『日々の映像』

2008年05月15日(木)  四川大地震 断層のズレ250キロ、破壊力「阪神」の30倍

 四川大地震で空前の被害が伝えられている。四川の人口は1億人であると言う。人口1億人の低開発国が大地震でメチャメチャになった形である。確認されているだけで、2万6000人が未だ生埋めになっている。この人たちを掘り起こすだけでも数ヶ月を要すると思う。いやそれ以上かかるかもしれない。

 地震の被害を受けた被災者が1000万人以上に達しているという。生活基盤を失ったこの人たちに、3度の食事と寝る場所を提供するだけでも巨大な事業である。中国はこの大災害を受けた大衆を救済することを最優先させオリンピックは中止すべきだと思う。

 軍や武装警察を12万人にまで増派し、救出作業に全力を挙げている。軍にビルを解体する機械の専門家がいるとは思えず、この道の専門家集団が現地に行く必要がある。ともかく、破壊された道路の復旧だけでも1年以上かかるだろう。

 このような大災害が日本でも起こる可能性がある。中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門調査会」は5月14日、大阪市を南北に縦断する上町断層帯でマグニチュード(M)7.6(四川の地震波7.9)の大地震が起きた場合の被害額は約74兆円との報告をしている。

被災者は1000万人以上、軍のヘリなど9機追加投入
2008年5月15日13時46分読売新聞
四川大地震、道路寸断で救援難航・死者1万4000人超す
2008年5月15日 1:46  日経新聞
四川大地震、断層のズレ250キロ、破壊力「阪神」の30倍
2008年5月14日03時09分 読売新聞
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被災者は1000万人以上、軍のヘリなど90機追加投入
2008年5月15日13時46分読売新聞
 【北京=佐伯聡士】中国国営新華社通信は、同国南西部の四川省で発生した大地震から4日目となる15日、地震の被害が同省の6市・州に及び、直接の被害を受けた被災者が1000万人以上に達したと伝えた。
 政府は同日、被災地で救援活動を加速するため、軍のヘリなど90機を追加投入し、100機超体制とする。同省では14日夕現在、綿陽市や徳陽市を中心に、確認されているだけで約2万6000人がなおも生埋めになっている。被害者の生死の分岐点とされる「72時間」が15日午後2時半(日本時間同3時半)に迫るなか、軍や武装警察を12万人にまで増派し、救出作業に全力を挙げている。

 被災地にはすでにヘリ20機が投入され、食料や医薬品など救援物資の輸送、負傷者の救出などに使ってきた。深刻な被害が出ている被災地の大半が山間部にあることから、温家宝首相が14日深夜、救出作業の加速に向けてヘリの増派が欠かせないと判断したという。
 新華社電によると、四川省北川チャン族自治県の中学校の倒壊現場では14日夜までに、クレーン車が生き埋めになった生徒ら22人の救出に成功した。だが、大型の重機は各地で圧倒的に不足しており、救助作業が難航している。同省青川県では、3階建ての中学校の宿舎が倒壊、270人の死亡が新たに確認されたという。温家宝首相も15日朝、被害が拡大している同県の状況を視察するため、同県が属する広元市に到着した。
 一方、新華社電によると、観光地の九寨溝(きゅうさいこう)に取り残されていた観光客6000人の半数が脱出した。海外の観光客682人を含む2517人も15日中には離れる見通しだという。
(2008年5月15日13時46分 読売新聞)
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四川大地震、道路寸断で救援難航・死者1万4000人超す
2008年5月15日 1:46  日経新聞
 【北京=尾崎実】中国の国営新華社によると、同国の四川大地震の死者数は14日午後2時(日本時間同3時)現在、1万4866人に達した。中国当局は同日、被災地の救援のため人民解放軍と武装警察部隊3万人を増派、総勢8万人に態勢を強化した。ただ、道路網が寸断されるなどしているため救援活動は難航が続いており、被害はなお拡大する懸念がある。
 新華社によると同日午後4時(同5時)現在、四川省だけで死者数は1万4463人。生き埋めになった人は2万5788人、けが人は6万4746人にそれぞれ達している。
 震源地である四川省のアバ・チベット族チャン族自治州ブン川県で最も被害が甚大だったのは南部の映秀鎮。道路の7割が陥没・損壊し、人口1万人余りのうち約2300人しか安否が確認できていない。災害対策本部は映秀鎮に集中的に救援部隊を投入。軍兵士600人が入り救助活動を始めたほか、軍用機を使って空から食品などの救援物資を投下、温家宝首相も映秀鎮に入った。ロシアからは同日午後、テントや毛布など救援物資を積んだ輸送機が四川省の省都、成都市に到着した。(01:46)
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四川大地震、断層のズレ250キロ、破壊力「阪神」の30倍
2008年5月14日03時09分 読売新聞

四川省北川チャン族自治県で、崩落した橋をわたる市民=ロイター
 中国・四川省の地震を引き起こした断層について、長さ約250キロにわたる断層が2段階にわけて動いたとする分析結果を筑波大の八木勇治准教授らが13日まとめた。
 大きな断層のずれが相次いだことで、広い範囲に記録的な揺れを引き起こしたとみられている。
 今回の地震は、四川省を北東―南西方向に走る断層帯(竜門山断層)の一部が動いて起きたとみられている。八木准教授の分析では、まず長さ約100キロ、幅約30キロの断層が最大で約7メートルずれ、続いて、その北東側で長さ約150キロ、幅約30キロの断層が4メートルずれた。阪神大震災を起こした断層は長さ約40キロで、今回はその6倍強になる。
 地震開始から約50秒かけて最初の断層が動き、10秒後に2番目の断層が約60秒かけて動き、揺れは約2分間続いた可能性がある。
 地表近くで最も大きくずれたため、被害の拡大につながった可能性があるという。震源近くでは地表に約7メートルの段差が現れているとみられる。地震の規模を示すマグニチュードは7・9で、その破壊力は、阪神大震災の30倍にもなるという。
 米地質調査所は、地震を引き起こした断層の規模を長さ約200キロ、幅約20キロと見積もっている。ずれが進行した時間は約2分とみており、八木准教授の見解とも一致する。また、断層の中に「特にずれが大きい場所が2か所ある」としている。
(2008年5月14日03時09分 読売新聞)

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石田ふたみ