2008年12月08日(月) |
内閣支持激減 「もう任せられない」が世論だ |
報 道 1、支持急落「わたしへの評価」=麻生首相、厳しい認識示す 時事通信 1、麻生内閣:支持率急落 /民主・鳩山氏「総辞職ありうる」 毎日 2、麻生内閣の支持率急落 もはや「政権末期症状」 J-CAST 3、社説:内閣支持激減 「もう任せられない」が世論だ 日経
「選挙の顔」を期待されて就任した首相支持率急落の自民党内での求心力が一段と低下する気配である。「政治の1寸先は闇」という言葉を残した政治家がいた。政局に先が分からなくなってきた。民主党の鳩山由紀夫幹事長は8日午前、「今年中に大きな変化がある。内閣総辞職も視野に入れる必要がある」と述べている。麻生首相が年内に退陣する可能性があるとの見方を示している。ともかく、どの調査でも「支持率急落、不支持率急上昇」ではどうにもならない。
就任1か月で支持率が半減し、不支持率が66.7%で約25ポイント跳ね上がるなど、政権末期の様相である。麻生首相の「問題発言」や漢字の読み間違えなどで「資質」に失望感が広がったことは明らかである。読売新聞の調査では、「首相が問題発言や失言を繰り返していることが政権運営に悪影響を及ぼしていると見る人は77%に上った」となっている。毎日オバナ新大統領の語録に接しているが、指導者の資質に天と地ほどの違いがあることは寂しい限りである。毎日新聞の社説のとおり「もう任せられない」が世論なのである。
―――――――――――――――――――――――――――― 1、支持急落「わたしへの評価」=麻生首相、厳しい認識示す 2008/12/08-13:33 時事通信 麻生太郎首相は8日昼の政府与党連絡会議で、報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したことについて「非常に厳しい数字で、これがわたしへの評価と受け止めている。景気・雇用対策への期待に十分応えていないとの批判だと思う」と述べ、厳しい認識を示した。 支持率の激減により、「選挙の顔」を期待されて就任した首相の自民党内での求心力が一段と低下することは確実。首相は会議で「危機に対応する政策をしっかり進めなければならないので、(与党は)協力してほしい」と結束を要請した。 一方、公明党の太田昭宏代表は「政府・与党が結束して危機を乗り切らなければならない。雇用をつくるメッセージを国民に発しなければならない」と強調。同党の北側一雄幹事長も「麻生内閣が着実に実績を上げていくことが大事だ」と述べた。(了) (2008/12/08-13:33) ―――――――――――――――――――――――――――――― 2、麻生内閣:支持率急落 /民主・鳩山氏「総辞職ありうる」 2008年12月8日 毎日 麻生太郎首相は8日昼、首相官邸で開かれた政府・与党連絡会議で、毎日新聞などの世論調査で、麻生内閣の支持が激減したことについて「非常に厳しい数字。私への評価と受け止める。景気、雇用対策に十分にこたえていないことへの批判と思う。危機に対応すべくしっかりした政策を進めていかなければならない」と語った。 河村建夫官房長官は8日午前の記者会見で、「どちらが首相にふさわしいか」とする世論調査の質問で、民主党の小沢一郎代表が首相を上回ったことについて、「本来の麻生首相らしく、前向きに明るく強く取り組めば、支持を取り戻すことができる」と強調した。 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は8日午前、「今年中に大きな変化がある。内閣総辞職も視野に入れる必要がある」と述べ、麻生首相が年内に退陣する可能性があるとの見方を示した。【坂口裕彦、佐藤丈一】 毎日新聞 2008年12月8日 東京夕刊 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 3、麻生内閣の支持率急落 もはや「政権末期症状」? 2008/12/ 8 J-CAST 新聞各社の世論調査で麻生内閣の支持率が急落し、「危険水域」とされる3割を大きく割り込んだ。民主党の小沢一郎代表と「どちらが首相にふさわしいか」とする質問でも、小沢氏が麻生氏を大きくリードするなど、国民的人気が高いとされていた麻生氏の求心力が地に墜ちたかたちだ。 どの調査でも「支持率急落、不支持率急上昇」 共同通信が2008年12月6〜7日に実施した全国電話世論調査では、麻生内閣の支持率は前月比で15.4ポイント減の25.5%と大幅に急落、不支持率は61.3%と前回から19.1ポイント急増した。朝日新聞が同時期に実施した全国世論調査では、支持率は同比15ポイント減の22%、不支持率は同比23ポイント増の64%まで伸びた。 