『日々の映像』

2007年11月17日(土) 地球温暖化と財政破綻のリスク

 30歳前後の若い人たちが生涯青春の会の主要メンバーとなってきた。皆さんが成長し社会で大成するようにあらゆる配慮をして行きたいと思っている。彼らのこと、日々の映像を10年以上書き続けてきた習慣から、今後20年先の社会がどうなって行くかに大きな問題意識がある。
 
 20年先の社会を考える時最大の問題は、地球温暖化と11月1日に書いたように日本の財政破綻でないか。
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071101

 地球温暖化の影響視察のため、国連事務総長として初めて南極を九日訪れた潘基文氏の声明を発表、「事務総長は『南極は破局寸前だ』と強調し、温暖化対策を急ぐよう国際社会に訴えた」(毎日新聞11月11日から)さらに「氷は私たちが考えているよりもはるかに速く解けている。今すぐ行動しないと、そう遠くない将来に(南極から)氷がなくなってしまうかもしれない」と警告している。

 事務総長は南極全体の把握が不勉強のようだ。「南極から氷がなくなってしまうかもしれない」というが、もしそうなったら地球全体の海水面は80メーター上昇するのである。「南極大陸の面積は1400万平方キロメートルで、米国の面積の1.5倍近くある。大陸の98%は1年中氷に覆われている。氷の厚さが5キロメートル近い場所もあちこちにあり、地球に存在する淡水の3分の2以上がここに閉じ込められている」(Stephen Leahyから)

 南極の面積は米国の1.5倍もあり平均の標高は2000メーターを超えているのである。ここ氷が10%溶け出すだけで海水面は8メーター上昇する。日本の主要都市の港湾施設はほとんど水没する。おびただしい住宅も水没するのである。若い人たちはこのリスクを認識して行動すべきである。具体的なことを一つだけ言えば、標高20メーター以下の土地は買うべきでない。100年先を考えるのであれば、標高100メーター以下の土地は買うべきでない。

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国連:事務総長が現地視察し声明「南極は破局寸前」
 
国連は10日、地球温暖化の影響視察のため、国連事務総長として初めて南極を九日訪れた潘基文氏の声明を発表、事務総長は「南極は破局寸前だ」と強調し、温暖化対策を急ぐよう国際社会に訴えた。
 声明は「ラーセンB」と呼ばれる大規模な棚氷の消滅や、ペンギンの生息数減少など温暖化の悪影響を列挙。「氷は私たちが考えているよりもはるかに速く解けている。今すぐ行動しないと、そう遠くない将来に(南極から)氷がなくなってしまうかもしれない」と警告した。
 温暖化対策をめぐっては来月、インドネシア・バリ島で国連気候変動枠組み条約の締約国会議が開かれる。視察は、日米中や欧州連合(EU)各国など温室効果ガスの主要排出国に対し、同会議でのポスト京都議定書の本格交渉入りと、2009年までの枠組み合意を促す狙いがある。(共同)
毎日新聞 2007年11月11日 (最終更新時間 11月11日10時41分)

