2008年02月04日(月) |
民主党の大統領候補指名レ-スのオバマ氏 |
民主党の大統領候補指名レースで、オバマ氏が注目されている。評判なのは、彼の演説のうまさであるという。人を理解することは、人間としての成長の糧になると思う。この視点で新たな指導者として登場する可能性の高いオバマ氏を3篇の報道の中から一部を取り上げたい。詳しく読みたい方はエンピツを開いてください。
1、J・F・ケネディやキング牧師の“再来”などといわれているのだ。一体、どこがスゴイのか。「オバマの演説原稿は、時事英語のような専門用語がなく、センテンスも短いので、とても分かりやすい。ロジックの展開も絶妙で、クラシックの協奏曲を聴くようにリズミカルに読めるのです」
2、政治的な中身は別にしても、構成とメッセージ性でこれほど秀逸に作られたスピーチはここ最近なかった気がします。スピーカーで聴いていたら、英語をほとんど聞き取れない家内が興味を持ってやってくるほどでした。
3、たった14分間のこのスピーチには、キング牧師やケネディ大統領のスピーチを十分に研究した構成、候補者指名と大統領選挙を見越した戦略性、そして浮動票に訴える強いメッセージ性のすべてが入っていてうならされます。
バラク・オバマ氏のプロフィール バラク・オバマは45歳。1961年、ハワイでケニア出身の黒人の父と白人の母の間に生まれました。ハーバード大学ロースクールを卒業後、弁護士の道へ。その後、イリノイ州(アメリカ中部)議員を経て、2004年上院議員に初当選(1期目)。この年の民主党全国大会で基調演説を担当し、注目を浴びました。
オバマ演説 ここがスゴイ!! 2月3日10時0分配信 日刊ゲンダイ オバマ上院議員の演説に達人の技を見た! http://allabout.co.jp/career/jijiabc/closeup/CU20070204A/index2.htm
次期アメリカ大統領?!「オバマ氏」とは? Lifehacking.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オバマ演説 ここがスゴイ!! 2月3日10時0分配信 日刊ゲンダイ
民主党の大統領候補指名レースで、ヒラリーとデッドヒートを繰り広げているオバマ。評判なのは、彼の演説のうまさである。J・F・ケネディやキング牧師の“再来”などといわれているのだ。一体、どこがスゴイのか。 翻訳家の菊谷匡祐氏は、“伝説”といわれている04年7月27日の民主党全国党大会基調演説の原稿を読んで驚嘆したという。 「オバマの演説原稿は、時事英語のような専門用語がなく、センテンスも短いので、とても分かりやすい。ロジックの展開も絶妙で、クラシックの協奏曲を聴くようにリズミカルに読めるのです」 ジャーナリストの堀田佳男氏は、この演説を現地の会場で実際に聞いた。 「約5000人の民主党員がうっとり聞きほれ、中には泣いている人もいました。私も鳥肌が立ったほどです。『リベラルのアメリカも保守のアメリカもなく、ただ“アメリカ合衆国”があるだけだ。黒人のアメリカも白人のアメリカもラテン人のアメリカもアジア人のアメリカもなく、ただ“アメリカ合衆国”があるだけだ』という部分は、全米で繰り返し放送されて、オバマは一躍脚光を浴びました」 菊谷氏(=前出)は、声の良さも魅力だという。 「音域に例えると、ローバリトン。いい響きで、とても心地良く、長く聞いていてもストレスにならない」 演説力を磨く努力もしている。選挙コンサルタントの指導を積極的に取り入れているのだ。 「テレビCMで、短い時間でインパクトあるメッセージを伝えることを“10 Seconds Bite”と呼びますが、その訓練を熱心に受けて、演説の演出力を磨いたのです。ニューハンプシャー州予備選後の演説では、理念や政策を語る間に“Yes、We Can”を多用し、直後に間を置いていました。こうした巧みな抑揚のつけ方は、訓練で磨いたものです。敗戦を認める演説なのに印象に残りました」(堀田氏=前出) 下を向いたまま、原稿をただ棒読みする日本の首相は、見習ったほうがいい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー オバマ上院議員の演説に達人の技を見た! http://allabout.co.jp/career/jijiabc/closeup/CU20070204A/index2.htm
