『日々の映像』

2008年08月01日(金)  新型鳥インフルエンザが大流行したら…未曾有の事態

 厚生労働省は7月29日、新型インフルエンザが国内で大流行した場合に想定される社会への影響をまとめ初公表した。報道は以下の通りであるが、要点を箇条書きで引用したい。

1、経済活動を支える企業の従業員の欠勤率が40%に達すると、医薬品・病床数の不足や停電、銀行の現金自動預け払い機(ATM)が一時停止するなど様々な分野に支障がでる。
2、企業活動への影響が最も大きく、電気、ガソリンなど一時供給停止、輸入の停止や原材料・物資の供給中断、資金調達や決済業務で混乱が生じる。
3、厚労省は、一般企業に対し、感染拡大の抑制の観点から不要不急の事業の自粛を求めると同時に、電気や水道などの社会機能の維持を担う企業には業務継続を要請している。
4、新型インフルエンザが国内で発生した場合、最大で3200万人が発症、64万人が死亡する可能性があるとされている。
5、現金を引き出そうとする市民が増加した結果、ATMへの現金流通が滞り、サービスが一時的に停止する可能性を指摘している
6、企業に対しては、「4B」の段階で(1)不要不急の業務を一時停止する(2) 対面による会議を避け、出来るだけ電話会議やビデオ会議を利用する(3)ラッシュ時の通勤を避け、時差通勤や在宅勤務を推進する、ことなどを求めている。
7、不特定多数が集まる場所を提供する事業者については、自治体などが事業の自粛を求めていく、としている。それでも事業を展開する場合は、「従業員や利用客などが常に2メートル以上の距離にあり、互いの接触・接近が防止される」ことを求めており、事実上、飲食店やイベント会場は「がら空き」ということになりそうだ。
7、ガイドラインは7月30日には専門家会議で検討され、一般からの意見を募集した上で、9月をめどに正式決定される見通しだ。

・インフル、もし大流行したら…厚労省想定 社員の4割欠勤・病院業務中断も
2008年7月30日 読売新聞
・食料品が消え、ATMから現金が出ない 新型「風邪」で起きる未曾有の事態
2008/7/30 
・新型インフルエンザ:県が対策本部 11月に対策総合訓練も /島根
                 毎日新聞 2008年7月30日 
・新型インフル、被害試算上積みへ 厚労省、タミフル備蓄拡大
         いきいき健康

http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080801

・ 世界保健機関(WHO)のパンデミックインフルエンザ警報フェーズ
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/05pandemic/0511phase.html

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インフル、もし大流行したら…厚労省想定
2008年7月30日 読売新聞
 厚生労働省は29日、新型インフルエンザが国内で大流行した場合に想定される社会への影響をまとめ、初公表した。

 経済活動を支える企業の従業員の欠勤率が40%に達すると、医薬品・病床数の不足や停電、銀行の現金自動預け払い機(ATM)が一時停止するなど様々な分野に支障がでる可能性を示した。

 今回の想定案の提示は、社会機能の維持を担う企業などが、新型インフル対策を策定する際に参考にしてもらうのが狙い。想定と合わせて国の企業向け行動指針の改定案も示した。

 想定は、社会、経済の影響に加え、それを受け事業者に期待される対応も記述。従業員の欠勤率などは英米の対策にならい、人的な被害は、昨年10月に改定した国の新型インフルエンザ対策行動計画に記載された発症率(25%)や致死率(最大2%)などをもとにした。

 想定によると、海外からウイルスが日本に侵入するまで2〜4週間程度かかると設定。従業員が、自身の感染、あるいは家族の看病で欠勤する割合は、大流行時に最大40%に及び、欠勤日数は10日間程度と試算。その場合、企業活動への影響が最も大きく、電気、ガソリンなど一時供給停止、輸入の停止や原材料・物資の供給中断、資金調達や決済業務で混乱が生じるとした。

 想定は、〈1〉国外発生時〈2〉国内発生時〈3〉大規模な集団発生〈4〉大流行〈5〉流行後の小康状態――の5段階で、社会への影響を公共交通、医療サービスなど11分野に分けて例示した。

 厚労省は、一般企業に対し、感染拡大の抑制の観点から不要不急の事業の自粛を求めると同時に、電気や水道などの社会機能の維持を担う企業には業務継続を要請している。

 しかし、具体的な対策を取る企業は1割程度と少ない。厚労省は、早期の行動計画作成を求めている。

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食料品が消え、ATMから現金が出ない 新型「風邪」で起きる未曾有の事態
2008/7/30 http://www.j-cast.com/2008/07/30024346.html

発生すると急速に感染が拡大するとして懸念されている「新型インフルエンザ」に備えて、民間企業が注意すべきポイントなどを盛り込んだガイドラインを厚生労働省がまとめ、公表した。流行時には最大40%の従業員が欠勤することを想定しているほか、買い占めで、食料品や生活必需品の品不足が発生、在宅勤務の増加でインターネットが混雑するなど、かなり具体的な影響にまで踏み込んで記述されている。