読売新聞が12月5〜7日に実施した全国世論調査でも、支持率は19.6ポイント減って、20.9%となり、1か月でほぼ半減、「福田内閣末期より低い水準に落ち込んだ」(読売)。不支持率が66.7%で約25ポイント跳ね上がるなど、支持率が急落し、不支持率が急上昇する傾向は変わらない。 毎日新聞の世論調査でも、支持率は10月調査から15ポイント減の21%、不支持率は17ポイント増の58%という結果になった。産経新聞の世論調査(12月4日実施)でも、支持率22.6%、不支持率69.2%とほぼ同水準になっている。 問題発言や失言が響く? また、麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」とする各社の調査でも、小沢代表が麻生首相を逆転する現象が出てきている。産経新聞では、麻生氏とするのが31.2%であるのに対し、小沢氏は35.6%と一歩リード。共同通信の調査でも、小沢氏が前月調査から10.1ポイント伸ばして34.5%であるのに対し、麻生氏が33.5%(17.5ポイント減)と、初めて逆転した。朝日新聞の調査でも、麻生氏とするのは19ポイント減らして30%、小沢氏は12ポイント伸ばして35%となった。 支持率低下の背景は、麻生首相の「問題発言」や漢字の読み間違えなどで「資質」に失望感が広がったことにありそうだ。読売新聞の調査では、「首相が問題発言や失言を繰り返していることが政権運営に悪影響を及ぼしていると見る人は77%に上った」。共同通信は「景気対策を優先すると強調していた首相の政策のぶれ、一連の失言を世論が厳しく評価した結果といえそうだ」と分析している。
――――――――――――――――――――――――――― 4、社説:内閣支持激減 「もう任せられない」が世論だ 2008年12月8日 毎日 発足以来3カ月足らずで麻生内閣の支持率が21%に落ち込んだ。毎日新聞が6、7日に実施した全国世論調査によると支持率は10月から15ポイントもダウンし、不支持は58%に達した。麻生太郎首相の下で現実に行われている政治の迷走ぶりも深刻で、もはや政権は末期的症状を呈し始めているといっていい。 雇用不安など経済状況が一段と厳しくなる中、国民の支持を得られない首相が今後も漫然と政権を担当し続けることを私たちは憂慮する。改めて早期の衆院解散・総選挙を求めたい。 支持率21%は政権を投げ出した福田前内閣の最低水準18%(今年5月)にほぼ匹敵する。これまでは「麻生首相と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいと思うか」の質問では、麻生首相が倍以上、上回っていたが、今回は小沢氏がわずかながら逆転した。これも首相には痛手だ。 支持激減の理由は定額給付金や道路特定財源の一般財源化などの方針や発言がぶれたり、ふらついたりしていることだろう。それに他者への配慮を著しく欠いた失言や漢字の誤読が拍車をかけていると思われる。 実際、調査では定額給付金を「評価しない」と答えた人が70%に達し、第2次補正予算案提出を通常国会に先送りした点も61%が「支持しない」と答えた。多くの国民は首相が掲げる政策や政権運営そのものに疑義を抱き、「もはや、この内閣に任せておけない」と不安すら感じ始めているのではなかろうか。 自民党内でも既に「麻生離れ」が進んでいるが、責任は首相にだけあるのではない。次期衆院選で自民、民主のどちらに勝ってほしいかとの質問では、民主党も伸びてはいないものの、自民党はさらに差をつけられた。首相の人気が落ちると一転、政権を支えなくなる党側の無責任さにも国民の厳しい目が向けられている表れといえるだろう。 今回の結果により麻生首相はますます衆院選を遠ざけようとするのだろうか。一方、自民党には再度、総裁選を行い首相交代でしのごうという動きが出てくるのだろうか。いずれにせよ政権与党は混乱し、思い切った経済対策どころではなくなる可能性が大きい。 だが、これまで「選挙より景気対策」との首相の姿勢に一定の理解を示していた世論に変化が出ている点を重く受け止めた方がいい。衆院選の時期について今回は「直ちに解散」と答えた人が最も多く、遅くとも来春までにとの声が大半だった。 それは迷走を続ける今の状況こそ政治空白だと少なからぬ国民が考えているからだろう。首相も与党もこの悲鳴に近い声に耳を傾けるべきである。この際、与野党で一致できる経済対策を第2次補正に盛り込んで早急に成立させたうえで、解散し、有権者の信を仰ぐのが一番有効と考える。 ―――――――――――――――――――――――――――――――
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