『日々の映像』

2008年03月05日(水)  黄砂:西から東の広い範囲で観測

中国の黄砂の被害が深刻さを増している。
韓半島に4万トンから8万トンの砂ぼこりを撒き散らすというから深刻である。
今年初めての黄砂が3日、西日本や東日本の広い範囲で観測された。気象庁によると、黄砂は本州では仙台市まで飛来した。長崎、熊本両市などで一時、視界が2〜5キロ、東京や大阪などでも5〜10キロまで低下している。

朝鮮日報の社説によれば「黄砂が頻繁に襲来し、被害も深刻化したが、その背景には中国における急速な砂漠化がある。中国では毎年済州島の2倍に近い土地が砂漠化している」中国政府も2001年、「防沙治沙法」を制定し、「緑の万里長城」を構築するプロジェクトを進めている。しかし、砂漠に木を植える速度よりも、新たに砂漠化が進む速度が多いのが現実なのだ。中国は黄砂の発生場所などは「国家機密」として国際的に公開していない。この姿勢に問題があると思う。
 


黄砂:西から東の広い範囲で観測 今年初めて飛来
2008年3月3日毎日新聞
黄砂、まるで泥の雨 九州 視界不良、花粉 症悪化懸念も
2008年03月03日 朝日新聞
黄砂、3日に東日本まで飛散の恐れ、気象庁注意呼びかけ
2008年03月03日 朝日新聞
黄砂飛来 街かすむ 九州、今年初
2008年3月3日 西日本新聞
今年初の黄砂 宮城でも観測
2008年3月3日 河北新報
社説:いつまでも中国の黄砂を浴びるわけにはいかない
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黄砂:西から東の広い範囲で観測 今年初めて飛来
毎日新聞 2008年3月3日
 今年初めての黄砂が3日、西日本や東日本の広い範囲で観測された。気象庁によると、黄砂は沖縄・与那国島から九州、四国のほか、本州では仙台市まで飛来した。長崎、熊本両市などで一時、視界が2〜5キロ、東京や大阪などでも5〜10キロまで低下した。
 東京都心部では午後2時半ごろから空が黄色く染まり、国会議事堂や高層ビルがかすんで見えた。【酒井祥宏】


黄砂、まるで泥の雨 九州 視界不良、花粉 症悪化懸念も
2008年03月03日17時35分 朝日新聞

 春が来るたびにおなじみの風景だが、西日本の広い範囲が3日覆われた黄砂は、各地の暮らしに影響を及ぼし始めた。砂混じりの雨にドライバーは顔をしかめ、晴れた地域では多くの人が屋外に洗濯物を干すのを控えた。花粉症に苦しむ人の症状を悪化させる恐れがあり、健康被害への懸念も強まっている。
 朝から雨の福岡市では車や建物が汚れた。タクシー運転手の男性(56)は午前7時に出勤したら、2日夜に洗ったばかりの白い車体に黄色い砂の筋がついていた。「ワイパーを動かすとフロントガラスに跡がくっきり。まるで泥の雨ですよ」。北九州市でも細かな砂混じりの雨が降り、関門海峡は煙った。下関地方気象台によると、3日朝から視界が10キロ程度に落ちている。
 鹿児島市のタクシー会社の洗車機の前には長い車列ができた。担当者は「朝からフル稼働。近年は桜島の火山灰もほとんど降らず、ふだんはこんなに長く待たせないのに……」。2日に観測された長崎県対馬市も3日朝から、霧に覆われたようにかすんだ。マスク姿の人が目立ち、買い物中の女性は「今日が一番ひどい。洗濯物は外に干せません」と話した。
 中国や韓国では、黄砂で心臓病などが悪化し、お年寄りの死亡率が高くなるという調査結果もある。九州大は中国の研究機関と連携し、研究を進めることにしている。
 大分県立看護科学大の市瀬孝道教授(環境毒性学)は「黄砂に含まれる石英や水晶といった二酸化ケイ素のほか、カビの死骸(しがい)や細菌が人体に入り、アレルギーを引き起こす」と言う。
 花粉症の人にとってはダブルパンチだ。黄砂が花粉症を新たに発症させる可能性もある。市瀬教授は「花粉症やインフルエンザ用のマスクも効果がある」と助言する。
 福岡・天神の大賀薬局では数日前から、「黄砂が気になる」と花粉症用のゴーグルやマスクを買う客が目立ち始めたという。店員は「体内に入れないのが一番なので、花粉症ではない人にもお勧めしています」。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黄砂、3日に東日本まで飛散の恐れ、気象庁注意呼びかけ
2008年03月03日朝日新聞
 東アジアの砂漠域からの黄砂が、今年初めて九州を中心に観測され始めた。3日には東日本にまで広がった。気象庁は「西日本や沖縄・奄美地方では視程が5キロ未満になる所があり、交通への障害が発生する恐れがある」と注意を呼びかけている。
 同庁によると、今年初めての黄砂は2日に長崎県内で観測され、3日には、福岡、石川、岐阜、宮城、福島県などで観測された。見通しが5キロ未満になると車の運転や飛行機の運航に影響が出る恐れがあるという。
 同庁は黄砂は3日午後には関東にも飛散するとみている。

