『日々の映像』

2008年05月06日(火)  文化性と倫理観

 人も企業も文化性と倫理観が絶対に必要である。生涯青春の会で昨年連続して次の演題でも講演を企画した。

1、結婚できない人・・・・  講師 お見合いパーテー企画会社取締役
2、結婚してはいけない人・・ 元家庭裁判所書記官

詳しくは省略するが、人としての最低の文化性を身に付けていないと結婚も出来ないし、結婚しても離婚になってしまうという講演であった。

 企業にも文化性と倫理観が絶対に必要である。船場吉兆の食べ残し使い回しなどは、文化性と倫理観の欠落の見本のようなものである。ここはもはや閉鎖の道を転がり落ちるだろう。反面教師の意味で以下の記事を収録することにした。


船場吉兆・、20年以上前から…関係者証言
                     2008年05月03日読売新聞
船場吉兆、食べ残し使い回し・元社長が指示「もったいない」
                        2008年5月3日 日経
船場吉兆、食べ残し料理を別の客に
2008年05月03日 朝日新聞
船場吉兆、食べ残しを「焼き直し」「揚げ直し」…再利用?
2008年5月2日 読売新聞
船場吉兆:残った料理、別の客に アユ塩焼きなど−−保健所が立ち入り                   毎日新聞 2008年5月3日
船場吉兆“裏メニュー”→残飯使い回し
2008年05月03日  スポニチ
船場吉兆、食べ残しを客に出していた…アユの塩焼きなど
                     2008年5月3日 産経スポーツ

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船場吉兆・食べ残し使い回し、20年以上前から…関係者証言
                     2008年05月03日読売新聞
 大阪市中央区の料亭・船場吉兆の本店が、食べ残した料理を使い回
していた問題で、同社関係者が読売新聞の取材に対し、「使い回しは20年以上前から行われていた」と証言した。

 魚や肉など複数の食材を含め、使い回しはほぼ毎日、行われていたという。

 同店の山中啓司料理長(取締役)はこれまで、「5、6年ぐらい前から2週間に1回程度、アユの塩焼きなど6品を再利用していた」と説明していた。

 同社関係者によると、使い回しは、1991年に法人化される前の「吉兆船場店」時代からで、客が手をつけずに回収された銀ダラやハモ、牛肉などの焼き物を再び調理して提供していたほか、折り詰め弁当に入れることもあったという。

 また、刺し身に使うワサビは、客がはしを付けた場合も回収してしょうゆに混ぜ、「ワサビじょうゆ」として別の料理に使っていた。うな丼は電子レンジで温め直したうえで器を替え、石焼きにする魚介類、フルーツゼリーなどはそのまま別の客に出すこともあったという。

 一方、山中料理長は取材に対し、「(20年前からは)ありえない。これまでに明らかにしたことがすべて」と否定している。




船場吉兆、食べ残し使い回し・元社長が指示「もったいない」
                        2008年5月3日 日経
 牛肉の産地表示を偽ったとして大阪府警の家宅捜索を受けた高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)が、昨年11月の休業前まで本店の料亭で客が手付かずで残した料理を別の客に提供していたことが2日、分かった。大阪市保健所は同日、「食品衛生法には抵触しないが、あってはならない行為」として、立ち入り調査し、今後繰り返さないよう行政指導した。
 湯木正徳元社長(74)は代理人弁護士に「もったいないと思い、指示した」と認めており、旧経営陣の利益優先の体質とモラルの低さが改めて浮き彫りになった。
 大阪市などによると、船場吉兆が使い回していたのは、本店で出していたアユの塩焼きやゴボウをウナギで包んだ「八幡巻き」、エビと魚のすり身を蒸した「えびきす」、サーモンの焼き物、稚アユの素揚げ、刺し身のツマの少なくとも
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船場吉兆、食べ残し料理を別の客に
2008年05月03日 朝日新聞
  牛肉の産地偽装や総菜の不正表示が相次いで発覚した高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)=民事再生手続き中=は2日、昨年11月の営業休止前まで、本店の料亭で客の食べ残した食事を別の客に再び出していたことを明らかにした。湯木正徳前社長(74)の指示で、はしをつけていない料理などを「もったいない」として使い回していたという。大阪市保健所は同日、本店に立ち入り調査し、再発防止を指導した。
 市保健所によると、使い回していた料理は、アユの塩焼き▽稚鮎(ちあゆ)の素揚げ▽ゴボウをウナギで巻いた「八幡巻き」▽エビと魚のすり身を蒸した「えびきす」▽サーモンの焼き物▽刺し身の添え物――など少なくとも6種類。
 料理長の山中啓司取締役や代理人弁護士らによると、客が食べた形跡のない料理を置いておき、食材が足りなくなったときなどに再び加熱するなどして別の客に提供していた。こうした使い回しは2〜3週間に1回の頻度で繰り返されており、調理場のほぼ全員が知っていたという。6〜7年前に正徳前社長から「もったいないから明らかに使えそうなのは使え」と指示を受けたのが始まりで、今年1月の営業再開後はしていないという。
 同社は昨年12月、偽装や不正表示問題を受けて農林水産省に改善報告書などを提出したが、使い回しについては触れていなかった。同日夜、店舗前で報道陣の質問に答えた山中取締役は「お客様に不快な思いをさせ、深く深くおわびします」と謝罪した。
 厚生労働省によると、食品衛生法は、腐敗などで健康を損なう恐れがある食品の販売を禁じているが、食べ残しの使い回しを禁止する規定はない。同省監視安全課の担当者は「同法では、調理側が料理を使い回す事態をそもそも想定していないため、違法行為ではないが、不適切だ」と話している。
 船場吉兆をめぐっては、大阪府警が、同社が九州産牛肉を「但馬牛」と偽ってみそ漬けに加工して販売していたとして、正徳前社長と長男の喜久郎前取締役(45)を不正競争防止法違反容疑で書類送検する方針を固めている。
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 使い回しはどのように行われたのか――。山中取締役は「(客が)一切手をつけていなかった時に限って再び加熱調理をした。料理人が味見をし、もう一度出すと判断することもあった」と説明した。
 こうした実態については「調理場ではほとんど全員が知っていた」といい、「やっちゃいけないことをやっていたという意識があった」と当時を振り返った。正徳前社長の指示で6〜7年前から繰り返すようになったことを認め、「前社長に(やめるよう)忠言をしたことはあったが、どこまで聞き入れてもらったかは分からない」と額の汗をぬぐった。
 前社長の妻で女将(おかみ)の佐知子社長は、この日は報道陣の前に姿を見せなかった。社長は使い回しを知っていたのかとの問いに、山中取締役は「分かりかねる」と答えた。

