過日生涯青春の会のメンバーと懇談した。この会の現在の能力は、ニート・引きこもりの青年を何とかコミュニケーションセミナーに参加させる活動が限度で、それ以上の活動はできないことを確認した。この会のメンバーで、これ以上の活動をしているグループがある。会としては、それらの人たちに対して、出来るだけ応援をしたいと思っている。
この話の中で若年性認知症の話がでた。1週間安静の状態でいると筋肉は20%減少するという。脳も原理は同じであると思う。何も使わなければ退化するのは当然である。現在若年性認知症を発症している人は10万人と言われている。この数が激増すると思うのは私だけであろうか。
ともかく、若年性認知症のことを書いた2006年12月26日の日々の映像と参考資料を保管する意味で引用したい。
------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2006年12月26日(火) 若年性認知症 日々の映像から
12月16日「年性認知症、厚労省が初の実態調査へ」と題して書いた。更にこれらに関する報道が続いている。若年性認知症は65歳以降の認知症を「老人性認知症」と呼ぶのに対し、65歳未満で発症した場合を呼ぶ。患者数について、現在では10万人前後との見方もある。コミュニケーション能力に欠ける若者が多く登場しているので、今後若年性認知症は増えることがあっても減少することはないだろう。社会全体の生活文化が問われているように思う。ここでは関連するURLを貼り付けます。
若年性認知症の苦悩 2006年3月27日 読売新聞 若年性認知症(痴呆=ちほう)への理解呼びかけ 2005年7月26日 読売新聞 若年性認知症 気軽に通える施設欲しい 2005年7月4日 読売新聞 若年認知症家族会 http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 若年性認知症の苦悩 2006年3月27日 読売新聞 若年性認知症と介護保険 介護保険では、40〜64歳の場合、アルツハイマー病などの老化に伴う認知症は保険給付に含まれているが、頭部外傷などは除外される。また、介護保険の対象外の39歳以下は全くカバーされない。 支援活発化・映画題材にも 「明日の記憶」 患者・家族が、支援と同様に期待するのがメディアの役割だ。かつて痴呆(ちほう)と呼ばれた認知症が広く知られるようになったのは、72年のベストセラー小説「恍惚(こうこつ)の人」(有吉佐和子著)に負うところが大きいからだ。 中でも期待を寄せるのが、5月13日に公開される映画「明日(あした)の記憶」。同名の原作(荻原浩著、光文社。04年10月発行)は、山本周五郎賞などを受賞し、現在18万5000部のベストセラーとなっている。 主演のハリウッドスター、渡辺謙さん(46)が演じるのは、あぶらの乗り切った49歳の広告マン。物忘れに悩まされるようになり、妻の勧めで受診した病院で若年性認知症と診断される。 二人三脚の闘病生活が始まるが、やがて仕事がままならなくなり、会社を辞めざるをえなくなる。専業主婦だった妻は、家計を支えるため働きに出ることに。家に残され、情けなさと、外で働く妻の生き生きとした様子にしっとして苦しむというストーリーだ。
働き盛りで発症する若年性認知症には、失業や子育てへの障害など高齢者と違った悩みがあり、特に一家の大黒柱の場合は切実だ。映画を監修した東京都老人総合研究所の本間昭・参事研究員は「現役の社会人が病気でリタイアする苦悩は深い」と話す。 十数年前、急性骨髄性白血病で銀幕から消えた経験を持つ渡辺さんは「社会との接点を失うことへの恐怖は良く理解できる。でも、それは人生の終わりではない。この映画が、悩んでいる人や家族の案内役になれば」とメッセージを送る。
「明日の記憶」を試写会で見た家族会「彩星の会」の干場功副代表は「若年性認知症への理解が広がるきっかけになれば」と、5月の公開を心待ちにしている。 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20060327ik01.htm