黄砂飛来 街かすむ 九州、今年初
3月3日14時37分配信 西日本新聞

 九州・山口全県を含む東海地方の以西で2日午後から3日にかけて、今年初めて黄砂が観測された。気象庁は4日も沖縄・奄美地方から東北地方南部まで日本の各地で黄砂が予想され、視界が悪くなると注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、黄砂は沖縄県や北陸地方でも観測された。午前中の視程は長崎、熊本両市で約3キロ、福岡市で約5キロとなり、街並みがぼんやりとかすんだ。福岡市の天神を歩いていた主婦=同市中央区=は「ベランダが汚れて困るし、1歳の子どもに健康被害が及ばないか心配。根本的な対策が取れないんでしょうか」と困った様子。一方、同市内のガソリンスタンド店員(22)は「洗車のお客さんが増えて、正直言ってうれしい」と対照的だった。

 黄砂は、中国大陸の砂漠域の砂が偏西風で飛来し、空が黄色くかすんで見える現象。硫黄酸化物などの大気汚染物質が含まれていることがある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今年初の黄砂 宮城でも観測
3月3日14時23分配信 河北新報


 西日本から東海、北陸、東北南部までの広い範囲で2日夜から3日にかけて、今年初めて黄砂が観測された。気象庁は沖縄・奄美から東北南部の広い範囲で4日にかけ黄砂が予想され、視界が悪くなるとして、交通機関などに注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、黄砂が観測されたのは九州・沖縄、中国、四国、近畿の全府県と三重、愛知、岐阜、福井、石川、福島、宮城の各県。熊本、長崎では視程(見通しの利く距離)が5キロ未満に、鳥取、松山、福岡、那覇などでは10キロ未満に落ちた。

 黄砂は中国大陸の砂漠域で巻き上げられた砂が偏西風で飛来し、空が黄色くかすんで見える現象。硫黄酸化物などの大気汚染物質が含まれていることがある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
社説:いつまでも中国の黄砂を浴びるわけにはいかない
朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 先週末、全国が黄砂の砂じんで覆われた。浮遊粒子状物質の環境基準は1立方メートル当たり150マイクログラムだが、ソウルを初めとするかなり多くの地域が2000ミリグラムを超えた。砂ぼこりで目の前の建物がかすんでしまい、呼吸に困難をきたすほどだった。
 11日夜、再び黄砂に見舞われる可能性が高いという。黄砂は韓半島(朝鮮半島)に飛来しながら、韓半島に4万トンから8万トンの砂ぼこりを撒き散らす。その砂ぼこりのなかには、硫酸塩などの大気汚染物質が混じっており、なかには口蹄疫菌が混じっている主張もある。
 最近、黄砂が頻繁に襲来し、被害も深刻化したが、その背景には中国における急速な砂漠化がある。中国では毎年済州島の2倍に近い土地が砂漠化している。中国政府も2001年、「防沙治沙法」を制定し、「緑の万里長城」を構築するという「三北防護森プロジェクト」も進めている。しかし、専門家の説明によると、依然として砂漠に木を植える速度よりも、新たに砂漠化が進む速度が、面積にして30%ほど多いという。
 韓国政府も2000年から中国の要請によって内蒙古などの5か所で造林事業を進めている。韓国の造林経験と専門知識を活用し、中国の砂漠を森と野原に還元させる取り組みに支援を行わなければならない。
 さらには、韓中日環境長官会議などを通じて、中国政府により画期的な砂漠化防止策を立てることを促す必要がある。中国の国土管理の失敗によって、もっとも大きな被害を被っている立場であるだけに、堂々と要求できる問題だ。
 短期の観点から求められるのは、体系的な黄砂予報システムの整備だ。気象庁はわずか7日前には、今回の黄砂がそれほど深刻ではないだろうと予報していた。しかし、8日未明と午前に突如注意報と警報を発令し、「予報なのか実況中継なのか」との非難を浴びた。今回の黄砂は、西海(ソヘ)を渡ってくる通常の経路ではなく、満州から北朝鮮を経て押し寄せる風が直撃したと気象庁は説明している。
 黄砂がいつも決まった経路に乗ってくるはずはない。韓国政府もここ数年間、中国の5か所に60万ドルを支援し、黄砂共同観測所を設置した。北朝鮮にも共同観測システムを揃えるべきだった。韓国が毎年肥料を支援したり、コメを与えている北朝鮮に、情報を共有するための黄砂観測システムさえ持てないことに国民は閉塞感を覚えている。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