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船場吉兆、食べ残しを「焼き直し」「揚げ直し」…再利用?
2008年5月2日 読売新聞

 牛肉の産地などを偽装したとして大阪府警が前役員らを不正競争防止法違反容疑で捜査している大阪市中央区の料亭・船場吉兆本店が、客が食べ残したアユの塩焼きなどの料理を別の客に使い回していたことがわかった。
 湯木正徳・前社長(74)の指示で行われ、一連の偽装が発覚して休業した昨年11月まで続けられていたという。市保健所は2日、本店を立ち入り調査し、再発防止を指導した。
 市保健所によると、使い回しをしていたのはアユの塩焼きのほか、ゴボウをウナギで包んだ八幡巻き、エビに魚のすり身を塗って蒸した「えびきす」、サケの焼き物、稚アユの素揚げ、刺し身の付け合わせに出していたゼラチン加工品など、少なくとも計6品。
 客が手をつけなかった料理を焼き直したり、揚げ直したりして再利用しており、アユの塩焼きの場合は身をほぐし、白飯にまぜて提供。市の調査に対し、山中啓司料理長(取締役)は「客が急に増え、食材が足りなくなった時に使い回しをした」と説明したという。
 前社長の「きれいな料理を捨てるのはもったいない」という指示で、5、6年前ぐらいから2週間に1回程度、再利用していたといい、2日夜、取材に応じた山中料理長は「深くおわびしたい。(1月22日の)営業再開後はやっていない。体調不良を訴えた客はいないと思う」と話した。
 食品の再利用は、品質が保たれ、健康被害を及ぼす恐れがなければ、食品衛生法違反にはならないが、市保健所は「食品を扱う業者としてモラルに反する行為」としている。

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船場吉兆:残った料理、別の客に アユ塩焼きなど−−保健所が立ち入り                   毎日新聞 2008年5月3日

 ◇営業自粛前まで「もったいない」と
 高級料亭「船場吉兆」(大阪市)が客の残したアユの塩焼きなど料理6種類を捨てずに別の客に回していたとして、大阪市保健所は2日、本店を立ち入り調査をした。船場吉兆側は「昨年11月の営業自粛前まで使い回しをしていた」と認めているという。食品衛生法には問われないものの、保健所は「健康被害を招きかねず、今後、使い回しはあってはならない」と口頭で指導した。【久木田照子】
 保健所の調査では、使い回していた料理は、アユ塩焼き▽稚アユ素揚げ▽ゴボウをウナギで巻いた「八幡巻き」▽エビのすり身とキスを合わせた「エビキス」▽サーモンの焼き物▽刺し身の添え物のゼラチン−−の計6種。本店で客が増えた時に使い回しをしており、添え物以外は再加熱していたという。
 船場吉兆は「今年1月の営業再開後はしていない」と説明。取締役の山中啓司料理長(47)は保健所に対し「当時は社長の言うことを100%聞かざるを得なかったので、不適切と思いつつも、応じていた」と話しているという。
 ◇「指示断れず」料理長認める
 「まだきれいなものを、もったいない精神と言いますか、見るからに使えそうなものであれば、足りなくなった時、お出ししたりした」。大阪市保健所が調査に入った後、山中料理長は報道陣の取材に応じ、こう釈明した。「社長の指示は断れなかったのか」という質問には、「社員という立場で。情けない話ですが……」とうつむいた。
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船場吉兆“裏メニュー”→残飯使い回し
2008年05月03日  スポニチ
 数々の食品偽装表示問題で経営が行き詰まり、民事再生手続き中の高級料亭「船場吉兆」(大阪市)が、客が食べ残した料理を別の客に提供していたことが分かり、市保健所が2日、同社に立ち入り調査を行った。昨年11月の営業自粛直前まで続けていたとみられる。旧経営陣の利益優先体質があらためて浮き彫りになり、老舗高級料亭のモラルが問われそうだ。