政治的な中身は別にしても、構成とメッセージ性でこれほど秀逸に作られたスピーチはここ最近なかった気がします。スピーカーで聴いていたら、英語をほとんど聞き取れない家内が興味を持ってやってくるほどでした(笑)。
今回オバマ議員が制したアイオワ州党員集会は今後の候補者指名の重要な通過点となっています。アイオワを制したとしても最終的な候補になれるとは限らないのですが(実際、クリントン元大統領はアイオワでは3位でした)、5日後のニューハンプシャー州の予備選挙を前にオバマ議員がこのチャンスを最大限活かそうと努力しているのは明らかです。
たった14分間のこのスピーチには、キング牧師やケネディ大統領のスピーチを十分に研究した構成、候補者指名と大統領選挙を見越した戦略性、そして浮動票に訴える強いメッセージ性のすべてが入っていてうならされます。
政治的な内容はさておき、この完璧なスピーチの何がすごかったのかを分解してみます。
構成 約 14分間のスピーチは全部で4カ所に分かれています。
最初の6分ほど:「みなさんは今日、アメリカは分裂しているべきではないと声を一つにした」「みなさんは今日、大企業やロビイストではなく、普通の人が主役なのだと言ったのだ」という具合に、「私が」ではなく、票を投じた「あなたたちは」という聞き手を主役にすえる文章が続きます。「あなた」= 「聴衆」に主眼をおくことで、聞き手を引き込むテクニックです。 また、ここでは時勢は「完了形」であることにも注目です。
中盤の2分ほど:「今日票を投じてくれた人、スタッフ、家族に感謝する」と、感謝の言葉をいれて話をいったん切っています。これはスピーチの最後にもごもごと謝辞を言わなくてすむようにするためであるとともに、観衆に声援を送らせて話題を切り替えるチャンスを作る、構成上の一石二鳥のテクニックです。
後半の4分ほど:「みなさんはいつか今日、この日、この場所で、歴史がかわったことを思い出すだろう」と繰り返し同じメッセージが繰り返されます。ここから文の主語が少しずつ「あなた」から「私たち」にシフトしています。また、聴衆に私が大統領になれば未来はこうなるだろう、という具合に文の時勢が「未来」にシフトします。これはもちろん、ニューハンプシャー州と大統領選挙をにらんだ未来形です。
締めくくりの 2分ほど:「希望とは、アメリカの礎である。それはよりよい未来を作れるという確信であり、共和党と民主党に分裂したこの国を、そして世界をより正しい方向に導けるという信念なのだ」という「希望」に関するメッセージで締めくくります。感情に訴える表現は、(事実であるかどうかは別として)これまで共和党支持者だった人と、若い人々を動かすためのものです。事実、今回のアイオワでは30歳以下の党員の65%がオバマ議員に投じているので、自分は分裂したアメリカをまとめあげる人間なのだと言うイメージを植え付けることで、浮動票を取り込む戦略です。
4カ所に分けてあるのは一つの話の流れを長くても3、4分にして、流れをつかみやすくするための工夫だと考えられます。 主語が「あなた」から「私たち」に、時勢が「完了形」から「未来形」にシフトしているのは、まず今日の成果をおさえて、次に5日後に向けて自分が「私たち」の統率者だというイメージを作り上げようとしているのだと考えられます。
戦略性とメッセージ性 途中で、「自分はケニア出身の父とカンサス出身の母をもち、この国以外ではありえない道を辿ってここにきた」と韻を踏んで呼びかける文がありますが、これは自分がワシントン官僚寄りではなく、中産階級寄りの人間だというイメージを植え付けようとしてのものです。暗に、いつもワシントン寄りだと言われているヒラリー上院議員を落とす効果を狙っているようです。
「いつかこの日を○○の始まった日だと思い出すだろう」という文脈は、自分が未来の大統領となることがあたかも予定調和であるかのように印象づける効果をもっています。論理的に解きほぐすと、そうでなければいけない理由は何もないのですが、アイオワ州での逆転勝利が実は予定調和なのだと印象づける戦略は、それを聴いているニューハンプシャー州の党員に強い効果を持ちそうです。
