『日々の映像』

2008年09月14日(日)  汚染米拡大 元凶は農水省である

 農薬などで汚染された「事故米」またも信じがたい事実が明らかになった。私はこの問題の直後から農林省が市場に流した事故米の数量は・・・ との設題を持ち何十万トン流したのか・・・と何回も書いた。 書き始めるときりがないので、昨日の日記の書き込みでの内容を掲載させていただくことで今日の日記としたい。足りないところは、書き込みで補足いたします。もはや、この問題は米卸売加工会社「三笠フーズ」の問題でなく農水省が引き起こした問題である。
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ウルトラセブンさん
私はこの問題の直後から農林省が市場に流した事故米の数量は・・・
との設題を持ち何十万トン流したのか・・・と書きました。

私の予想の10倍を超えた数量で愕然です。
以下の報道〔原文のままです)によりますと 「三笠フーズは04年2月〜08年8月、約1779万トンを買い受け約12社に転売した」
この新聞に記事は誤りか、1779万トンです。信じられない数字です

1年  355万トン
5年で 1779万トン
です。まだ信じられません。これほどの量であれば、米菓・お酒の他、 ファミリー・テストラン・味噌・お醤油まで事故米が使われていることが考えられます。

事故米転売:福徳長酒類社長「国は管理強化を」
                    2008年9月13日  毎日新聞
 
三笠フーズによる事故米の転売問題を巡り芋焼酎の自主回収を始めた酒造会社「福徳長酒類」(東京都中央区)の酒井憲之社長は12日、都内で記者会見を開き「ご迷惑をおかけしました」と謝罪した。一方で、ミニマム・アクセス(最低輸入義務)枠に基づき国が輸入した米が事故米のもとになっていることから「事故米を野放図に(放置)していたのではないか。国は管理を強化、徹底すべきだ」と批判した。
 国は中国、ベトナムなどから米を購入。カビや殺虫剤などに汚染された事故米が発生すると非食用として売却する。三笠フーズは04年2月〜08年8月、約1779万トンを買い受け約12社に転売した。
 ・・・以下省略・・・
 ここまでが書き込み


事故米転売:竹新製菓が9万袋自主回収
                     2008年9月13日  毎日新聞
事故米転売:保育園などの給食からメタミドホス検出 京都
                      2008年9月13日 毎日新聞
事故米転売:福徳長酒類社長「国は管理強化を」
                     2008年9月13日  毎日新聞
事故米転売:発覚後も「国産」の虚偽証明書…三笠関連会社
                     2008年9月12日  毎日新聞
事故米転売:虚偽表示容疑で2社を告発…農水省
                      2008年9月13日 毎日新聞
汚染米問題―農水省に任せておけぬ
                    2008年9月13日 朝日新聞社説
汚染米拡大 元凶は農水省ではないか
                    2008年9月13日 新潟日報社説

