『日々の映像』

2008年09月09日(火)  何万トン、何十万トン万トンの事故米を市場に流したのですか

汚染米に関連して、何点か感じたことを記述したい。
1、農水省がなぜ事故米の売り渡し先を16社に限定しているのか。ここに問題の根幹があると思う。
2、事故米は食用以外に用途が限定されているのであれば、のりなどを作る会社に限定して売り渡せばよいのである。なぜ、仲買を使うのか。食用以外に用途の何千トンもの米を使うはずがない。
3、農水省は転売されることを分かっていたはずである。
4、農水省は、緊急点検では決められた用途が守られているかどうかなどについて厳密にチェックする方針といっているが、当事者のチェックなど意味を成さない。詐欺として検察の仕事になるのではないか。
5、カビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」を食用に転売していた問題で
農林水産省に昨年、転売に関する情報が寄せられていたという。約1年かけてどうするか検討していたのだろう。
6、2酒造「怒り心頭」といっているが、異常な安さに疑いを持つべきである。
升瓶換算で約30万本を回収、被害額は3億−4億円という。
7、その間に国民は事故米を食べさせられた。
8、農水省は03年以降を調べるといっているが、情報の核心は何も公表していない。
「農水省は03年以降何万トン、何十万トンの事故米を市場に流したのですか」
 「国内産のカドミウム汚染米はどのように処理しているのですか」
自分たちが不利になる情報は隠し続けるだろう。国民の健康より農水省の組織を守ることが優先されるのである。
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商社2社からも事故米743トンを購入、三笠フーズ
                      2008年9月8日 朝日新聞
工業用汚染米を食用に偽装 三笠フーズ、袋詰め替え
                      2008年9月8日中日新聞
殺虫剤検出の事故米350トン、全量食用に転用 三笠フーズ
                      2008年9月8日 日経
事故米購入16社を一斉緊急点検へ 農水省
                      2008年9月9日 共同通信
三笠フーズの事故米問題、転売情報を昨年に把握 農水省
                      2008年9月9日 日経
2酒造「怒り心頭」!!政府の管理方法、批判〜汚染米転売 
                       2008年9月9日 読売新聞
【事故米不正転売】商社の汚染米も転売 三笠フーズ焼酎5社を公表  
                       2008.9.9  産経新聞


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商社2社からも事故米743トンを購入、三笠フーズ
2008年9月8日 朝日新聞
 工業用に限定された事故米を食用に転用していた三笠フーズ(大阪市北区)が、商社2社からも残留農薬の基準値を超えたりカビが生えたりして事故米となった米計743トンを購入していたことが農林水産省の調べで新たにわかった。これまでに同社は政府から事故米計1779トンを購入したことが判明していたが、食用転用された事故米はさらに増えた。
 農水省によると、商社ルートの事故米も政府が入札を実施するミニマムアクセス(MA)米。落札した商社が日本へ輸入したものの、食品衛生法の基準値を超える残留農薬が検出されたり、輸送中に水ぬれしたりしたため、政府が買い入れを中止して商社に返品されたもの。商社は汚染の程度に応じて、工業用や飼料用に限定し、食用に流通させないことを条件に売り渡すことになっている。
 農水省の調査で、新たに三笠フーズへの販売が確認されたのは、商社・双日(東京)が06年度にベトナムから輸入後、殺虫剤に使用される農薬成分・アセタミプリド(基準値0.01ppm)の基準値の3倍が検出された事故米598トンと、住友商事(同)が05年度にタイから輸入後にカビの発生で事故米となった145トン。このうち三笠フーズは598トンの一部を福岡、熊本、鹿児島の焼酎メーカーに食用として出荷していた。いずれも「うるち米」で工業用途に限定して売却された。
 商社ルートで売却された事故米は過去5年で約9千トンに上るとみられ、同省は政府調達の輸入米の調達にかかわったことのある二十数社から、事故米を売却したか否か、売却先はどこかについて聞き取りを進めている。同省は、政府が事故米を売却した三笠フーズ以外の16社の点検に加え、商社ルートで事故米を購入した業者についても調べる方針だ。(歌野清一郎)
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工業用汚染米を食用に偽装 三笠フーズ、袋詰め替え
2008年9月8日 中日新聞夕刊
 農薬やカビ毒で汚染されたコメの不正転売問題で、米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の財務担当者は8日、同社の九州事業所で、工業用として販売するはずの汚染米を食用の袋に詰め替える偽装工作をしていたと発表した。三笠フーズの計画的な不正転売を裏付けた。
 財務担当者によると、詰め替えられたのは、農薬メタミドホスに汚染されたもち米。政府から約30キロ入りの袋で購入し、福岡県の九州事業所で1トン入りの袋に詰め替える作業をしていたという。
 帳簿上は、汚染されたもち米約350トンを佐賀県の工業用のり加工会社に販売したことにしながら、実際の取引を示す“裏帳簿”などを調べると、全量が昨年11月ごろから今年8月にかけて複数の仲介会社を経由し、福岡県の食品加工会社に転売されていたという。
 この食品加工会社では8月29日、汚染されたもち米55トンが未開封のまま見つかっている。
 三笠フーズは、のり加工会社がコメを受け取ったことを示す物品受領書も持っていたが、担当者は「(三笠フーズが)名前を勝手に利用したとみられる」と話した。会社名などは明らかにしなかった。
 農林水産省で確認できる2003年度以降の資料によると、三笠フーズが政府から買った事故米は合計約1779トン。このうち、メタミドホスやカビ毒による汚染米は半分近い809・5トンで、食用として福岡県の食品販売会社に転売された約350トンは、販売された汚染米のほぼ全量に当たる。