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 若年性認知症(痴呆=ちほう)への理解呼びかけ 2005年7月26日 読売新聞 若年認知症家族会のメンバーと話し合う宮永さん(東京都内で)=工藤菜穂撮影 若年性認知症治療の草分けとして知られる精神科医。患者に向き合うのと同じくらいのエネルギーを、患者を支える家族の支援に注いでいる。
「認知症は働き盛りの40、50代でも、それより若くても発症するし、若い場合は失業、子育てなど高齢者とは違った悩みを抱えている。それなのに社会の理解は低く、対策もほぼゼロに等しい。ましてや苦労している家族への支援はない」
設立に奔走した家族会「彩星の会」の会合では、「聞き手のこちらが泣きたくなるような」切実な悩みや訴えが堰(せき)を切ったように語られる。認知症と診断されて3日間泣き通した現役サラリーマンの夫から、『君は世界で一番不幸な女性だね』と言われた妻は、『意識がはっきりしている時に、夫婦で過ごす時間をもっと作っておけばよかった』としみじみ語った……。
「若年の認知症への理解を深め、患者さんや家族が、これからの人生を、病気と共生しながら社会の中で普通に暮らせるようにしたい、それがわれわれサポーターの願いです」
◇
群馬大医学部時代の1991年度と92年度に、群馬県が実施した認知症患者の県内調査に参加。そこで初めて65歳未満の患者がいることを知った。
「夫や妻が壊れていく姿を見るだけでもつらいのに、『あなたと結婚したからこうなった』などと周囲に言われ、うつ病やアルコール依存症になってしまう家族もいる。実情を知れば知るほど、何とかしなきゃ、と思いましたね」
折しも、高齢化がクローズアップされ、高齢者向けの予算やサービスはどんどん増えていくのに、「高齢者以外は、受け入れ先が精神病院しかなく、生活保障もほとんどない」。
当時の厚生省に掛け合ったところ、「実態がわからないと対策が立てられない」と言われた。そこで、96年度に国の補助事業で調査を実施した。その結果、全国に少なくとも約2万6000人(18〜64歳)の患者がいることがわかった。
若年対策の必要性は認識されたが、政策にはなかなか結びつかない。2000年にスタートした介護保険でも、40〜64歳の「老化に伴う認知症」だけは保険給付に含まれたものの、認知症になった原因が栄養障害、頭部外傷などの場合は対象外だ。39歳以下は、原因を問わずカバーされない。
「これは家族を中心に声を上げていくしかない」と、知り合いの医師や看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士らに呼びかけ、2001年に家族会を設立した。会の名前には、「再生」の意味も込めた。
◇
会では現在、2か月に1回の定例会と個別相談、週1回の電話相談のほか、年1回の旅行も行っている。昨年からは、若年専用のミニデイサービス「スタープラス」を月1回、東京都内で始めた。今後は、若年の介護ができるヘルパー養成のための教材開発や、職場を離れた患者が再度、働けるような雇用の場づくりにも取り組む予定だ。
興奮と暴力が特徴とされる若年の患者は、高齢者が多い施設からは拒否されがち。その点、イギリス、オランダ、スウェーデンなどには、若年専用の入居・通所施設があるという。
「そうした施設を全国各地に広めたい。同時に、街なかにある喫茶店やスポーツクラブなどに通えるようになればもっといい。そのためにも、社会の理解を深めることが不可欠です」(猪熊律子)
若年性認知症 65歳以降の認知症を「老人性認知症」と呼ぶのに対し、65歳未満で発症した場合を呼ぶ。記憶・言語障害などを引き起こす原因となる主な病気は、アルツハイマー病と脳血管性障害。脳の前頭葉が委縮するピック病や、アルコール性は若年に多い。患者数について、現在では10万人前後との見方もある。
☆若年認知症家族会・彩星の会の連絡先は、(電)03・3403・9050。ホームページはhttp://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/