会議を避け、電話会議やビデオ会議を利用する
政府の試算では、新型インフルエンザが国内で発生した場合、最大で3200万人が発症、64万人が死亡する可能性があるとされている。厚生労働省では、07年2月に新型インフルエンザ対策のガイドラインを定めたが、今回はこれを改訂。企業が具体的に何をすべきかを盛り込んだ。

 ガイドラインでは、「フェーズ」と呼ばれる、感染の広がり具合に応じて影響を想定。国内で小規模な集団感染が始まるフェーズ「4B」から従業員の欠勤が始まり、より大きな感染が起こる「5B」では約2割が欠勤。さらに、大流行(パンデミック)状態の「6B」では、欠勤者が4割に達することを想定している。

 企業に対しては、「4B」の段階で(1)不要不急の業務を一時停止する(2) 対面による会議を避け、出来るだけ電話会議やビデオ会議を利用する(3)ラッシュ時の通勤を避け、時差通勤や在宅勤務を推進する、ことなどを求めている。

 ガイドラインでは、企業の取り組みだけでなく、日常生活と密接にかかわってくるライフラインにどのような影響があるかについても、具体的に予想している。

 電話やインターネット使用が増加、一時的に通信速度が低下
例えば、公共交通機関については、外出の自粛が進むと考えられていることから、需要が減少。通勤手段は徒歩や自転車、自家用車にシフトすると考えられている。また、外出の自粛や在宅勤務が進むことで、電話やインターネットに対する需要が増加。一時的に通信速度が低下するとみられている。金融の面からみると、現金を引き出そうとする市民が増加した結果、ATMへの現金流通が滞り、サービスが一時的に停止する可能性を指摘している。食料品や生活必需品については、もっと深刻だ。買い占めが進んだ結果、品不足が起こり、価格が上昇する可能性があるのだという。

  また、不特定多数が集まる場所を提供する事業者については、自治体などが事業の自粛を求めていく、としている。それでも事業を展開する場合は、「従業員や利用客などが常に2メートル以上の距離にあり、互いの接触・接近が防止される」ことを求めており、実現するのは難しそうな環境だ。事実上、飲食店やイベント会場は「がら空き」ということになりそうだ。

  行政サービスについては、行政手続やごみ収集などの必要最低限のもの以外は大幅に縮小されるという。

 ガイドラインは7月30日には専門家会議で検討され、一般からの意見を募集した上で、9月をめどに正式決定される見通しだ。

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新型インフルエンザ:県が対策本部 11月に対策総合訓練も /島根
                毎日新聞 2008年7月30日 地方版
流行が懸念される新型インフルエンザ対策を連携して行うため、県は29日、新型インフルエンザ対策推進本部(本部長・溝口善兵衛知事)を設置した。今年11月に対策総合訓練を実施、来年3月に県新型インフルエンザ対策行動計画改定や対策マニュアル作成を完了する予定。
 
新型インフルエンザは鳥から鳥、鳥から人へ感染する高病原性鳥インフルエンザウイルスの突然変異などで発生するとされ、人は免疫がないので大流行の恐れがある。
 
県内では最大約14万5000人が感染、約4000人が死亡すると推計。県は抗ウイルス薬「タミフル」を6万2000人分備蓄、国の確保分などを合わせて14万5000人分を確保した。発熱外来設置など医療体制も考えられている。
 
現在は海外で人への感染が確認されている段階で、人から人への感染が確認された時に危機管理対策本部に移行する。溝口知事は「県民が正しく理解できるような啓発や情報収集できる仕組みが必要」と述べた。【御園生枝里】

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新型インフル、被害試算上積みへ 厚労省、タミフル備蓄拡大
いきいき健康
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2008073004637h1

 厚生労働省は30日、新型インフルエンザ専門家会議を開催した。大流行すれば国民の最大25%が感染するとの政府の被害試算について、「見積もりが低すぎるのではないか」との意見が相次ぎ、上方修正する方向で再検討することになった。同省が企業向けにまとめたガイドラインも承認された。与党が求めている抗インフルエンザ薬「タミフル」などの備蓄量倍増方針も報告され、異論は出ず、事実上決まった。
 政府は新型インフルエンザが大流行した場合、最大で国民の25%にあたる3200万人が感染・発症し、64万人が死亡する可能性があると想定している。ただ、発症率について海外では英国が最大50%、米国が30%と想定している。この日の会合では「(日本の発症率は)40%でもおかしくない。かなり見直す必要がある」と上方修正を求める声も多かった。

 企業向けの事業継続ガイドラインについては、来週にも同省のホームページで公開、パブリックコメント(意見公募)を経て正式決定する。

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石田ふたみ