『日々の映像』

2008年04月29日(火)  山口2区補選自民敗北は当然の流れ

 山口2区補選は、比例中国ブロックからくら替えした民主党前職の平岡秀夫氏(54)=社民党推薦=が、自民党新顔で前内閣官房地域活性化統合事務局長の山本繁太郎氏(59)を約2万票差で破った。

得票数は平岡秀夫氏が11万6348票
山本繁太郎氏が9万4404票 であった。
 
後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に対する批判が選挙結果に反映したことは、すべての報道が認めるところだ。しかも、与党は投開票に先立ってガソリン税の暫定税率復活を決めているのだから選挙にならない。
民主党の攻勢が続く。同党は後期高齢者医療制度を廃止する法案を近く参院に提出する方針だ。この踏み絵で自民党は更に支持率を落とすことになる。国民の支持のない法律は撤回すべきだ。

民主、衆院補選で大勝 高齢者医療・道路追い風に
2008年04月28日朝日新聞
長寿医療制度に有権者反発、民主・平岡氏が当選…衆院山口2区補選
2008年4月28日 読売新聞
選挙:衆院選・山口2区補選 民主勝利 「天引き」、怒り充満 暫定税率復活にも不信                 毎日新聞 2008年4月28日
衆院・山口2区補選は民主公認の平岡氏、福田首相の求心力低下避けられず
2008年 04月 28日 東京 27日 ロイター
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080429








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民主、衆院補選で大勝 高齢者医療・道路追い風に
2008年04月28日朝日新聞
 .00%(前回総選挙72.45%)。
 補選は、05年の総選挙で平岡氏に競り勝った自民党の福田良彦氏が2月の出直し岩国市長選に転出したことに伴う。共産党は同県内では53年ぶりに国政選挙での候補者擁立を見送り、自民・民主の一騎打ちとなった。
 平岡氏は今年初めに早々と名乗りを上げ、選挙戦では「政権交代に向けた大きなうねりをつくる」と強調。道路政策、消えた年金記録、後期高齢者医療制度の「3点セット」で政府・与党を攻撃した。告示の15日に年金からの保険料天引きが始まった新医療制度は平岡氏にとって追い風に。政府・与党が投開票日直前に暫定税率復活の方針を決めたことも有権者の反発を買ったと見られる。
 民主、社民支持層をまとめ上げたほか、無党派層にも浸透。自主投票で臨んだ共産支持層も引き寄せた。選挙区での返り咲きを果たした。
 民主党は「総選挙の最大の試金石」(小沢代表)として、小沢氏、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の「トロイカ」をそろい踏みさせるなど総力戦を展開。最大の支持組織「連合」も傘下労組を固めた。社民、国民新、新党日本の首脳も応援に入り、野党共闘をアピールした。
 一方、山本氏の立候補表明は3月初めと出遅れた。争点となった道路政策には触れず、ひたすら「地域活性化」を強調。米軍岩国基地への民間機就航の実現を唱え、平岡氏を急追したが、及ばなかった。
 福田内閣の支持率低下に悩む自民党は「政局の流れを大きく変える選挙」(古賀誠選対委員長)と位置づけ、こちらも総力戦に。首相や伊吹文明幹事長、麻生太郎前幹事長、安倍前首相らも応援に入り、地元首長の協力を仰ぎ、建設業をはじめとする企業・団体を引き締める組織戦を徹底した。しかし、自民、公明支持層さえ十分固めることができず、無党派層への広がりも欠いた。
     ◇
 平岡氏の当選に伴う衆院の勢力は次の通り。
 自民党304▽民主党・無所属クラブ114▽公明党31▽共産党9▽社民党・市民連合7▽国民新党・そうぞう・無所属の会6▽無所属9

