『日々の映像』

2007年11月07日(水) 小沢代表の辞意撤回

 予想しなかった騒動が起こり、そして幕を閉じた。
この影響が凶とでるのか、吉とでるかの予想は難しい。
今後のために多少の報道を引用しておきたい。

「政治生命を総選挙に」 小沢代表の辞意撤回理由全文
             2007年11月07日18時37分  朝日新聞
小沢騒動、2日で翻意「恥をさらすようだが」
             2007年11月07日07時07分  朝日新聞
小沢代表:続投を正式表明し陳謝 民主党両院議員懇談会で 
             2007年11月7日17時15分  毎日新聞
小沢代表:翻意の理由・影響は? 旧知の2人が分析
             2007年11月7日 13時35分  毎日新聞

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「政治生命を総選挙に」 小沢代表の辞意撤回理由全文
2007年11月07日18時37分  朝日新聞
 民主党の小沢一郎代表が、同党両院議員懇談会で辞意撤回を正式に表明した。鳩山由紀夫幹事長の説明と小沢代表の発言は以下の通り。
 【鳩山由紀夫幹事長】 小沢代表が新たな気持ちで続投して頂く決意を固めて頂きました。(よっしゃー、拍手)。ご意見一つ一つをすべて小沢代表にご覧頂いた。菅、輿石代行と共に、我々の思いはこうだと皆様方の思いを説明した。両院議員の皆様の、日本を、国の未来を大変心配する中、恥を忍んでと。参院選挙は勝利したが、いつ解散総選挙があるかもしれない。国民が期待する政治をつくりだすために、小沢代表に新たな決意で臨んでもらいたい。私どもが日本のおやじと敬愛する小沢代表にリーダーシップを果たして頂くようお願いし、私の報告とする。
 【小沢一郎代表】 このたび党首会談をめぐり、国民、民主党の支持者、党員、同僚議員に多大のご迷惑をおかけしたことを心よりおわびする。皆様のご叱正(しっせい)を頂き、二日間沈思黙考し、私の政治生命を来たるべき総選挙にかけると決意した。
 ご承知の通り、いまだなお、不器用で口べたな東北気質だ。振り返るとそれが今回の混乱の一因では。当初から党員、国民に私の思いを打ち明け、丁寧に説明すべきでなかったかと思う。国民、党員、同僚の皆様に私の思いを率直に語る。
 私は14年前、自民党を離党し、日本に議会制民主主義を定着させ、国民のための政策を実現する仕組み作りを目指した。これが14年間の私の唯一の行動原理で将来も変わることはない。次の総選挙で民主党政権を実現しなければ死んでも死にきれないと必死だった。幸い先の参院選で参院の第一党という極めて重い地位をいただいたが、その大勝利の瞬間から二つの思いが深くなった。
 一つ目は次の衆院総選挙では何としても必ず勝利し、絶対に民主党政権を樹立しないといけないが、参院選勝利後の楽観的考え方では勝利がおぼつかない。前回の3倍の議席で勝つことが絶対条件だ。この厳しい現実を直視しないで総選挙勝利はあり得ない。参院選勝利の余勢で勝てるほど甘くはない。正直参院選の全国遊説では、日常活動をもっとやれと厳しく言われた。自民党に負けない活動で国民の理解、支持を得てもっともっと強くなるのが総選挙勝利の最低条件だ。
 次の総選挙は敗北は許されない。その責任の重さと党の現状への危機感を私は毎日かみしめてきた。次の総選挙が私にとって最後の一戦であることは間違いない。
 衆院では自民党が圧倒的多数を占める衆参ねじれ国会で、マニフェストで約束した国民生活第一の政策をどうやって実現するかだ。参院の同僚が一生懸命努力して法案を作り、いくつかの法案が可決し衆院に送付されるが、ねじれ国会では年金、子育てといった民主党の主要政策は実現困難だ。これで国民に許されるか、次の総選挙に勝ち、ねじれを解消するまでお待ち頂きたいと言い続けられるだろうか。国会の半分を担う民主党の責任への思いが深くなった。
 この二つを同時に解決する方法はないか。場合によっては、政権の一翼を担えば、私たちの主要政策がいま実現し、政権担当能力を目に見える形で国民に示し、総選挙で勝つ可能性が高まるのではと考えた。最難関の安全保障で最大限の譲歩を示し、連立を打診されたとき、二つの課題を解消する一つの方法と考え、政策協議について役員会に話した。しかし政策協議に応じず、政権交代を目指すとの声が多く、私は直ちに福田首相に伝えた。