☆ほかに、「朱雀の会若年認知症家族会」((電)0742・47・4432=奈良県)、「若年認知症者支援の会愛都(アート)の会」((電)090・3658・3594=大阪府)などがある。 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/sasaeru/20050726ik02.htm
若年性認知症 気軽に通える施設欲しい 働き盛りなのに物忘れ、幻覚……離職で行き場失う 働き盛りなのに物忘れが激しくなり、社会生活を営むのが困難になる「若年性認知症(痴呆(ほう))」。認知症は高齢者の病と思われがちだが、若くして発症すると一般的に進行が早いとされ、家計への打撃も大きい。ところが、医師も含めて周囲の理解は不十分で、受け入れ施設も少なく、本人や家族の苦悩は深い。(渕ノ上将孝)
■家族の会で励まし合い 高齢者とは違った介護の悩みを語ろうと集まった家族たち(福岡市内で) 6月上旬。福岡市の中心部にあるビルの一室で、若年性認知症患者の家族7人が顔を合わせた。
49歳で発症した夫(55)を持つ女性は、これまで、2か所の介護施設で入所を断られたという。高齢者に比べて体力があるため、徘徊(はいかい)などをした時に止めるのが難しい、というのが施設側の理由だ。
3月20日、震度6弱の揺れに見舞われた福岡県西方沖地震の時は、家が大きく揺れる中で夫を抱きしめた。「お父さん、今、地震やったんよ」と話しかけても、「ふん」とつぶやくだけ。揺れを認識できていないようだった。
会社員だった夫は、発症後1年で勤めを辞めた。女性はパートの仕事で家計を支えているが、夫の病状が悪い日は休まなければならないのが現実だ。
30歳代の女性も口を開いた。8年前、ふさぎ込むことが多くなった当時54歳の母親を病院の精神科に連れて行った。「うつ病ですね。絶対、治らない」。ぶしつけな言葉を返した医師は、認知症の初期症状を見抜けなかった。
別の総合病院では担当医がすぐに転勤してしまい、後任の医師への引き継ぎもなかった。納得のいく治療を受けられないまま、病状は進行し、今では排せつの仕方さえわからない。「あの人が私を見ている」と幻覚を訴えるようになり、家族は夜も気が休まらない日が続く。「もう途方に暮れて……」。涙であとは言葉にならなかった。
家族たちの会合は、「呆(ぼ)け老人をかかえる家族の会」福岡県支部の呼びかけで、4か月ごとに開かれている。世話人の岩切裕子さん(71)は、「同じ境遇の人が語り合うことで、みんな苦労しているんだから自分も頑張ろう、という気になれる。症状の進み具合を把握して、今後どうなっていくのかの心構えもできる」と話す。
■社会活動進行予防に 若くして発症した場合は、高齢者ばかりの介護施設へ通うのをためらう人が少なくない。そんな中、福岡市の施設の取り組みが注目を集めている。
九州一の繁華街・天神のオフィスビル内にあるデイサービスセンター「天神オアシスクラブ」。室内から和やかな笑い声が聞こえてくる。50歳代から、上は90歳代まで、主に要介護1、2の軽度の認知症患者約30人が集まっている。
毎週1回、エアロビクスを改良した「ケアビクス」や音楽、陶芸、はがき絵、造形教室、それに足裏療法などを行っている。介護保険の適用施設だが、入浴サービスはなく、むしろカルチャー教室の雰囲気に近い。
「今までは、若い人や、症状が軽い人たちが気軽に通える『一歩手前』の施設がなかった。プライドが高い人ほど『あんな年寄りの行く所はいやだ』と思いがち。行き場を見つけてあげることが必要です」と施設長の中島七海さん(55)が語る。
47歳で発症した越智俊二さん(58)が描くタンポポの絵は、クラブのパンフレットの表紙を飾るほどの腕前だ。中には、数日通っただけで表情が明るくなる人もいる。
日本社会事業大学の今井幸充(ゆきみち)教授(精神医学)は、「若くして発症した男性の場合、仕事を離れると自宅にこもりがちで、結果として進行を早めてしまう傾向がある。完治は難しくても、進行を抑えるのは可能だ。知的活動や社会行事に加わると予防的な効果が期待できる」と指摘する。
◎「呆け老人をかかえる家族の会」(本部・京都市)は、平日の午前10時から午後3時まで、無料の電話相談(0120・294・456)を受け付けている。
