2008年11月10日(月) |
金融危機:実態経済はどうなるか |
米国発:金融危機が実体経済にどれだけの影響を与えるかは誰にも分からない。どの程度のマイナス現象を撒き散らしつつ回復に向かうのか、これも誰も分からないと思う。だだし、推論は成り立つ。米国の1930年代の大恐慌時には失業率が3%から25%に上昇したという。ここまで悪化することは考えられないが、かなり厳しい内容になると思う。
ここで資料のとおり千葉商大大学院教授斎藤精一郎氏の「経済危機に『出口』はあるか――リセッションかデプレッションか、はたまた恐慌か」から想定される予測を引用します。私の印象はB〜Cになるのではないかと思っている。
[A]景気後退シナリオ=確率25%:実質成長率は1年前後0%から小幅マイナス。1年後の09年末か10年初めに底打ちか。金融危機は09年秋頃に収束。
[B]長期不況(最短で3〜5年)シナリオ=確率50%:実質成長率はマイナス1〜3%に転落し、その後しばらく0〜1%の低成長軌道で停滞か。金融機関の整理・清算が2年は続き、大型企業倒産も起こるから、下方圧力が強い。米失業率は8〜10%前後と高止まる。90年代から00年初めにかけての日本の「失われた10年」における長期的な低成長(実質成長率1%前後)に近いパターン。
[C]大不況シナリオ=確率15%:マイナス3〜5%の実質成長率が2年前後持続。戦後初めての「不況」となる。米失業率は2けた台に上昇し、金融機関、企業の倒産が急増。
[D]恐慌シナリオ=確率10%:実質国内総生産(GDP)は2〜3割ダウン。株価は暴落し、ダウは5000ドル割れ。物価も大幅下落で戦後初めての世界的なデフレ現象に。
資料 世界金融・経済危機に『出口』はあるか――リセッションかデプレッションか、はたまた恐慌か」 千葉商大大学院 教授斎藤 精一郎氏 http://ameblo.jp/syougai3/
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