また「 いつかこの日を○○の始まった日だと思い出すだろう」という文章を繰り返すのは、キング牧師の有名な I have a dream のスピーチにもみられる技法で、単純なメッセージを繰り返すことで共感のクレッシェンドを高めていき、最後に一気に結論になだれ込むというものです。聴衆がのってくるときには、これはものすごい大きな効果があります。
よーく論理的に読んでみると、オバマ議員のスピーチには論理の飛躍や、現時点で保証できるはずもない約束をしている部分がたくさんあるのですが、人は見た目が9割という理屈でいくなら、このスピーチをきいて心を動かさない人はなかなかいないでしょう。
見た目9割のイメージ喚起力と、首尾一貫した論理的バックアップを併せ持っているスピーチが最強のものだとあらためて思いました。
ヒラリー上院議員に対して劣勢だといわれていたオバマ議員の躍進でずいぶん面白いことになってきました。オバマさんは私の出身地のイリノイ州の議員なので、単にそれだけの理由で応援したくなるのですが、これからどうなるのでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次期アメリカ大統領?!「オバマ氏」とは? アメリカ大統領選挙 「よくわかる時事問題」 ガイド:志田 玲子
「政界のタイガー・ウッズ」目指すは、史上初の黒人大統領! 次期アメリカ大統領選で、「初の女性大統領誕生?」と共に焦点となっているのが「初の黒人大統領誕生?」。そこで、渦中の候補オバマ氏の素顔に迫ってみましょう。
バラク・オバマは45歳。1961年、ハワイでケニア出身の黒人の父と白人の母の間に生まれました。ハーバード大学ロースクールを卒業後、弁護士の道へ。その後、イリノイ州(アメリカ中部)議員を経て、2004年上院議員に初当選(1期目)。この年の民主党全国大会で基調演説を担当し、注目を浴びました。家庭では、2人の幼い娘の優しいパパ!
黒人を父にもつ海外移住者2世という「マイノリティ」ながら、名門大学→弁護士→政治家と、まさにアメリカンドリームの体現者と言えそうですね。それにもかかわらず、「成り上がり者」とは程遠い清新なイメージに甘いマスクも手伝ってか、「政界のタイガー・ウッズ」「ロックスターのような輝き」と人気急上昇! ハリウッド業界では、スティーブン・スピルバーグやオリバー・ストーンなどの支持を得たほか、各種世論調査でも、民主党の立候補予定者の中では、ヒラリーに次いで高い支持率を獲得しています。人気は高いものの拒否反応も強いヒラリーを追い抜くのは、時間の問題?
「マイノリティ」でも、超大国のリーダーに「出世」できる? 「イラク戦争は、行われるべきではなかった。私たちは、悲劇的で代償の大きい戦争の泥沼にはまっている」イラク戦争を始めブッシュ政権下の政策を真っ向から批判するオバマ氏は、2月10日、地元イリノイ州で正式に立候補を表明する予定。ところで、2大政党制の下で行われるアメリカ大統領選の手続とは?
■予備選挙(選挙年の1〜6月)…… 有権者・党員が、共和・民主各党の全国指名大会に出席する代議員を選ぶ。 ■各党の全国指名大会(7〜8月)…… 予備選挙(または党員集会)で選ばれた代議員が、党公認の正副大統領候補を選ぶ。 ■一般選挙(11月)…… 有権者が、各大統領候補を支持する大統領選挙人を選ぶ。 ■大統領選挙人による選挙(12月)…… 一般選挙で選ばれた選挙人が大統領を選ぶ。この結果で、新大統領が決定!
たとえ、オバマ氏が予備選挙を制して民主党の公認候補に選ばれても、その後、共和党の公認候補との雌雄を決する闘いが待っているわけですね。その相手は、出馬へ向け動き出したマケイン上院議員?あるいはジュリアーニ前ニューヨーク市長?
振り返れば、アメリカの歴代大統領は、第43代のブッシュ現大統領まですべて白人男性。アメリカ国民は果たして、女性や黒人=「マイノリティ」を超大国の指導者として認めるのか? 次期大統領選は、アメリカ社会の成熟度を問う歴史的な選挙として要注目です!
ところで、日本の政界に「マイノリティ」=女性の首相候補が台頭するのは、一体いつ?
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