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事故米転売:竹新製菓が9万袋自主回収
                   2008年9月13日  毎日新聞
 事故米を使ってあられを製造していた愛知県知多市の菓子製造会社「竹新製菓」は12日、新たに「おつまみみっくす」「菓ノ香千舞」など8商品の回収も始めた。一方、愛知県は同日、食品衛生法に基づく立ち入り調査をし、県衛生研究所であられの分析に入った。
 回収するのは、このほか▽菓ノ香千舞おかき▽菓ノ香三色小粒▽さざ波▽和や菓千舞おかき▽三色小粒▽三色小粒サラダ。これで同社の自主回収は11商品、約9万袋になる。
 同社の新美範恭副社長(54)によると、問題となった米は三重県四日市市の米穀販売「ノノガキ穀販」から「北海道や九州で集めたくず米がある」と持ちかけられ、1年半前から今年3月まで購入を続けた。餅米を精米した白米のくずとして1キロ100〜150円で仕入れたといい、新美匡之社長(74)は12日夜、記者会見し「昨日の朝、事故米と判明し自主回収を決定した。残念で恥ずかしい」と話した。
 一方、愛知県は竹新製菓への立ち入りで、あられの製造数や流通経路、在庫数などを調査。11日夜には農林水産省も職員を派遣し、ノノガキ穀販との取引量や伝票類を調べた。県は伝票などからノノガキ穀販との取引の詳細を調べる。
 岐阜農政事務所も12日、岐阜県内の米穀取扱業者に任意の立ち入り調査を実施、岐阜県も県内での流通ルートの解明を始めた。
 また、三重農政事務所の調査の結果、ノノガキ穀販が事故米を販売した12業者のうち1業者が四日市市にあり、すでに県外に転売していたことが分かった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事故米転売:保育園などの給食からメタミドホス検出 京都
                 2008年9月13日 毎日新聞
 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米転売問題で、京都市は12日までに殺虫剤・メタミドホスに汚染されたとみられる餅精米が流通していた市内の高齢者施設や医療施設など10施設を立ち入り検査し、このうち保育園と老人保健施設の計2カ所に残っていた給食用の米から、食品衛生法の基準(0.01ppm以下)の2倍にあたる0.02ppmのメタミドホスを検出した。
 一連の問題で、流通の消費段階にあった米から基準値以上が検出されたのは初めて。市は「この米を使った食品を食べても、健康への影響はない」としている。
 市は福岡県や大阪府からの連絡を受け、10日に立ち入り検査を実施し、10施設のうち4施設で汚染米が残っているのを確認した。
 3施設で抜き取り検査をしたところ、「上賀茂保育園」(京都市北区)と介護老人保健施設「洛和ヴィライリオス」(同市中京区)にあった米からそれぞれ0.02ppmのメタミドホスを検出した。残る1施設の米からは検出されなかった。
 市内の10施設はいずれも堺市の食品卸業者「大和商会」から汚染米を仕入れており、同保育園は07年12月〜今年8月に計13キロを、同施設では今年5〜8月に計10キロを購入した。保育園は07年12月〜今年9月に4回、同施設も今年6〜9月に赤飯などの材料に使っていた。
 同保育園では12日午後7時半から、緊急の保護者会を開催。池田岩太園長は「安全な食品が確実に届く仕組みにしてほしい」と話している。同施設を運営する法人の松田義史・経営管理部主席課長は「どうチェックしていいか分からない」と困惑していた。【武井澄人、小川信】

