『日々の映像』

2008年05月14日(水)  中国・四川大地震:死者9200人

40キロといわれる地殻〔大地〕は動くのである。地球の直径12740キロから見れば深さ40キロのマントル〔地殻〕は実に薄い。
40キロ÷12740キロ=0.00314     
地球を1メーターの地球儀にすると、マントルの厚さは僅か3ミリである。1000ミリの地球に対して地殻の厚さは3ミリで、ここにわれわれは生かされている。ともかく、地殻は動くのである。大地震は生活基盤をすべて破壊する、地震国はこの宿命を背負っている。

Googleの集計によると中国の地震関係の報道は409件である。ここでは、毎日新聞の報道を踏えて記述したい。米地質調査所(USGS)によると、震源は四川省成都の西北西約90キロで、深さは約10キロ。地震の規模を示すマグニチュードは7・8と推定されるという。日本で起きた関東大震災級の大地震である。

友人が以下を送信してきた。1923年四川省で地震 M 7.3の地震が起こりその半年後、関東大震災( M 7.9、死者・行方不明者10万5,385人)が発生している。同じパターンが繰り返されればはき半年後の関東で巨大地震が起こる可能性がある。

1923年3月24日 四川省で地震 M 7.3、死者4,800人
1923年9月1日 関東大震災 M 7.9、死者・行方不明者10万5,385人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8

中国の大地震の全容はまだ分からないが、家屋倒壊50万戸を踏まえれば、日本の東海・南海・東南海連動型地震に相当する巨大地震といえる。

*東海地震の被害予測
http://www.seis.nagoya-u.ac.jp/INFO/tokai.html
(死者予測4000人〜8100人、建物の崩壊23万棟)

*東海・南海・東南海連動型地震の被害予測
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E3%83%BB%E5%8D%97%E6%B5%B7%E3%83%BB%E6%9D%B1%E5%8D%97%E6%B5%B7%E9%80%A3%E5%8B%95%E5%9E%8B%E5%9C%B0%E9%9C%87
(死者予測 2万2000〜2万8300人 建物全壊棟数・約51万〜57万棟  経済被害 約53〜81兆円)  

四川省綿竹市では「今も1万人が生き埋めになっているといい、犠牲者数はさらに増える見込みだ」と言うから悲惨の極致である。中国はオリンピックどころではなくなった。

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中国地震:四川省で大規模地震
毎日新聞 2008年5月12日 18時20分
【中国総局】12日午後3時48分(日本時間)ごろ、中国内陸部の四川省を震源とする大規模な地震があった。米地質調査所(USGS)によると、震源は同省成都の西北西約90キロで、深さは約10キロ。地震の規模を示すマグニチュードは7.8と推定される。
 国営新華社通信によると、重慶郊外では小学校2校が倒壊し、児童4人が死亡、100人以上がけがをした。成都の国際空港が閉鎖された。ロイター通信などによると北京、上海、台北、バンコクなどでも地震は感じられ、各地でビルが揺れたという。
 震源は、同省のアバ・チベット族チャン族自治州とみられる。
 重慶の日本総領事館によると、日本人が負傷したとの情報は今のところない。
 胡錦濤・国家主席は被災地に救援隊を派遣し、「国を挙げて」犠牲者を救うよう指示した。
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中国・四川大地震:生き埋めなお1万人 死者9200人、家屋倒壊50万戸
                        毎日新聞 2008年5月13日
 【重慶・鈴木玲子】中国四川省で起きた12日の大規模地震で、中国民政省は13日、死者が周辺の重慶市や甘粛省などを含め9219人となり、倒壊家屋が50万戸余りに上っていることを明らかにした。新華社通信が報じた。四川省綿竹市では今も1万人が生き埋めになっているといい、犠牲者数はさらに増える見込みだ。
 震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州〓川(ぶんせん)県では3分の1の家屋が倒壊した。道路や通信が寸断されているために被害の詳細は確認されていない。「パンダ保護研究センター」がある臥竜など3地区と連絡が取れず、同県だけで約6万人の安否が不明のままだ。また、臥竜周辺を訪れていた英国人15人と連絡が途絶えているという。これとは別に同州茂県で観光バスが土砂崩れに巻き込まれ、37人が死亡した。
 一方、1万人が生き埋めになっているとされる綿竹市は〓川県の東約30キロに位置し、市内の中学校など2校の校舎が倒壊したほか、多数の家屋が崩れている。現地は雨が降り続いているため、2次被害の危険性もあり、救出作業が難航している。
 犠牲者は四川省だけで8993人に上っている。隣接する甘粛省で132人、陝西省で85人の死者が確認されたほか、重慶市などでも犠牲者が出たと報告されている。
 甘粛省徽県では13日未明、四川省成都市に向かっていた貨物列車(40両編成)が脱線した。13両に積まれていたガソリンの缶が車両から落下し、一部が炎上した。地震でがけ崩れが発生した影響で線路がゆがみ、脱線したとみられる。爆発の可能性もあるため、付近の住民が避難した。
 四川省入りした温家宝首相は12日夜、同省都江堰市の校舎倒壊現場を視察した。震源地の〓川県に入る道路が寸断しているため、都江堰市で指揮を執り、「一分一秒を争って人命の救助に当たってほしい」と指示した。被災地には人民解放軍や武装警察の計約1万人が投入されている。
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中国大地震:阪神大震災と共通点 建物の構造設計不十分?
                      2008年5月13日 毎日新聞
 中国四川省の大地震は、地球を覆うプレート(岩板)同士がぶつかり合う境界から離れた内陸部で発生した。専門家によると、震源はチベット高原の東縁にあたり、過去に何度も大地震を繰り返してきた「地震の巣」の中に位置するという。95年に日本で発生した阪神大震災との共通点もある。この地域の地震の特徴と、被害拡大の原因について地震や防災の専門家に聞いた。
 専門家によると、地震の震源付近は「南北地震帯」と呼ばれる地震多発地帯の北部にあたる。中国の地震に詳しい気象庁地磁気観測所の石川有三所長(地震学)によると、インド側の岩板(インド・オーストラリアプレート)が南から中国側の岩板にぶつかり、ちょうど南から押されたチベット高原が、南北地震帯を東南に圧迫する形になっている。
 石川室長は「中国の中でも特に地震活動が活発な地域だが、M7級の地震はこの30年ほどは起きていなかった。震源付近は山岳地帯の東端に位置し、山崩れや土砂崩れも起きているだろう」と指摘する。
 東京大地震研究所の加藤照之教授(固体地球物理学)は、地震を起こした断層を、北東−南西方向に延びる「竜門山(ろんめんしゃん)断層」と分析する。
 阪神大震災と比較すると、地震波のエネルギーがおよそ10倍大きく、震源の深さは約10キロと浅い「直下型地震」である点が共通している。加藤教授は「今後1週間から10日以内に震度5〜6強の余震が発生する可能性が高い。救助にあたる人々が2次被害にあう恐れもあり、警戒が必要だ」と話す。
 建物の倒壊による被害が広がっていることについて、地震防災が専門の岡田成幸・名古屋工業大教授は「映像で見る限り、比較的近代的な中高層の建物が完全につぶれている」ことに注目し、「近代的な建物であるにもかかわらず、構造設計が不十分だった可能性がある」と指摘する。またその他の一般的な建物についても「木の枠に石を組み込んだ構造が多く、鉄筋を入れて補強ができない。これが被害が大きくなった原因の一つと考えられる」と話す。【須田桃子、関東晋慈】

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石田ふたみ