『日々の映像』

2007年11月06日(火) 「小沢時代」終わりの予感


 小沢騒動はどう続くのか。
「両党首は連立政権の17閣僚の配分を自民党10、民主党6、公明党1とすることでも合意、「大連立」を前提に話し合いが行われていた」〔読売から〕
民主党幹部全員はこれを拒否した。
「逆に民主党が受け入れなかったことについては、「評価する」が民主支持層で78%に達したが、自民支持層は34%と低かった」国民の支持のよって政党が成り立っている。小沢戦略を民主支持層の78%が反対なのでる。
 ナポレオンの小説を読んだ人は記憶にあると思う。最盛期あれだけの絶大な権力を持った人でも、パリの世論に最新の注意は払っている。民主支持層の78%が反対の政治行動を取る小沢氏、「小沢時代」終わりを予感 させる。

おごり? 未熟さ? 小沢氏辞意表明 識者はこう思う
2007年11月05日07時41分 朝日新聞
小沢氏、連立急ぎ孤立 総選挙情勢も影響 辞意表明
2007年11月05日07時34分朝日新聞
連立提案「評価せぬ」48% 本社世論調査
2007年11月05日02時09分 朝日新聞
小沢代表辞意:「連立構想」拒否され…「もう疲れた」
                     2007年11月5日 毎日新聞
党首会談で「小沢副総理」一度は合意、17閣僚の配分も 
(2007年11月5日3時0分 読売新聞)
辞任表明の小沢氏 異例のマスコミ批判
2007.11.4 産経新聞
小沢氏辞任会見詳報(1)「けじめをつけるに当たり」
小沢氏辞任会見詳報(2)「中傷報道に厳重に抗議する」
小沢氏辞任会見詳報(3)「辞職願を出そうと考えたのは昨日」
「逆ギレ辞任だ」 民主党内からも批判の声
「無責任」「これからどうなる」 小沢氏辞意に疑問の声
成功と挫折の小沢手法 小沢一郎氏の軌跡




おごり? 未熟さ? 小沢氏辞意表明 識者はこう思う
2007年11月05日07時41分 朝日新聞
 ■英雄が失敗する典型的パターン 〈政治評論家の森田実氏〉
 首相との事実上の約束を守れなかったのだから、責任をとるのは当然だ。ただ、会見を見ていて「小沢さんは分かってないなあ」と思った。国民が彼に不信を持つのは、「政権交代をする」と言い続けて参院選で支持を集めたのに、違う方法をとろうとしたから。これでは国民を欺くことになってしまう。そもそも首相と2人だけで会談したのはなぜか。「密室政治」「独断専行」と言われても仕方がない。
 もしも党代表を辞めないまま政権が交代していれば、間違った人物が権力を持ってしまうところだった。もっとちゃんとやってくれると期待していたが、参院選の成功がおごりに転じた。英雄が失敗する典型的なパターンだ。

 ■よく考えた上での動きとは思えず 〈橋爪大三郎・東工大教授・社会学〉
 今回の小沢代表の動きは不可解だった。小選挙区制・二大政党制なのだから、衆参院のねじれで膠着(こうちゃく)状態になれば、総選挙で野党が政権交代を目指すのが筋だ。普通、大連立は、第3党がキャスチングボートを握るのを嫌い第1党と第2党が組むものだが、今回の大連立はそうとは思えず、よく考えた上での動きとは思えない。
 民主党は政権担当能力を証明するために堂々と国会で論戦を続けていくべきだった。総選挙で負けたとしても、負けっぷりがよければその次にチャンスがあったはずだ。小沢代表の行動は、日本の政党政治はまだ未熟だという印象を国民に与えたのではないか。

 ■行動力や決断力、見せたかった? 〈佐藤綾子・日大芸術学部研究所教授・心理学・パフォーマンス学〉
 辞任会見でもなお、小沢氏は大きな声で語尾を強め、あえて挑戦的な言い方をした。参院で第1党になったことの自信や強気の表れだろう。福田首相との党首会談をめぐる混乱の責任をとって党代表を辞任するというのは、安倍前首相が辞めたときと違って大義名分が成り立つ。このままでは党内がまとまらないと判断し、自ら花道をつくって格好よく辞めてみせた。党内や国民に対し、自らに行動力や決断力があり、荒業ができるということを見せたかったのだろう。
 小沢氏は今後、党内にとどまって隠然と力を蓄え、選挙を戦える態勢を整えるのではないか。


