2008年10月16日(木) |
日本の流通業者の基本的な考え方は? |
日本の流通業者は、国民の食の安全より、企業の利益を優先する考え方に支配されているのだろうか。
10月7日名古屋で中国製あんを食べた男性がめまいに襲われた。10月15日茨城でも中国製あんを食べた女性が手に異常が起こったという報道がある。いずれも猛毒物質トルエンが検出されている。石油化学工業協会の資料からトルエンの猛毒ぶりを以下に引用した。
1、<中国製あん>茨城でもトルエンなど検出 女性が手に異常 毎日新聞 2、<トルエン>中国製あんから検出 食べた男性めまい 名古屋 毎日新聞 3、化学物質 トルエンについて 石油化学工業協会
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食品輸入販売会社「マルワ食品」(静岡県磐田市)が中国から輸入したつぶあんから有害物質のトルエンなどが検出された問題で、茨城県は15日、県内で販売された同じ商品から微量のトルエンと酢酸エチルを検出したと発表した。このつぶあんを9月中旬に食べた同県常総市の40代の女性が、手に力が入らなくなるなどの異常を訴えたが、その後、症状は治まったという。
このつぶあんは今年9月、名古屋市中川区の男性が食べてめまいを起こし、中川保健所がトルエンと酢酸エチルを検出した商品と同一。
県によると、女性は9月中旬に同県かすみがうら市内のスーパーで、1キロ入りのつぶあんを購入。2口食べた後、手に力が入らなくなった。その後、同じ商品からトルエンが検出された報道を知り、今月8日に常総保健所へ届け出た。県が女性宅に残っていたあんを調べたところ、トルエン0.018ppm、酢酸エチル0.35ppmが検出された。
商品の賞味期限は2009年と表示され、月日は印字が消えていた。女性は10月初旬に受診したが、以前から手がしびれるなどの症状があったといい、あんと症状との因果関係は、はっきりしない。同じあんを食べた夫は症状を訴えていない。【八田浩輔】
―――――――――――――――――――――――――――――――――― 3、<トルエン>中国製あんから検出 食べた男性めまい 名古屋 10月7日15時0分配信 毎日新聞
トルエン混入が発覚して撤去された「つぶあん」=名古屋市中川区で2008年10月7日正午、中村かさね撮影(一部画像を加工しています) 名古屋市中川区のスーパーで9月、袋詰めのつぶあんを買って食べた同区内の男性がめまいを起こし、気分が悪くなったと中川保健所に訴えた。保健所が残っていたあんを調べ、今月2日に有害物質のトルエンと酢酸エチルを検出した。あんは静岡県の会社が輸入した中国製で、市は同県を通じてこの会社から商品の輸入時期や流通経路を聴くとともに、農薬などがあんに混入していなかったかどうかも調べている。
市によると、男性宅に残っていたあんからは、トルエン0.008ppm、酢酸エチル0.16ppmが検出された。また、近くのスーパーで売られていたあんからもトルエン0.008〜0.010ppm、酢酸エチル0.11ppm〜0.28ppmが検出された。食べた男性はつぶあんの袋をすぐに捨てたため、どこのスーパーで買ったかは不明だが、同店で購入した可能性が高い。
男性は9月25日に保健所に苦情を訴え、入院はせずに回復した。市食品衛生課は検出された物質の量について「微量でただちに命にかかわることはない」としている。
つぶあんは中国製で、静岡県磐田市の食品輸入販売「マルワ食品」が輸入。1キロの袋詰めで売られていた。賞味期限は来年4月。
同社によると、つぶあんは静岡県を中心に全国のスーパーなどに販売。1キロ入りと350グラム入りの袋詰め商品があり、1キロ入りの場合だと、12袋入った商品の箱を月に500〜600個出荷している。つぶあんのほかにこしあん、漬物類も中国から輸入している。
同社には7日午前、保健所からトルエンなどの検出の連絡があったといい「詳細は把握していない。どこで混入したか分からないので、輸入元は言えない」と話した。
トルエンは、一連の中国冷凍ギョーザによる中毒事件でも検出されており、ギョーザに混入していた殺虫剤「ジクロルボス」「メタミドホス」の溶剤として使用されていた。また酢酸エチルは、毒劇物取締法で劇物に指定されている。
◇食品含有あり得ぬ
