『日々の映像』

2008年11月18日(火)  シュワルツェネッガー知事、海面上昇に備えるよう命令


参考資料
1、シュワルツェネッガー知事、海面上昇に備えるよう命令
2、研究報告:強力な温室効果ガス、従来の推定量よりも多く大気中に
                      2008年11月17日温暖化新聞
3、ノーベル物理学賞のスティーブン・チュー博士:気象災害 「著しく高い」                        2008年11月14日温暖化新聞

 世界には金融危機の外に実に多くの問題がある。牛歩のスピードでも良いが好ましい方向に進んで欲しいものだ。過去に多く記述して来たが、今日は地球温暖化の問題を取り上げたい。 

 「シュワルツェネッガー知事、海面上昇に備えるよう命令」という記事が目に留まった。シュワルツェネッガー知事は14日、地球温暖化による海面上昇に備えるよう予想外の行政命令を出した。同州は太平洋に沿って1290キロの海岸線がある。シュワルツェネッガー知事は、サンフランシスコでは20世紀に18センチの海面上昇が記録されたと指摘している。

 サンフランシスコで海面が18センチ上昇しているのだから、東京も上昇しているはずである。行政は、この海面上昇を正確に掌握しているはずであるが、公表していないようだ。シュワルツェネッガー知事は「海面上昇をめぐる計画や対応の遅れが長引けば長引くほど、対応が難しくなりコストも増える」と語り、2010年までに調査報告をまとめるよう命じたものだ。

 資料2〜3の補足は割愛します。

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1、シュワルツェネッガー知事、海面上昇に備えるよう命令  
     2008年11月17日  毎日
 [サンフランシスコ 14日 ロイター] 米カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は14日、地球温暖化による海面上昇に備えるよう予想外の行政命令を出した。同州は太平洋に沿って1290キロ以上にわたり海岸線が延びる。
 シュワルツェネッガー知事は、サンフランシスコでは20世紀に18センチの海面上昇が記録されたと指摘。今後どれくらい上昇する可能性があるかや、地球温暖化によりほかにどのような影響が出てくるか、また州としてどのような対応が必要かを調査するよう命じた。
 カリフォルニア州は、自動車の排気汚染に独自の基準を設けたり、二酸化炭素の排出削減を法制化するなど、環境問題において米国では先駆的存在とみなされている。
 知事は「海面上昇をめぐる計画や対応の遅れが長引けば長引くほど、対応が難しくなりコストも増える」と語り、2010年までに調査報告をまとめるよう命じた。
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2、研究報告:強力な温室効果ガス、従来の推定量よりも多く大気中に
2008年11月17日温暖化新聞
(スクリップス海洋研究所より)
液晶パネルや薄膜太陽電池などの製造過程で使用され、二酸化炭素(CO2)に比べ1万7,000倍も温室効果が高いとされる三フッ化窒素(NF3)ガスの大気中の量がこれまでの推定量の4倍以上であることが、カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所の研究チームによって明らかになった。同研究所が10月23日に発表した。

今回の研究では、過去30年間に米国西海岸とオーストラリアで採取された大気サンプルを分析し、実際の大気中濃度を測定した。その結果、1978年に0.02pptだったのが2008年には0.454pptと年間約11%の割合で増加していることが判明。大気中の蓄積量は、2006年に1,200トン未満と推定されていたが、実際には4,200トン、2008年には5,400トンであったという。また大気中濃度は、NF3使用量が南半球よりも圧倒的に多い北半球の方が高かった。

NF3は、同量のCO2に比べてはるかに温室効果が高く、大気中の滞留期間も5倍と長いが、その排出量が少ないことから地球温暖化への影響は少ないと考えられ、京都議定書の規制対象にはなっていない。しかし最近では、NF3使用量の増加傾向や実際の排出量が不明であることへの懸念を受け、「規制対象にすべき」と勧告する科学者も出てきている。研究チームリーダーのレイ・ワイス教授(地球化学)も「気候的観点から、NF3を規制対象の温室効果ガス群に加える必要がある」と話している。

この研究結果は、米国地球物理学連合の学会誌「地球物理学研究レター」10月31号に掲載されている。

3、ノーベル物理学賞のスティーブン・チュー博士:気象災害発生の可能性は「著しく高い」            2008年11月14日温暖化新聞
(コペンハーゲン気候評議会より)
2009年12月のコペンハーゲン会議における、新たな気候変動枠組みの合意を支援するため、世界的な企業経営者や科学者が連携して組織した「コペンハーゲン気候評議会」が、ノーベル物理学賞受賞者で同評議会のメンバーでもある、スティーブン・チュー博士にインタビューを行い、その内容を11月3日にウェブサイトで公開した。

チュー博士は現在、米国カリフォルニア大学バークレー校の物理学および分子生物学の教授で、ローレンス・バークレー国立研究所の所長。気候変動問題に熱心に取り組み、新たな研究テーマとしている。

チュー博士によると、地球温暖化によって生態系に壊滅的なダメージが生じる可能性は、「著しく高い」という。気候システムの急激かつ大規模な変化や海洋循環の崩壊など、これまでの経験とは異なる規模の災害が予想され、東京、ムンバイ、ブエノスアイレス、ニューヨーク、ロンドンなどの都市では、防波壁を設置し、海面上昇や異常気象に備えなければならないとしている。

博士はまた、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書の内容は、控えめであると主張。地球の平均気温の上昇が、1.5度以下となる可能性は極めて低く、上昇幅は2〜4.5度となる可能性が最も高いとしている。さらに、何の対策も行わず、現在のレベルの温室効果ガス排出を続けると、今世紀末までに6.1度以上の気温上昇を引き起こすと述べている。

博士は、各国政府に対し、行動を起こすよう強く要請すると同時に、温室効果ガスの排出抑制技術はすでに生み出されていると指摘している。
冒頭の「コペンハーゲン気候評議会」の説明は以下のページを参考にした。
http://www.copenhagenclimatecouncil.com/about-us.html
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石田ふたみ