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小沢氏、連立急ぎ孤立 総選挙情勢も影響 辞意表明
2007年11月05日07時34分朝日新聞
 参院選大勝の勢いで、政府・与党を追いつめるはずだった民主党の小沢代表が突然、代表職を投げ出した。福田首相から打診された大連立構想に対する党内の反対を「不信任」と見なし、「民主党は次期総選挙で勝利は厳しい」と言い放った。これまで数々の政界再編を仕掛けてきただけに、党幹部らは小沢氏の離党や新党結成を警戒し、慰留に懸命だ。
 「我が党はまだ若い。これを機会にみんなで議論して、本当に国民の期待に応えられる力強い民主党になってほしい」
 小沢氏は4日の記者会見で、政権交代をかけた次の総選挙を前に代表を辞める理由を聞かれ、こう説明した。
 一方で、小沢氏は「国民から『自民党はダメだが、民主党も本当に政権担当能力があるのか』という疑問が提起され続けている」。党の現状を「さまざまな面で力量が不足している」「あらゆる面でいま一歩」と言い切った。
 首相からの連立提案を受けて、民主党内には動揺もあったが、小沢氏が役員会の総意を受けて「拒否」を伝えたことでこの問題は決着がついたはずだった。
 小沢氏の求心力の低下を危惧(きぐ)する見方に対しても、幹部の間では「党に持ち帰って検討するという民主的な手続きを踏んだことで問題はない」とかばう声が大勢だった。
 しかし、連立を呼びかけたのが実は小沢氏側だったなどの情報が飛び交う中、「ぶれたとしたら党首としては失格」(枝野幸男元政調会長)と、「壊し屋」小沢氏への不信感もよみがえった。
 小沢氏は会見の直前、慰留する幹部に「私は役員会で不信任を受けたも同然だ」と言い続けた。
 小沢氏は会見で、連立協議に応じる理由のひとつとして、「次期総選挙での勝利は厳しい」と判断していることをあげた。参院選の大敗を受け、与党内では「次の総選挙は厳しい」との見方が一般的だが、「地力がものをいう衆院選で、過半数を割ることはないだろう」との見方もある。
 民主党の総選挙に向けた候補者の擁立作業は遅れ気味で、小沢氏自身、党首会談前に選挙担当議員に「総選挙が早まるかもしれない。擁立作業を急ぐように」と指示したばかり。10月下旬に地方行脚を再開した小沢氏は参院選大勝の要因となった地方の動きが鈍いことも感じていたようだ。
 小沢氏は次の総選挙を「政治家としての最後の戦い」と位置づけており、政権交代を実現できなければ政治生命を失いかねない。ある与党幹部は、小沢氏が大連立を模索した動機について、こんな見方を示した。「やっぱり次の総選挙に勝てないと思ったのでしょう。菅さんや鳩山さんには次があるが、小沢さんには次しかない」
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連立提案「評価せぬ」48% 本社世論調査
2007年11月05日02時09分 朝日新聞
 朝日新聞社が3、4の両日実施した全国世論調査(電話)によると、福田首相が民主党の小沢代表との党首会談で、連立政権に向けた協議を提案したことを「評価する」人は36%、「評価しない」人は48%だった。一方、民主党がこの提案を受け入れなかったことを「評価する」は53%、「評価しない」は29%と対照的な結果になった。自民党と民主党の2大政党の連立については否定的な世論がうかがえる。
 連立の提案について、自民、公明両支持層は「評価する」が50%を超え、比較的好意的なのに対し、民主、共産、社民の各支持層は10〜20%台にとどまる。逆に民主党が受け入れなかったことについては、「評価する」が民主支持層で78%に達したが、自民支持層は34%と低かった。
 インド洋で米軍の艦隊などを支援した自衛隊の活動が特別措置法の期限切れで停止した問題で、活動の再開が必要かどうかを聞くと、「必要だ」が43%、「必要ではない」が41%と拮抗(きっこう)した。活動停止前の10月13、14日の前回調査では、活動の継続を目指す政府の方針に「賛成」39%、「反対」44%で、反対がやや多かった。
 新しい補給支援特措法案への「賛成」は35%、「反対」は43%。法案が国会に提出される直前の前回調査(賛成28%、反対48%)と比べて賛成が少し増えたものの、なお反対が上回る。自衛隊の活動再開が「必要」という人でも「賛成」は62%で、活動内容について国会承認を必要としないなど、法案自体には懸念があるとみられる。
 自衛隊の活動停止で日本の国際的立場に「悪い影響がある」と思う人は50%と多数で「そうは思わない」は37%だった。
 福田内閣の支持率は45%(前回47%)、不支持率は34%(同30%)で大きな変化はなかった。政党支持率は自民31%(同32%)、民主24%(同24%)などだった。
 《調査方法》 3、4の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は2088人、回答率は59%。

