『日々の映像』

2008年08月02日(土)  平均寿命:23年連続世界一 女性85.99歳、男性79.19歳

厚生労働省は7月31日、昨年の人口統計を基に算出した日本人の平均寿命を発表した。男性が79.19歳、女性が85.99歳で、いずれも過去最長になったという。NPO法人生涯青春の会の活動を通して高齢者と接してきたが、長寿だから幸せということではないと思う。以下の年代別の人口は概略であるが、80代の659万人生活実態こそ重要であると思う。
金子クリニックのホームページ
http://mkaneko.jp/
に次のように書いてある。
「私たちが全国数百ヶ所の保健師、医師や保健所の協力の元に実施してきた痴呆健診によって、以下のようなことが分かってきました。 早期痴呆を含めた年齢群ごとの全痴呆頻度は加齢とともに増加し、50歳代で5%、60歳代で12%、70歳代で30%となり、80歳代で初めて50%を越えます。90歳代ではほぼ75%に達し、そして100歳を越えると97%に達します。」

生涯青春の会の活動を通して「自立できる健康年齢こそ価値がある」ことを痛感している。生涯青春の会で90代の参加者が2人いるが、健康年齢を保つ秘訣「物事に興味を示す人」であることを2人の立ち振る舞いを通して学んだ。

総人口(2005年統計) 約12,000万人
0代  ( 0- 9才)・・・1147 万人
10代 (10-19才)・・・ 1248 万人
20代 (20-29才)・・・ 1587 万人
30代 (30-39才)・・・ 1872 万人
40代 (40-49才)・・・ 1575 万人
50代 (50-59才)・・・ 1922 万人
60代 (60-69才)・・・ 1557 万人
70代 (70-79才)・・・ 1207 万人
80代以上(80-) ・・・  659 万人

平均寿命:23年連続世界一 女性85.99歳、男性79.19歳
                   毎日新聞 2008年8月1日 東京朝刊
第1回 昔の「老い」、今の「老い」
                              長沼行太郎
ご長寿の街ランキング1位発表
                        2008年4月25日 読売新聞
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平均寿命:23年連続世界一 女性85.99歳、男性79.19歳
  毎日新聞 2008年8月1日 東京朝刊

厚生労働省は31日、昨年の人口統計を基に算出した日本人の平均寿命を発表した。男性が79・19歳、女性が85・99歳で、いずれも過去最長。女性が2位の香港に0・59年差をつけ23年連続1位。男性はアイスランド、香港に次いで3位。男性が昨年より一つ順位を下げたが、長寿国を改めて示した。
 平均寿命は、現在の0歳児が何歳で亡くなるかの予測の平均。今回発表は、前年比で男性が0・19年、女性が0・18年延びた。ただ、延び幅は男性が0・25年、女性が0・11年縮小。0歳児の半数が生きると期待される年数(寿命中位数)では、男性82・11年、女性88・77年となった。
 一方、0歳児の将来の死亡原因としては、がんが最も高い。男性は30%、女性は21%が、がんで死亡する計算だ。心疾患と脳血管疾患を含む「3大死因」は男女とも50%を超え、医療の進歩でこれらの疾患が完全に治療できるようになると、平均寿命は男性が8・25年、女性が7・12年延びると推計している。厚労省人口動態・保健統計課は「3大疾患の治療が進歩していることが、寿命の順調な延びにつながった」と分析している。【夫彰子】
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 ◆平均寿命の長い国・地域(カッコ内数字は順位)
 <男性>
(1)アイスランド  79.4歳
(2)香港      79.3
<3>日本      79.19
(4)スイス     79.1
(5)オーストラリア 78.5
   イスラエル   〃
 <女性>
<1>日本    85.99
(2)香港     85.4
(3)フランス   84.1
(4)スイス    84.0
(5)イタリア   83.72
毎日新聞 2008年8月1日 東京朝刊

第1回 昔の「老い」、今の「老い」
長沼行太郎

人類史上に例のない超高齢化社会を迎えつつある日本。長沼行太郎さんは『嫌老社会』(ソフトバンククリエイティブ刊)で「モデルなき時代の老い」を考察した。急激に長くなった老後をどうとらえればいいのか、見えてきた問題点は何か、長沼さんに聞いた。
◇   ◇   ◇
 残っている記録から見ると、日本の前近代の社会では、65歳以上の長寿者が全人口に占める割合は2〜5%程度だったと推測されます。今から見ればとても少なかったわけです。
 さらに、伝統を重んじる社会では、長寿者の豊かな知識・経験は社会的にも有用なものでした。人数が少ない上、貴重な知恵を持っていた長寿者は共同体や家族の中で敬意を払われ、一定の社会的地位を得て、安定した老後を送れたようです。現代の小説・漫画・映像作品にも描かれる老賢者のイメージですね。
 それに対して、平均寿命が著しく伸びた現在の日本では、65歳以上の人口が20%を超えています。この人口構成の違いは「老い」の置かれた状況をまったく変えてしまいました。
 一方では近年、きんさん・ぎんさんや、三浦雄一郎さんの父でスキーヤーの三浦敬三さんなど、歳をとることを忘れたかのようなアクティブシニアの活躍に注目が集まり、人生のセカンドステージにおける「新たな自己実現」の可能性が実感されるようになりました。これは現代の「老い」の明るい面であり、人類が達成した成果と言えます。
 ところが、こうした平均寿命の伸びは一方で「認知症の増大」という陰の面も持っています。医学の進歩によって脳卒中、心臓病、がんなどの「死に至る病」が徐々に克服されてきた結果、これらの病気を免れて高齢化した人々が認知症に直面すると予想されるからです。クリエイティブなセカンドステージの後に、国の財源を揺さぶり、個人のアイデンティティーを揺るがすような問題が控えている。これが現代の「老い」の特徴と言えるでしょう。

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ご長寿の街ランキング1位発表
2008年4月25日 読売新聞
男性・横浜市青葉区 女性・沖縄県北中城村
 厚生労働省は24日、全国の市区町村別の平均寿命(2005年)を公表した。
 男性が最も長生きなのは横浜市青葉区(81・7歳)で、女性は沖縄県北中城(きたなかぐすく)村(89・3歳)。最も短いのは男性が大阪市西成区(73・1歳)で、女性が東京都奥多摩町(82・8歳)だった。同省が市区町村別の平均寿命を発表するのは2003年以来5年ぶりで2回目。04年〜06年の死亡数や05年の国勢調査の人口などをもとに算出した。
厚労省が発表した市区町村別平均寿命
(上位5位)
男 性           女 性
1 横浜市青葉区 81.7 沖縄県北中城 89.3
2 川崎市麻生区 81.7 兵庫県猪名川町 88.7
3 東京都三鷹市 81.4 長野県高森町 88.5
4 東京都国分寺市 81.4 沖縄県豊見城市 88.5
5 東京都練馬区 81.2 沖縄県南城市 88.3
(下位5位)
男 性               女 性
1 大阪市西成区  73.1 東京都奥多摩町 82.8
2 青森県板柳町  75.2 青森県大鰐町 83.1
3 青森県鰺ヶ沢町  75.2 東京都日の出町 83.3
4 青森県五所川原市 75.5 大阪市西成区 83.3
5 福岡県大任町  75.5 北海道浦河   83.5









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石田ふたみ