増だった。精神疾患は休職者の約62%を占め、いずれも、これまでで最も多かった。
 文科省によると、各教育委員会が挙げた休職者増の要因として、(1)児童生徒や親との関係が変化し、以前の指導や対応では問題が解決できなくなった(2)職場での支え合いが以前より希薄になった(3)業務が多くなって忙しい(4)本人の家庭事情などを挙げ、「複雑に絡み合っている」とした。
 また、文科省は懲戒処分についても発表。北海道で今年1月にあった査定昇給制反対のストに対する大量処分の影響で、昨年の10倍に増えた。
 訓告と諭旨免職を含めた懲戒処分は、1万7482人で、うち北海道のストは1万3617人。総数は前年より約1万3千人増。飲酒運転が81人(前年101人)、わいせつ行為は164人(前年190人)だった。日の丸掲揚、君が代斉唱をめぐる処分は54人(前年98人)だった。(上野創)

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石田ふたみ