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南極の氷河流が加速、世界の海面上昇にも影響か
Stephen Leahyから 
 南極大陸西部にある多数の巨大な氷河が、海へと流れ込む速度を上げており、世界の海面を上昇させているという。
 『サイエンス』誌ウェブサイトで23日(米国時間)に発表されたこの論文は、南極大陸西側のアムンゼン海に流れ込む6つの氷河がこの15年間で流れの速度を上げており、しかもそのペースが最近になってさらに速まっているとしている。その中でも最も速いパインアイランド氷河は、1日約5.5メートルのペースで流れており、地球上で最も動きが速い氷河のうちに数えられるまでになっている。この速度は、1970年代と比べると25%も上がっている。
 米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の氷河学者で今回の調査に携わったエリック・リグノット博士は、「これは相当な速さだ」と話す。
 アイスレーダーを搭載した調査用航空機で調べた結果、アムンゼン海に流れ込む6つの氷河は、これまで考えられていたよりも平均で約390メートル厚く、海に流れ込んでいる氷の量も非常に多かったことが判明した。リグノット博士によると、6つの氷河が完全に海に落ちて溶けた場合、地球全体の海面が90センチ以上上昇するという。
 「これだけの量の淡水があれば、地球の海流を乱すには十分だ」とリグノット博士。
 南極大陸の面積は1400万平方キロメートルで、米国の面積の1.5倍近くある。大陸の98%は1年中氷に覆われている。氷の厚さが5キロメートル近い場所もあちこちにあり、地球に存在する淡水の3分の2以上がここに閉じ込められている。
 南極大陸の海岸の半分は棚氷(たなごおり、ほうひょう)と呼ばれる海面に浮かぶ巨大な氷(写真)に縁取られており、こうした棚氷が大陸面積の11%を占めている。棚氷は氷河の長い爪にあたり、氷厚は平均で460メートルにおよぶ。棚氷は海水と接する底から徐々に溶けていき、薄くなった後に嵐や波によって末端が砕かれて破片が分離する(写真)。この破片が氷山となる。
 NASAのワロップス飛行施設(バージニア州)で働く米EG&Gテクニカル・サービシズ社の氷河学者、ロバート・トーマス博士は長年、棚氷は瓶をふさぐコルク栓のように働き、海に向かう氷河の動きを押しとどめていると考えてきた。ところがアムンゼン海沿岸では、棚氷の底が急激に溶けており、1990年代の前半以降、年間約3〜4.5メートルのペースで薄くなっていた。
 トーマス博士によると、「コルク栓」が緩くなり、氷河の流れが速まったのだという。「この一帯では気候の温暖化が進み、多くの棚氷が薄くなっている。なかには崩壊する棚氷もある」
 最も驚くべき事実は、沿岸の暖かい海水によって海に浮かぶ棚氷が薄くなるだけでなく、パインアイランド氷河まで薄くなっていることだ。パインアイランド氷河は、海岸から約300キロも内陸の地点で毎年約1.2メートルずつ厚みを減らしている。
 「1990年代に比べると2倍のペースで薄くなっており、氷が溶ける範囲もはるかに内陸まで達している」とトーマス博士は説明する。
 もしこの状況が続けば、今から5年以内に、パインアイランド氷河の分厚い氷が少なくとも700平方キロメートルにわたって海に浮かび出ることになる。他の氷河の流れもさらに速まるだろう。トーマス博士は「流れの速度が5年以内に現在の倍になる可能性もある」と話す。
 21日に発表された別の論文によると、西部南極海に流れ込むいくつかの氷河は2002年に棚氷を失った(日本語版記事)が、やはり流速が上がっているという。氷河の専門家であり、コロラド大学の『米国雪氷データ・センター』でこの研究を率いたテッド・スキャンボス博士は、『ラルセンB棚氷(写真)』の大部分がウェッデル海で崩壊してまもなく、付近の氷河が以前に比べ最大8倍の速さで流れはじめたと指摘する。
 この変化のスピードは驚異的で、棚氷がブレーキのように氷河の動きを止めているという仮説がはっきり裏づけられたと、スキャンボス博士は話す。
 南極西部地域、とりわけチリとアルゼンチンの真南に位置する最北端では、年平均気温が過去60年間で最大摂氏8度も上昇している。世界中を探しても、これほどの速さで温暖化の進んだ地域はほとんどない。南極大陸西部の棚氷はこの30年間で、1万3000平方キロメートル以上減少している。
 しかし、より大型で重要な棚氷は他にもある。西南極氷床の主要な流出口にあたるロス棚氷は、複数の大規模な氷河に栓をしている。ロス棚氷が完全に溶けた場合、海面が約5メートル上昇するおそれがある。
 スキャンボス博士は「南極の他の地域で棚氷が薄くなっていてもおかしくない。ただ、他地域については情報がない」と語る。
 南極は調査が困難な場所であり、この氷で覆われた大陸を囲む海がどれくらい暖かくなっているか、海流がどの程度変化しているかを示すデータもごく少ない。ただし、トーマス博士によると、今回新たに示された証拠が、地球温暖化に関するこれまでの予測を上方修正すべきだということを意味しているのは確かだという。これまでの予測では、地球の海面は2100年までに約25〜90センチ上昇するとされてきた。
 ジェット推進研究所のリグノット博士は「たしかに心配の種ではある。南極で起こっていることに、より一層の注意を払う必要があるということでもある。だが、今すぐ丘の上に避難する必要はない」と語った。
[日本語版:米井香織/高森郁哉]
WIRED NEWS 原文(English)

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石田ふたみ