◎天神オアシスクラブの問い合わせは、メールアドレス=tenjin-d.c@seagreen.ocn.ne.jp 若年性認知症 若年性認知症 認知症のうち65歳未満で発症するケース。旧厚生省の研究班が1997〜98年度に行った調査では、患者数を全国で約2万6000人(18〜64歳)と推計した。その後、全国的な調査は行われていないが、10万人程度と指摘する専門家もいる。40〜64歳の老化に伴う認知症は、介護保険が適用される。 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20050704ik05.htm
若年認知症家族会 http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/
----------------------------------------------------------------- 若年認知症:社会との絆、再び 患者ら集いボランティア−−東京・新宿に支援センター ◇「まだできることある」
働き盛りを襲う「若年認知症」。専門的な施策が皆無とされる中、離職を余儀なくされた患者が社会との絆(きずな)を取り戻すための社会参加支援センター「ジョイント」が10月、東京都新宿区にオープンした。患者や家族の悲願だった試みがようやく動き出した。【磯崎由美】
■離職余儀なくされ
繁華街のビルの一室。午前10時、「出勤」した利用者がタイムカードを押す。現在利用者は7人。公務員、弁護士、社長……。みんな第一線で働いてきた50〜60代の男性だ。
ジョイントは患者の社会参加を進める厚生労働省の研究補助金事業で、NPO法人・若年認知症サポートセンターが運営する。利用者は週3日通い、スケジュールをこなす。この日は午前中が工芸品作り、午後は近所の清掃ボランティア。
「定年になったら何をしようかなと思っていたのに、辞めてみると寂しいものです」。神奈川県の男性(57)は2年前、病気のため公務員の職を失った。デイサービスで高齢者と鶴を折っていてもむなしかった。ここでは同年代どうしで昔の仕事の話もできる。
趣味はカメラ。みんなの提案で、撮りためた写真でカレンダーを作った。「私たちにもまだできることがあることを知ってほしい」。パソコンで作った販売広告を見て、スタッフがうなった。「さすが、完ぺき!」
■「企業に出向」目標
若年認知症は65歳未満で発症する認知症の総称で、推計4万人。計算ができない、書類が書けない。職場で異変が表れ、退職に追い込まれる人が多い。
高齢者と違ってまだ子も小さい。大黒柱であるべき自分が負担をかけていることにいらだち、家族に当たっては自己嫌悪に陥る。所長の比留間ちづ子さん(東京女子医大病院作業療法士長)は「特に男性は職場が唯一の社会との接点。それを失うと閉じこもってうつ状態になり、病状が進む」と話す。
授産施設やデイサービスではない。利用者がここから企業に出向するのが目標だ。「新しい事を覚えるのは難しいけれど、培った能力は体に染みついている」と比留間さん。実際、清掃ボランティアも利用者が区役所と交渉し、実現した。
元テレビ局ディレクター(56)は家にいた時に比べ、認知検査の結果が改善されている。取材で世界を巡った時の写真を見るうちに、色彩豊かな絵を描けるようにもなった。「絵はがきにして販売するつもりです」
■家族も介護楽に
一日の最後、「業務日誌」を書く。「お昼、何食べたっけ」「さばのみそ煮だよ」「人が食べてたものは覚えてるんだけどなあ」
午後3時過ぎ。家族が迎えに来た。妻たちも自分の時間ができて介護ストレスが減った。でも、夫婦二人で交通費が1日5000円かかる人もいる。「もっと家の近くにあればいい」。みんなの願いだ。
認知症でも仕事や病状によっては可能なことがある。関係者はここでの成果をまとめ、本格的な若年認知症支援策につなげる方針だ。問い合わせは若年認知症サポートセンター(03・5919・4186)へ。
◇カレンダー販売中
ジョイントは利用者が制作した08年卓上写真カレンダーを販売中。「猫」「風景」の2種類で月めくり。送料込みで900円。ガラス額付き1100円。住所、氏名、電話番号、種類、額の有無、セット数を記入しファクスでジョイント事務局(03・3341・7144)へ。
毎日新聞 2007年12月20日 東京朝刊
|