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殺虫剤検出の事故米350トン、全量食用に転用 三笠フーズ
                        2008年9月8日 日経
 米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)がカビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」を食用に転売していた問題で、殺虫剤「メタミドホス」が検出された出荷済みの事故米約350トン全量を食用に転売していたことが7日、農林水産省の調べで分かった。同社は記録上、工業用のり向けとして出荷。同省はこのうち約50トンを食品加工会社の倉庫で発見した。
 事故米は工業用にしか使えず、食用に転用すると食品衛生法に抵触する可能性がある。農水省は、三笠フーズが2003―08年度に同省から購入した事故米1800トンのほぼ全量を食用に回そうとした疑いがあるとみている。(07:00)
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事故米購入16社を一斉緊急点検へ 農水省
                      2008年9月9日 共同通信
 農薬やカビ毒で汚染された事故米が食用に不正転売された問題で農林水産省は6日、不正が発覚した三笠フーズ(大阪市)以外の事故米の購入業者に対して一斉緊急点検を実施することを決めた。
 点検対象は2003年度以降に事故米を購入した16社。8日以降、各地の農政事務所を通じて調査に入る。事故米は食用以外に用途が限定されており、緊急点検では決められた用途が守られているかどうかなどについて各社の取引経路を追跡し、転売先まで含めて厳密にチェックする方針。
 また、同省は再発防止のため、事故米の販売や流通に関するシステムを見直す意向だ。
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薩摩宝山など焼酎自主回収 汚染米転売
2008年9月9日 中日新聞 朝刊
 「焼酎全体の信用も落ちてしまう。本当に迷惑だ」。三笠フーズによる汚染された事故米の転売問題で、原料として使った可能性があると社名の公表に同意した九州の焼酎メーカー5社は8日、一斉に製品の自主回収や出荷自粛に踏み切った。しかし被害は大きく、「国も汚染米の管理をきちんとしてほしい」と憤りの声が上がった。
 看板商品の一つ「薩摩宝山」の自主回収に踏み切った西酒造(鹿児島県日置市)。回収は一升瓶換算で約30万本で、被害額は3億−4億円という。
 有馬健晃工場長(36)は「電話が鳴りっぱなし。回収し返金すると伝えている」と話したが「通常の加工米に混ぜ込まれた汚染米と知らずに買った」と強調。「農林水産省は管理が甘すぎる」と怒りを隠せなかった。
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三笠フーズの事故米問題、転売情報を昨年に把握 農水省
                        2008年9月9日 日経
 米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)がカビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」を食用に転売していた問題で、農林水産省に昨年、転売に関する情報が寄せられていたことが8日、分かった。農水省は同社側に数度立ち入り調査したものの、同社の転売の事実を確認できなかった。
 白須敏朗事務次官は同日の記者会見で、同省が不正転売を見抜けなかったことについて「監視体制が不十分だった」と認めた。現在は日程を通知した上で実施している立ち入り調査を、抜き打ちに切り替えるなどの対応策を検討する考えを示した。