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事故米転売:福徳長酒類社長「国は管理強化を」
                    2008年9月13日  毎日新聞
 三笠フーズによる事故米の転売問題を巡り芋焼酎の自主回収を始めた酒造会社「福徳長酒類」(東京都中央区)の酒井憲之社長は12日、都内で記者会見を開き「ご迷惑をおかけしました」と謝罪した。一方で、ミニマム・アクセス(最低輸入義務)枠に基づき国が輸入した米が事故米のもとになっていることから「事故米を野放図に(放置)していたのではないか。国は管理を強化、徹底すべきだ」と批判した。
 国は中国、ベトナムなどから米を購入。カビや殺虫剤などに汚染された事故米が発生すると非食用として売却する。三笠フーズは04年2月〜08年8月、約1779万トンを買い受け約12社に転売した。
 酒井社長は「信用していたので、どこから仕入れた米かチェックしていなかった」と問題があったことを認めた。今後有害物の有無を調べる検査を検討するとし、国について「非常に怖いものを野放図にしていたのではないか。極論だがそう思えて仕方がない。もう少し厳しい検査をしてほしい」と語った。
 福徳長酒類は12日、6商品約8万本の自主回収を発表した。三笠フーズが転売した事故米が、仲介業者を経て西酒造(鹿児島県)に渡り、西酒造が事故米を原料に原酒を製造。福徳長酒類が自社の原酒とブレンドして製品化していた。西酒造も自社生産の芋焼酎「薩摩宝山」を自主回収し、西酒造から原酒を購入したアサヒビールも「かのか」など9商品を自主回収中。【林哲平】
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事故米転売:発覚後も「国産」の虚偽証明書…三笠関連会社
                     2008年9月12日  毎日新聞
 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米転売問題で、関連会社の米穀卸売会社「辰之巳」(東京都中央区)が問題発覚後も、汚染米販売先の焼酎メーカー「美少年酒造」(熊本県城南町)に対し、「国産米100%」という虚偽の産地証明書を送っていたことが分かった。辰之巳は食用米の卸業務に実績があることから、三笠フーズが、信頼できる取引を装うため辰之巳を流通過程に関与させる一方、辰之巳の名を使って虚偽の文書を流すことで隠ぺいを図ろうとしていたとみられる。
 辰之巳の社員は約10人。社長は、三笠フーズの冬木三男社長で、民間調査会社によると、三笠フーズ社員の大半が辰之巳からの出向社員であるなど、両社の関係は極めて強い。
 農水省などによると、三笠フーズが出荷した米のうち、辰之巳は、殺虫剤「アセタミプリド」とカビ毒「アフラトキシン」に汚染された米の流通に関与。殺虫剤汚染米は辰之巳を経て美少年酒造に販売された。問題発覚後、美少年酒造は辰之巳に対して産地証明書の発行を要求。辰之巳はこれに応じ、今月8日、産地証明書を送ったが、「国産米100%」と記されていたという。その際、「事故米は一切入っていない」と美少年酒造に伝えたという。
 美少年酒造に販売したのはベトナム産うるち米だったが、三笠フーズは「国産米」と偽って販売していた。また、書類上は辰之巳が販売したことになっているが、実際は三笠フーズの九州工場(福岡県筑前町)から直接運ばれていたという。
 美少年酒造の緒方直明社長は「『国産米を』とお願いしていたのに、外国産の事故米だった。怒りを覚えている。損害賠償請求や刑事告訴についても弁護士と相談する」と話している。【一色昭宏、根本毅、宮地佳那子】
英訳
毎日新聞 2008年9月12日 15時00分(最終更新 9月12日 20時55分)
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事故米転売:虚偽表示容疑で2社を告発…農水省
                    2008年9月13日 毎日新聞
 農林水産省は11日、外国産の汚染米を国産として販売したとして、三笠フーズなど2社を不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで熊本県警に告発し、受理された。農水省の調べでは、三笠フーズは汚染米を、熊本県城南町の酒造会社「美少年酒造」や焼酎メーカー2社に販売したことが明らかになっている。【奥山智己、稲垣淳】
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汚染米問題―農水省に任せておけぬ
                  2008年9月13日 朝日新聞社説
 農薬などで汚染された「事故米」の影響は、いったいどこまで広がっていくのか。またも信じがたい事実が明らかになった。
 工業用ののりなどにしか使えないはずの汚染米が、あろうことか、赤飯やおこわになって、病院や特別養護老人ホーム、保育園の給食として出されていたというのだ。焼酎や日本酒、菓子にとどまらず、多くの人の口に直接入っていたことになる。
 保育園などでは、残っていた米から基準を超える農薬成分が検出された。
 不正の被害は、日ごとに拡大するばかりだ。流通先は数多く、騒動の発端となった「三笠フーズ」のほかに、新たに2社が汚染米を転用していた。仕入れた酒や菓子のメーカーは全国の店に並ぶ製品の回収に追われている。
 安全な食べ物を売るという当たり前の商道徳は、なぜこれほど失われてしまったのか。「食の安全が保たれていない」などと、よその国を批判できる状況ではあるまい。
 それにしては、農林水産省の対応は危機感が薄すぎる。
 農水省は汚染米が流通した業者名の公表に積極的ではない。公表について同意が得られなかった業者名は、原則として発表していない。患者や職員らが米を食べてしまった病院名などについても、口をつぐんでいる。食品の安全衛生にかかわることは厚生労働省の管轄であり、農水省には権限がない、というのだ。
 業者が被る影響を考えてのことかもしれないが、どこまで流通したかがわからなければ、消費者はいっそう不安になる。それは結果的に業界をさらに追いつめることを忘れてはいけない。
 そもそも、汚染米の転用を招いた責任は農水省にもある。
 転用された汚染米の大半は、農水省が業者に売り渡した輸入米だ。保管中にカビが生えたり農薬成分が検出されたりしたものだが、それを「工業用」として買い取ってくれる業者は農水省にとってありがたい存在だった。
 農水省は汚染米を扱う業者の不正を見抜けなかった。その背景には、業者とのなれ合いがあったのではないか。そう勘ぐりたくもなる。
 福田首相は太田農水相に流通経路の解明などを指示した。しかし、もはや当事者の農水省だけに任せてはおけない。政府は野田消費者行政担当相のもとに情報を集約し、厚労省や自治体などとも十分連携しながら事件の全容解明に総力を挙げるべきだ。
 福田首相が政権を投げ出したからといって、政府が休業状態であっていいわけがない。まだ健康被害が報告されていないとはいえ、ことは国民の安全にかかわる。流通経路の解明と再発防止の対策づくりを急ぎ、一日も早く混乱を収めてもらいたい。