吉田武美昭和大教授(毒物学)の話 トルエンも酢酸エチルも検出された量では、口から入った場合には普通は健康に影響はない。大量に摂取すれば頭がふらふらする症状が出ることはある。両方とも水に溶けにくいものを溶かすために使う薬剤で、農薬や工業用に使われることが多く、食品に含まれていることはない。
中国製あん:静岡の輸入会社が回収へ トルエン検出で つぶあんを輸入した静岡県磐田市の「マルワ食品」によると、トルエンなどが検出された製品と同じロットの製品を全国の小売店向けに1000ケース(1ケースに1キロ袋12個入り)出荷した。同社はこれらを含め、市場に残っているつぶあんすべてを自主回収する予定という。 製造元の中国・河北省の「廊坊淘楽雅食品有限公司」からは、つぶあん、こしあんを毎月約20トン輸入。品質維持のための国際規格であるISO9000、HACCPなどを取得し、工程管理がしっかりしていることなどを確認できたため、約2年前に取引を始めた。マルワ食品の竹内荘総務部長は「袋も現地で製造しており、どこで混入したのか分からない」と話した。【瀬上順敬】 毎日新聞 2008年10月8日 1時16分 4、化学物質 トルエンについて 石油化学工業協会 _________ 1.製品の名称 トルエン 石油化学工業協会 整理番号:No.07 作成 1983年5月18日 改訂 2000年5月31日 ________________________________________ 2.組成、成分情報 化学名 : トルエン (別名:トリオール、メチルベンゼン) 含有量 : 99%以上 化学式 : C6H5CH3 (分子量 92.14) 官報公示整理番号 : 化審法・安衛法 (3)−2 CAS No. : 108−88−3 ________________________________________ 3.危険・有害性の要約 分類の名称 :引火性液体、急性毒性物質 有害性 : 眼、皮膚及び気道に刺激性がある。 中枢神経に抑制作用がある。 高濃度長期吸入暴露では中枢神経系の機能障害、脳の萎縮、腎障害などが生じる。 IARCの発がん性物質区分でグループ3「ヒトに対して発がん性に対して分類できない物質」 に分類されている。 環境影響 : 生分解性良好 危険性 : 蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある。遠距離引火の可能性がある。 流動、攪拌などにより静電気が発生することがある。 強酸化剤と激しく反応し、火災および爆発の危険をもたらす。 ________________________________________ 4.応急措置 吸入した場合 : 被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させる。 体を毛布などで覆い、保温して安静に保つ。 呼吸が止まっている場合及び呼吸が弱い場合は、衣類を緩め呼吸気道を確保した上で人工呼吸を行う。 意識はないが呼吸している場合、又は意識はあるが呼吸困難な場合は酸素吸入が有効である。医師の指導の下に行うのが望ましい。医師の指示なしに酸素以外の投薬をしたり、被災者に口からものを与えてはならない。ただちに医師の手当てを受ける。 皮膚に付着した場合 : 汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。必要であれば衣服等を切断する。 水または微温湯を流しながら洗浄する。 石けんを用いてよく洗い落とす。 外観に変化が見られたり、痛みが続く場合はただちに医師の手当を受ける。 目に入った場合 : コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り、取り除いて洗浄する。 最低15分間洗浄した後、直ちに眼科医の手当てを受ける。 洗眼の際、まぶたを指でよく開いて、眼球、まぶたの隅々まで水がよく行き渡るように洗浄する。 飲み込んだ場合 : 吐かせようとしてはならない。 揮発性の液体なので吐き出させるとかえって危険性が増す。水で良く口の中を洗わせる。口から何も与えてはならない。嘔吐が自然に起こったときは、気管への吸入が起きないように身体を傾斜させる。保温して速やかに医師の手当てを受ける。
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