■福田首相に打撃 民主攻勢へ
 就任後初の国政選挙で敗れた福田首相(自民党総裁)の打撃は大きい。求心力の低下は避けられず、政権運営はさらに厳しくなる。政府・与党は、総選挙をいつやるのか、「選挙の顔」を誰にするのか、といった政局シナリオの見直しを迫られそうだ。
 補選の敗因は「後期高齢者医療制度しか考えられない」(参院自民党幹部)との見方が強まっている。補選告示の15日から保険料の天引きが始まり、有権者に不信感が広がった。自民党内では「大きな方向性をいじるのは不可能」(谷垣禎一政調会長)との指摘がある一方、「制度を見直さなければ今後の選挙は戦えない」(自民党三役経験者)という声も出ている。野党は制度廃止を求めて攻勢を強める考えだ。
 政府・与党は補選の結果にかかわらず、税制改正関連法案について「30日衆院再議決の方針に変わりはない」(大島理森国対委員長)との姿勢で、道路整備財源特例法改正案も5月12日に再議決する構えだ。ただ、中堅・若手議員からは「特例法改正案の再議決は首相方針と矛盾する」という批判が再燃しかねない。
 首相は27日、町村官房長官と会談し、5月12日以降に、09年度からの道路特定財源の一般財源化方針を「閣議決定」に格上げすることを確認。28日に公明党の太田代表と会談、30日には再議決後に記者会見して、一般財源化の具体策を国民に訴える。
 首相は6月にまとめる「骨太の方針08」にも一般財源化を盛り込む考えだが、自民党内では「必要な道路は造り続ける」との声が消えない。求心力の陰りに乗じて道路族が巻き返す可能性もある。
 大型連休明けの日中首脳会談、7月の北海道洞爺湖サミットといった一連の首脳外交や、その後の内閣改造などで求心力をどこまで回復できるかが、今後の焦点となる。
 一方、民主党は補選勝利を「民意の表れ」として対決姿勢を強めている。鳩山由紀夫幹事長は27日夜、記者会見で「一日も早く解散・総選挙を行って、国民に信を問うてもらいたい。それができなければ辞めるべきだ」と求めた。
 与党による30日の衆院再議決を阻止するため、28日には首相問責決議案をいつ提出するか最終調整に入る。民主党の山岡賢次国対委員長は27日夜、5月12日の道路整備財源特例法改正案の衆院再議決も問責決議案提出の対象になりうるという見方を示した。問責決議案を5月まで温存し、ガソリン税収を10年間道路整備にあてるとする特例法改正案と、「09年度から一般財源化」とした政府・与党決定との矛盾を突く狙いがある。
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長寿医療制度に有権者反発、民主・平岡氏が当選…衆院山口2区補選
2008年4月28日 読売新聞
 福田政権初の国政選挙となった衆院山口2区補欠選挙は27日投開票され、民主党前衆院議員・平岡秀夫氏(54)(社民党推薦)が自民党新人の前内閣官房地域活性化統合事務局長・山本繁太郎氏(59)(公明党推薦)を破り、4回目の当選を果たした。
 告示日の15日に年金からの保険料天引きが始まった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に対する批判が選挙結果に反映したとみられ、民主党は制度を廃止する法案を近く参院に提出する方針だ。
 投票率は69・00%。前回衆院選の72・45%より3・45ポイント下がったが、補選としては比較的高かった。
 当選を決めた平岡氏は山口県岩国市の事務所で「政権与党が総力を挙げた戦いで、ここまでの結論を得られた。政権交代への一定の支持を得られたと思う。後期高齢者医療制度やガソリン税の問題など緊急性のある課題について積極的に主張していきたい」と語った。
 選挙戦で民主党は後期高齢者医療制度、暫定税率、年金記録漏れ問題を取り上げ、政府・与党を批判し、支持を広げた。無党派層に加え、候補者擁立を見送った共産党支持層や、自民党支持層の一部も平岡氏に投票したとみられる。
 一方、自民党は業界団体や企業、国会議員の後援会などの支持を固め、公明党とその支持組織の創価学会も集票に努めたが及ばなかった。
 補選は自民党衆院議員だった福田良彦・岩国市長が市長選立候補のため辞職したことに伴って行われた。
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選挙:衆院選・山口2区補選 民主勝利 「天引き」、怒り充満 暫定税率復活にも不信                 毎日新聞 2008年4月28日
 ◇「年寄りいじめだ」
 「この怒りを国に思い知らせたい」。自民、民主両党の総力戦となった27日の衆院山口2区補選で、民主前職の平岡秀夫さん(54)を当選させたのは、今月始まった後期高齢者(長寿)医療制度への反発だった。75歳以上をひとくくりにし「後期」という名の別枠にする制度に、お年寄りたちが「ノー」を突き付けた。暮らしの現場から上がった切実な声は政治に届くのか。
 ◇後期高齢者医療
 山口2区の有権者の約4割が集中する岩国市。中山間地に小さな集落が点在する同市錦町広東地区は、高齢化が進み、住民約250人のうち65歳以上が3分の1を占める。
 「入った年金がそのまま消えていく生活。微々たる残りは葬式代として蓄えないといけん」。5年前に夫に先立たれ1人暮らしの女性(78)は医療制度の見直しを求め、迷わず平岡さんに投票した。
 4月上旬、社会保険庁から届いた「年金振込通知書」に驚いた。「介護保険料4300円」と書かれた下に「後期高齢者医療保険料2300円」とあり「金額をこの時初めて知った」と憤った。
 隔月で支給される年金は約11万円。そこから二つの保険料を差し引くと生活費は月額にして5万円。さらに光熱費や食費などを引けば手元には1万9000円あまり。足腰の痛みがあるため月2〜3回の病院通いは欠かせず、数千円の医療費もいるという。「夫が家を残してくれなければ首をくくっていた」
 東京でも高齢者から「選挙結果を尊重して」と声が上がる。
 「年寄りの医療制度はどんどん過酷になってきた。自民候補が負けたのは、長寿医療制度がいじめの制度だということを見抜かれたからだ」
 糖尿病治療を続ける東京都大田区の元会社員、大山正夫さん(80)は06年秋、生命保険会社の残りの個人年金を一括で約400万円受け取った。分割のほうが総額は多いが、そうすると厚生年金と合わせた夫婦の年収がこの年の医療制度改革の新基準を上回り、1割だった医療費の窓口負担が3割になってしまうからだ。
 そこに後期高齢者医療制度が追い打ちをかける。大田区で年金からの保険料天引きが始まるのは10月から。保険料額も未定だが負担が増えるのは確実だ。大山さん自身、糖尿病の治療で1日4回インスリン注射を打たなければならない。「与党は新制度を撤回して」と訴えた。【鈴木美穂、野倉恵】
 ◇ガソリン税
 自民候補は敗れたが、与党は投開票に先立ってガソリン税の暫定税率復活を決めている。
 「いったい、なんのための選挙なのか」。東京都足立区でガソリンスタンド(GS)を営む吉村美知明(みちあき)さん(42)は、ガソリンの暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案の衆院再可決を見込み、既に値上げの準備を強いられている。
 値下げ直前の3月下旬、元売りに促され8万リットルのタンクを満杯にした。暫定税率がかかっている分も4月1日から値下げしたため、80万円の差損をかぶった。レギュラー1リットル当たり20円下げたが、近くのセルフ式スタンドはもっと安く、4月の販売量は例年の7割に落ち込みそうだ。やっとの思いで値下げしてからまだ1カ月。「今の政治はふざけているとしか言いようがない」
 横浜市鶴見区の首都高パーキングエリア。27日、仕事を終えて戻る途中の山梨県甲州市、石材業、上野勲さん(63)は、民主勝利を聞き、「そろそろ民主に政権を取らせてもいいかな」と話した。
 7台のトラックを仕事に使う。26日夜、市内のGS経営者から電話をもらった。「値上がりは確実だから、早く入れた方がいいよ」。軽油をポリタンクで400リットルほど買いだめする予定だ。「それでも、浮くのはおかず代くらい」。長年続けてきた自民への支持に迷いが生まれている。【井上英介、林哲平】
 ◇説明に納得できず−−山口県岩国市出身の漫画家、弘兼憲史さんの話
 平岡さんは顔や人柄も知られていて、知名度不足の山本さんとはキャラクターの差があった。それにしてもこの結果は、国民が政府の説明に納得していないことの表れ。医療費がまるっきりタダでいいとはみんな思っていないが、年金からの天引きがお年寄りからむしり取るように受けとめられた。政策が100%悪いとは思わないが、総選挙に向け(政府は)見直しを迫られるだろう。
 ◇火に油注いだ首相−−後期高齢者医療制度に詳しい伊藤周平・鹿児島大大学院教授(社会保障法)の話
 年金が減る中で保険料が天引きされ、物価も上がっている。生活苦と将来への不安が政権への反発を招いたのだろう。福田(康夫)首相も「保険料を払いに行く手間がなくていい」と話すなど、空気を読まず火に油を注いだ。政府は「説明不足だった」と言うが、そもそも生活が厳しい人から保険料を徴収することで高齢者の医療費を抑制しようという発想が誤っている。
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衆院・山口2区補選は民主公認の平岡氏、福田首相の求心力低下避けられず
2008年 04月 28日 東京 27日 ロイター