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小沢代表辞意:「連立構想」拒否され…「もう疲れた」
                     2007年11月5日 毎日新聞
 まだ薄暗い4日午前5時半、小沢一郎代表の側近、樋高剛・元衆院議員が名古屋市内に滞在していた鳩山由紀夫幹事長を訪ねた。
 「一身上の都合で辞任します」。いきなり辞職願を渡された鳩山氏は青ざめ、「受理できない。民主党は小沢さんのおかげでここまで来た。辞められては党が持たない」と辞任を拒絶した。
 鳩山氏はすぐさま新幹線で帰京し、東京都世田谷区深沢の小沢氏の私邸を訪ねた。しかし小沢氏は不在。赤坂の個人事務所にいた小沢氏をつかまえ、山岡賢次国対委員長と翻意を促した。
 午後4時に党本部で記者会見がセットされたが、党本部の代表室で説得が続いた。
 菅直人代表代行「小沢さんしか代表はいない」
 直嶋正行政調会長「衆院選を小沢さんにやってもらうのがみんなの気持ちだ」
 小沢氏「そんなに言ってもらえるなら、みんなに(進退を)預ける」
 小沢氏は会見での表現を「辞任する」から「同僚議員に進退を委ねる」に変えた。しかし、小沢氏は党に対して辛らつな言葉を浴びせた。「民主党は力量不足だ。政権担当能力があるのか」
 「連立構想」が党役員から拒否され、小沢氏は「おれはもう疲れた」と周囲に漏らしていた。同氏側近の西岡武夫参院議院運営委員長は「小沢さんは強いショックを受けた。辞任表明の引き金は、自分が指名した役員の造反だ」と語った。
 自民党の渡辺喜美行革担当相は記者団に小沢氏の辞意表明を「オセロゲーム」と表現した。参院選敗北、安倍晋三前首相の退陣で自民党に吹き荒れた逆風が、今度は追い風に変わるという例えだ。
 民主党内ではグループごとに小沢氏が離党した場合、何人を連れて出るか“票読み”が始まっている。連立構想でかやの外だった公明党の幹部も小沢氏の動向が気になってならない。
 記者が「15、16人連れて自民党に戻ってくれば『ねじれ』解消か」と問うと、「しっかり計算しろよ、17人だ」とすぐさま応じた。
 慰留を続ける民主党幹部は「連立入りが代表続投の条件になるのは絶対、駄目だ」と語った。
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党首会談で「小沢副総理」一度は合意、17閣僚の配分も 
(2007年11月5日3時0分 読売新聞)
 福田首相(自民党総裁)と民主党の小沢代表の党首会談で、民主党が連立政権に参加した場合、小沢氏が副総理格の無任所相に就任することで合意していたことが4日、明らかになった。

 両党首は連立政権の17閣僚の配分を自民党10、民主党6、公明党1とすることでも合意、「大連立」を前提に話し合いが行われていた。
 関係者によると、2日の党首会談では、民主党に割り当てる閣僚ポストとして小沢氏の副総理、国土交通相、厚生労働相、農相が挙がったという。副総理は内閣法に法的な位置づけはなく、あらかじめ首相臨時代理に指名された閣僚を指してきた。政府は、首相臨時代理を組閣時に5人指名しているが、臨時代理順位の1位を無任所相の小沢氏とする方針だったと見られる。
 このほか、自民、民主両党間に設置する政策協議機関のメンバーに民間人も参加することが話し合われた。
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辞任表明の小沢氏 異例のマスコミ批判
2007.11.4 産経新聞

 民主党の小沢一郎代表は4日の辞任表明会見の際、福田康夫首相との党首会談や連立構想を持ちかけたのは小沢氏側とする一部報道に対し、「まったく事実に反する。私を政治的に抹殺し、民主党のイメージをダウンさせることを意図した明白な誹謗(ひぼう)中傷だ」と異例のマスコミ批判を展開した。小沢氏は「中傷報道がなされていくなら、私が(代表に)いることが党のためにならない」と述べ、小沢氏をめぐる報道が辞任の一因となったとも主張した。
 小沢氏は党首会談に関する報道を「報道、論評、批判の域を大きく逸脱している」と指摘し、「報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、世論操作の一翼を担っている」と厳しく批判した。
 さらに小沢氏は「報道機関が政府・与党の宣伝機関と化したときの恐ろしさは、亡国の戦争へ突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかだ」と気色ばんだ。民主党は記者会見後、小沢氏の会見内容を記した「中傷報道に厳重に抗議する」と題するFAXを報道各社に送付した。
 10月30日と今月2日の二度による党首会談の大半は、首相と小沢氏との2人だけで行われ、何が話し合われたのかについて民主党内でも疑心暗鬼が広がっていた。
 小沢氏が4日の記者会見までに党首会談の詳細な内容を所属議員らに説明した形跡はなく、代表辞任の責任の一端をマスコミに転嫁するかのような形となった。
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「逆ギレ辞任だ」 民主党内からも批判の声
「無責任」「これからどうなる」 小沢氏辞意に疑問の声
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「小沢時代」終わりの予感
小沢辞任表明 政府与党にも波紋







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