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汚染米拡大 元凶は農水省ではないか
                  2008年9月13日 新潟日報社説
 食の安全を最優先にすべき役所がこのありさまでどうするのか。農水省の危機管理能力の欠如は目を覆うばかりである。
 米粉加工販売会社「三笠フーズ」が農薬やカビ毒に汚染された事故米を「食用」として不正転売していたのが発覚、焼酎や菓子、病院の給食にまでも広く使われていた実態が明らかになった。
 ところが、太田誠一農相は「汚染米は人体に影響はないことは自信もって申し上げられる。だから、じたばた騒いでない」と発言する始末だ。消費者感情がまるで分かっていない。
 問題のコメの大半は政府がミニマムアクセス(最低輸入量)米として、中国やベトナムなどから輸入したものだ。太田農相は汚染が見つかったミニマムアクセス米は今後、輸出国に返品する方針を示した。
 当然の措置である。そもそも汚染米を受け入れてきたのがおかしい。食用にならないコメをなぜ輸入したのか。
 汚染米の返品や焼却には費用がかかる。「工業用として業者に販売すればいい」。残留農薬の検査は強化してきた農水省だが、汚染米の処分方法については対策が不十分だったと言っても過言ではあるまい。
 汚染米は工業用のりなど使途が限定されるため、買い手が見つかりづらい。大量の引き受け先である三笠フーズは、農水省にとって「渡りに船」のような存在だったろう。
 しかし、チェック機能が全く働かなかった。農水省職員が過去数年にわたり、三笠フーズに立ち入りを百回近く行っても、不正を見抜けなかった。
 業者に事前通告して行う検査では、そうなるのも無理はない。不正はないと決めてかかった手抜き検査と言わねばならない。大量の購入先だからこそ、監視の目を厳しくすべきだった。
 発覚後の対応もお粗末すぎる。農水省は「無用の混乱を招く」として、転売先の業者名や商品名などの公表を渋った。「情報隠し」のせいで酒造会社など食品業界には風評被害が広がった。「無用の混乱」を招いたのは農水省自身である。
 消費者重視をうたう福田康夫首相の指導力もまるでない。事件発覚一週間後にようやく事実関係の全容解明と公表を太田農相に指示するありさまだ。辞任を表明しても首相は首相だ。責任感まで投げ出されては困る。
 今回の事件で明らかになったのは、業者の悪質さばかりではない。食の安心、安全を国には任せておけないという危機的状況である。
 消費者の信頼を裏切った農水省には、猛省を求めたい。同時に消費者庁を早急に設置し、食の安心を回復するよう国は全力を挙げるべきだ。

[新潟日報9月13日(土)]

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石田ふたみ