 同社代理人の弁護士らによると“使い回し”は同市中央区の本店で行われていた。アユの塩焼き、ゴボウをウナギで包んだ「八幡巻き」、エビや魚のすり身を蒸した「えびきす」など、客が食べ残した料理を焼いたり、蒸したりして再調理。天ぷらは揚げ直すなどして“新品”に見せかけ器などに盛り付け、別の客に提供していた。

 大阪市保健所によると、こうした食品の再利用は食材の品質が保たれ、食べても健康を損なう恐れがなければ食品衛生法に抵触しない。しかし、保健所は「飲食店として道義的な問題はある」として同日午後、船場吉兆に立ち入り調査。今後は繰り返さないよう行政指導した。

 本店関係者らによると、6〜7年前に始まった。当時の湯木正徳前社長(74=引責辞任=)が調理場で「もったいない。使える物は何でも使う」と従業員に指示。2〜3週間に1回程度だったとしている。昨年11月に営業を自粛する前まで続けていた。

 同店は、夜がコース制で、懐石コースはテーブル席が1万3860円(サービス料、消費税込み)から、座敷席は3万7800円(同)からの高級店。メニューは季節によって変え、使い回していたのは自慢の料理ばかりだった。

 食品偽装をめぐっては九州産牛肉を但馬牛と偽って販売したなどとして、大阪府警が不正競争防止法違反(原産地の虚偽表示)の疑いで湯木前社長と長男の喜久郎元取締役(45)らを書類送検する方向で、詰めの捜査を進めている。こうした捜査の中から、料理の使い回しが判明した。一連の偽装発覚後、農林水産省への改善報告書や、何度も開いた記者会見でも使い回しの事実は隠ぺいしていた。
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船場吉兆、食べ残しを客に出していた…アユの塩焼きなど
                   2008年5月3日 産経スポーツ

昨年12月10日、食品偽装問題をめぐる会見で謝罪した当時取締役の湯木佐知子社長(左)と長男の喜久郎元取締役
 牛肉の産地を偽装表示するなどしていた高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)が、営業休止前の昨年11月ごろまで、本店で客が食べ残した料理を別の客に提供していたことが2日、分かった。
 同社代理人の弁護士や大阪市保健所によると、使い回されていたのはアユの塩焼きや、ゴボウをウナギで包んだ「八幡巻き」など。天ぷらを揚げ直したり、手付かずの刺し身も提供していた。
 山中啓司料理長(47)=取締役=は同日、本店前で「お客さまに不快な思いをさせ、誠に申し訳ございません」と謝罪。使い回しは6、7年前に始まり、昨年11月に食品偽装問題で引責辞任した当時の湯木正徳前社長(74)が「きれいなものはもったいない。再利用できる」と料理人に指示していた。弁護士は「今年1月の営業再開後は、このようなことはしていない」とした。
 同保健所によると、食品の再利用は、食材の品質が保たれ、健康を損なう恐れがなければ食品衛生法に抵触しない。ただ、「飲食店として道義的な問題はある」として2日、同社に立ち入り調査し、今後は繰り返さないよう行政指導した。
 食品偽装をめぐっては、九州産牛肉を但馬牛と偽って販売したなどとして、大阪府警が不正競争防止法違反容疑で湯木前社長と長男の喜久郎元取締役(45)らを書類送検する方向で、詰めの捜査を進めている。

船場吉兆の偽装問題
 昨年10月、福岡市の店舗で菓子などの消費・賞味期限を改ざんしていたことが発覚。農水省の調査で、本店の商品でも牛肉の産地や鶏肉の原材料の偽装も判明した。大阪府警は牛肉の食品偽装に絡み不正競争防止法違反(原産地の虚偽表示)容疑で本店などを家宅捜索。船場吉兆は全4店舗の休業に追い込まれ資金繰りが悪化。1月に民事再生法の適用を申請した。現時は本店と博多店(福岡市)の2店舗で営業を再開している。


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石田ふたみ