『日々の映像』

2008年05月05日(月)  日本は世界最大のトウモロコシ輸入国

 昨日大豆(500万トン)・小麦〔540万トン〕・トウモロコシ(1600万トン)の輸入を書いた。ここで再度日本の食の基本情報の概要を示したい。
コメの消費量    800万トン 自給率 100%   
大豆の消費量   470万トン 国内生産量約30万トン 自給率6%
小麦の消費量      630万トン 国内収穫量約80万トン 自給率13%
トウモロコシの消費量 1600万トン アメリカから95%輸入
  合計      3500万トン 全体の自給率910÷3500=26%

 国は食料自給率〔カロリーベース〕を39%と発表しているが、数量ベースで見ると26%である。国の基本穀物消費量3500万トン中、国内で生産されるのは900万トン(米800万トン・大豆30万トン・小麦80万トン)しかないのである。なぜ、こんなに自給率が落ちたのか、という視点を持つ必要があるとともに、将来のリスクの筆頭にあがるのが食糧問題との認識が必要だ。世界的な穀物高騰の影響で、あらゆる食品の値上がりが避けられない情勢である。

米国のトウモロコ輸出〔引用〕
http://mcfs.jp/cyber/system/01-corn.html
世界のトウモロコシ取引に占める米国の役割は非常に大きく、世界の総輸出量の約80%のシェアを誇ります。一方輸入国のシェアをみると、日本が世界全体の約25%を占める最大の輸入国となっています。また、近年目立つのは韓国、台湾などのアジアの新興経済諸国です。特に中国は干ばつ、洪水などに見舞われることも多いうえ、人口問題などを抱えている結果、純輸入国に転じるなど、市場で話題に上ることも少なくありません。

パン、コメ、トウモロコシ 穀物高騰、全世界で暴動続発
2008/4/21 http://www.j-cast.com/2008/04/21019285.html
トウモロコシの生産と流通
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%B7


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パン、コメ、トウモロコシ 穀物高騰、全世界で暴動続発
2008/4/21 http://www.j-cast.com/2008/04/21019285.html

パン、コメ、トウモロコシといった基本食品の値上がりが加速し、暴動が発生する国が世界中で続出している。暴動が原因で首相が解任される国もあり、事態は深刻化している。国連も、各国首脳級による「食糧サミット」を開く方針を決め、事務総長も、価格高騰が「世界の安全保障を脅かす可能性がある」と異例の警告を発するという事態に発展している。
世界銀行の推計によると、過去3年間で世界の食糧価格は平均で83%上昇。これが原因で、少なくとも1億人が食糧不足にさらされるとみられている。その原因としては、気候変動による収穫量の減少や、中国やインドの食糧需要が増大したことなどが挙げられている。
さらに、ここ数ヶ月で、基本食品の値上がりが加速しており、世界各地で食糧をめぐる暴動にまで発展している。エジプト、フィリピン、コートジボワール、セネガル、イエメン、メキシコなどで暴動が発生。カリブ海の島国・ハイチでは、商店の略奪が1週間以上続き、事態を収拾できなかったとして国会が首相を解任するという事態に発展している。
それ以外にも、苦肉の策を取らざるを得なくなる国も多い。例えばパキスタンでは食糧の配給制が復活し、ロシアでは卵などの価格を固定。インドネシアでは補助金を増額し、インドでは高級米以外の米の輸出を禁止した。
このような状況を受けて、国連では世界的な対策を呼びかけている。ユネスコでは4月15日、世界の食糧事情に関する調査報告書を発表。同報告書では、1. 原油価格の高騰が食糧の流通コストや農場での生産コストに転嫁されている 2. 収穫された穀物がバイオ燃料に回されている、との現状を指摘。特にバイオ燃料については、「食料価格を上昇させ、世界中で発生している飢餓を軽減するための能力を低下させるもの」と批判。
ユネスコでは、会見で「化石燃料への依存度を低下させるような農業のやり方を開発しなければならない」と主張している。
米国では、大半が遺伝子組み換えトウモロコシになる
さらに4月17日には、08年6月に各国首脳級を集めた「食糧サミット」を開催する方針を決定。4月20日には、潘基文(バン・キムン)事務総長が、訪問先のガーナで「適切に対応しなければ、この食糧危機が世界の経済成長、社会の進歩、さらには世界中の政治的安全保障に影響するような多面的な問題に発展する可能性がある」と警告している。
もっとも、日本ではまだこれといった騒動は起きていない。ただ、「対岸の火事」という訳ではない。トウモロコシ価格の高騰を受けて、コーンスターチ最大手の日本食品化工は08年2月から遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの輸入を始めた。同社がトウモロコシの全量を仕入れる米国では、作付されるトウモロコシの大半がGMトウモロコシになる見通しで、安定供給を優先させた形だ。


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石田ふたみ