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2酒造「怒り心頭」!!政府の管理方法、批判〜汚染米転売
(2008年9月9日 読売新聞)
 「全く知らなかった。『そんなばかな』という気持ちだ」。三笠フーズ(大阪市)による工業用の「事故米」の転売問題で、同社のグループ会社から仕入れた米に事故米が混入した可能性があることを公表した県内の焼酎メーカー2社の社長は、8日の記者会見でショックと怒りをあらわにした。
 人吉市で行われた会見には、抜群酒造(多良木町)の西達彦社長と六調子酒造(錦町)の池辺道人社長が臨んだ。
 会見冒頭、池辺社長は「三笠フーズという会社は全く知らず、取引もなかった。怒り心頭だ」と憤った。三笠フーズのグループ会社「辰之巳」との取引の経緯については、「全く面識がなかったが、大手商社から勧められて始めた。商社の仲介がなければ、取引することはなかったのに」と悔やんだ。
 両社の焼酎からは、県の検査でいずれも残留農薬は検出されなかったが、自主回収や販売自粛を余儀なくされた。両社とも、家族や従業員ら数人で地道に酒造りを続けてきた老舗だが、その看板に傷が付きかねない事態に。
 池辺社長は「我々のような中小企業では、自社の検査能力に限界がある。米の流通には、いろんな業者が介在するため、様々なことが起こりうる。再発防止のために、検査機関の整備などを考えてほしい」と行政に要望した。
 西社長は「事故米は、もっと厳重に政府に管理されていると思っていた。流通ルートに構造的な欠陥があったのではないか」と指摘し、行政の対応を批判した。
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【事故米不正転売】商社の汚染米も転売 三笠フーズ焼酎5社を公表  2008.9.9  産経新聞
 コメ加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の事故米不正転売問題で、同社が、政府から購入した事故米とは別に、大手商社から基準値を超える農薬やカビのため工業用とされた事故米743トンを購入し、一部を食用として転売していたことが8日、農林水産省の調べで分かった。農水省は同日、事故米の転売・流通先となっていた5焼酎メーカーの名前を公表した。
 また、政府から購入した事故米1779トンのうち、カビなどの事故米数百トンについても不正転売していたことも新たに判明。殺虫剤メタミドホスが検出された中国米など434トンの転売とともに、同省が全容解明を進めている。
 同省によると、三笠フーズは、平成17年度に住友商事がタイから輸入したミニマムアクセス米のうち、カビのため政府に引き渡しできなかった145トンを購入。18年度には基準値を超えた殺虫剤アセタミプリドが検出されたベトナム米598トンを、同様に双日から業者を通じて入手した。
 このうち、双日が輸入したベトナム米の一部が焼酎の原料として、熊本県の「抜群酒造」「六調子酒造」と鹿児島県の「喜界島酒造」、非公表の1社に売却され、仲介業者を通じて福岡県の「光酒造」と鹿児島県の「西酒造」にも売却された。喜界島酒造と西酒造は、カビ毒「アフラトキシンB1」が検出された政府の事故米も、三笠フーズから転売を受けていた。
 西酒造は事故米が有名銘柄「薩摩宝山」に混入した可能性が高いとして自主回収を開始、抜群酒造も回収を始めた。六調子酒造と喜界島酒造、光酒造は「出荷前」などとしているが、安全が確認されるまで販売を自粛した。
 農水省は8日、三笠フーズの九州工場(福岡県)を改めて立ち入り調査。また、事故米を購入している住友商事、双日の両社と16業者の一斉点検を始めた。






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石田ふたみ