『日々の映像』

2007年12月09日(日)  雇用に大きな変化が起こると思う



 パート社員・アルバイトを大量に使っている企業に中で、人手不足が原因で経営が厳しくなる先が出てくる様相である。詳しくは省略するが、都心部でパート・アルバイトの時給が上昇している。大局的に低賃金で大量のパート・派遣などを使っている企業は、厳しい環境に追い込まれる気配である。

 このような流れの中で、三井住友海上火災保険は2008年度から、パート社員を正社員に登用する新しい制度を始めている。言うまでもなく、人手不足が深刻になるなか、パート社員の働きがいを高めて優秀な人材を確保する動きである。

 12月6日 三井住友銀行が派遣社員2000人を正社員として雇用すると発表した。派遣社員の正社員化としては、日本企業では異例の大規模なものとなる。バブル期に見られるように、一つの方向にみんなが走るのが日本企業の特質である。今回は勤労者にとって好ましい現象(パート・派遣社員を正社員にする動き)が加速すると思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

三井住友銀行:派遣社員2000人を正社員化へ
毎日新聞 2007年12月6日 

 三井住友銀行は6日、グループの人材派遣会社から迎えている派遣社員約2000人を正社員として雇用すると発表した。派遣社員の正社員化としては、日本企業では異例の大規模なものとなる。また、窓口業務などを主に担当している「一般職」を廃止する。すべての社員に幹部社員への道を開くことで意欲を高めるとともに優秀な人材を確保するのが狙いで、一般職の廃止はメガバンクでは初めて。 
 いずれも来年7月1日から実施する。正社員化される派遣社員は来夏以降新設する「ビジネスキャリア職」になり、主に事務職を担当する。現在の一般職は、ビジネスキャリア職か地域限定の個人向け営業職員である「コンシューマーサービス(CS)職」のいずれかを選択できる。
 この結果、同行の正社員は、幹部候補の「総合職」とCS職とビジネスキャリア職の3種類になる。CS職やビジネスキャリア職からも能力次第では幹部社員になることもできるという。
 金融機関はバブル経済崩壊以降、正社員の雇用を抑え、派遣社員などの非正規雇用者で補ってきた。しかし、不良債権問題にめどがついたことや投資信託などの窓口販売拡大で各金融機関が大幅に新卒採用者を増やしていることから、優秀な人材をどう確保するかが課題になっている。【坂本昌信】
英訳


名称 株式会社三井住友銀行
(英語表記:Sumitomo Mitsui Banking Corporation)
取締役会長北山 禎介(三井住友フィナンシャルグループ取締役社長を兼任)
資本金 6,650億円
株主 株式会社 三井住友フィナンシャルグループ 100%
従業員数  17,945人
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三井住友海上、パートを正社員に登用へ
[11月29日/日本経済新聞 朝刊]
 三井住友海上火災保険は2008年度から、パート社員を正社員に登用する新しい制度を始める。人手不足が深刻になるなか、パート社員の働きがいを高めて優秀な人材を確保する。事務の質向上につなげ、保険金不払いや保険料取りすぎの再発を防ぐ。

 三井住友海上には約3600人のパート社員がおり、契約書類のチェック、契約内容のオンライン入力、簡単な事故処理などを担当している。今回の登用対象は、同社が直接雇用している人と、グループの三井住友海上スタッフサービスが派遣した人で、合計約2500人。他の人材派遣会社からのパート社員は対象外とした。

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