 [東京 27日 ロイター] 福田康夫内閣の今後の政権運営を占う上で注目を集めた衆院山口2区の補欠選挙は27日に投開票が行われ、複数の国内メディアによると、民主党公認で社民党推薦の平岡秀夫氏(前衆院議員)が自民党公認で公明党推薦の山本繁太郎氏(新人)を破り、当選した。
 福田首相は初の国政選挙で敗北を喫し、求心力の一段の低下は避けられない情勢だ。
 自民党と民主党の一騎打ちとなった今回の補選では、3月末に期限切れとなった揮発油税などの暫定税率の存廃問題が争点の1つにあがった。政府・与党は、選挙結果にかかわらず、暫定税率を維持する租税特別措置法改正案を30日に衆院で再可決する方針を示しているが、暫定税率廃止を掲げる民主党が勝利したことで、今後の国会運営は一段と厳しいものになる。
 民主党では、福田首相の問責決議案を参院に提出するタイミングを探る。当初は暫定税率復活の衆院再可決を念頭に置いていたが、党内に慎重な意見もあるため、5月12日以降の道路特定財源を10年間維持する道路整備費財源特例法改正案の衆院再可決が新たなターゲットに浮上している。鳩山由紀夫幹事長は27日夜、平岡氏の当選を受けて「いつ問責という手段を使うか、最良のタイミングを考えていきたい」と語った。
 NHKによると、得票数は平岡氏が11万6348票、山本氏が9万4404票。投票率は69%だった。









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石田ふたみ