 今思えば、それで総選挙に向けて頑張ろう、私が先頭に立つと、まとめればよかったと考え、反省している。しかし、その後いろんな憶測や誤解で混乱が生じたのでけじめをつけないといけないと思い、代表辞職願を提出した。いかにも不器用なやり方だった。しかしそれにもかかわらず三役、衆参両院議員が混乱を治めてくれた。心から感謝する。みなさまのご厚意に私も新たな覚悟を持って答えないといけない。もう一度代表を務め、最後の決戦にあたりたい。どうぞ皆さんご協力お願い申し上げます。
 そして、本日を再スタートの第一歩とし、菅さん、鳩山さん、輿石さんとともに衆院選挙対策本部を立ち上げ、衆参一体の選挙協力態勢を確立したい。
 一年半前、私は自分が変わらないといけないと約束した。死にものぐるいで頑張る。みんなで政権交代に向けて頑張ろうではありませんか。
 最後に国民におかれても、政権交代を実現し、国民生活第一の政策を実行するためのご支持をお願いします。
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小沢騒動、2日で翻意「恥をさらすようだが」
2007年11月07日07時07分  朝日新聞
 自党を「力量不足」とまでけなして辞意を表明してから、わずか2日。同僚議員の必死の慰留を受けた小沢一郎・民主党代表が、「恥をさらすようだが」と言いながら翻意した。「壊し屋」といわれた政治手法は変わったのか。参院選を勝利に導いたパワーはなお維持できるのか。「剛腕政治家」の迷走が続く。
 「小沢さんはみんなで頼むともろいところがある。新進党の党首就任の時もそうだった」。そう話すのは、細川元首相の秘書官を務め、小沢氏と共に政権を支えた成田憲彦・駿河台大学長だ。
 もっとも成田氏は「小沢氏は戦略を変えた」ともみる。「『壊し屋』というのは時間的余裕があるときの話。政権交代可能な政治を作るという最後の目標のため、壊し屋にならない手法を選択したのでは」と指摘する。
 小沢氏側近だった平野貞夫・元参院議員も「辞意を撤回しなかったら、今までの『頑固な小沢』だ。だが、恥をかき、批判を覚悟して代表にとどまる選択をした」。
 一方、漫画家の倉田真由美さんは、一連の行動は党内への当てつけの色彩が濃いとみる。「関心が国民の方を向いていない表れだ。国民はお家騒動を見せられてうんざりと思うかも」と批判。「党内では、辞めて欲しいが当面は辞めて欲しくない、と思っている人は少なくないだろう。代表に対し、一層はれものに触るような対応になるのでは」と話した。
 元・自民党幹事長室部長で、幹事長時代の小沢氏に仕えた奥島貞雄氏も「小沢氏は『自分以外に代表をできる人間はいない』という計算と、言うことをきかない人間は許せないという傲慢(ごうまん)さがないまぜになり、辞意を表明した。情けない民主党は小沢氏の計算通り必死に慰留し、彼のプライドも一定程度修復されたのだろう」と読み解く。
 「大連立の話に乗ったところで、小沢氏の政治生命は終わった」と話すのは、山口二郎・北大教授(現代政治)。ここ数日の小沢氏は「ひ弱な印象で、自信がないように見えた」と言い、かつての「剛腕」ぶりからの様変わりに驚く。「民主党は、小沢代表を首相候補として政権を目指すと言っても、もう前向きな雰囲気やエネルギーは出てこないのでは。早く次のリーダーを決めて立て直しを図るべきだ」
 一方、民主党内などには安堵(あんど)感も広がる。無所属ながら衆院の民主党会派に所属する田中真紀子議員は連立構想には反対だが、「小沢さんでなければ、次の総選挙で勝てない」と言う。こわもてで口べたの小沢氏を「昔の日本のお父さん」と評してきた田中氏。「党の支持者にはきちんと説明しないといけない」と苦言を呈した。
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は03年の自由党との「民由合併」の直前、同党首だった小沢氏から打ち明けられた。「『政策を実現させてやるから』という約束を信じて自民党との連立政権に加わったが、だまされた」
 しかし、小沢氏は再び「連立」にかじを切ろうとし、またつまずいた。
 「代表本人の口から、すべての経緯を話して頂きたい」。鳩山氏も6日夜、注文をつけた。

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小沢代表:続投を正式表明し陳謝 民主党両院議員懇談会で 
                 毎日新聞 2007年11月7日17時15分
 民主党の小沢一郎代表は7日夕、東京・永田町の党本部で開かれた両院議員懇談会で「この体にもう一度むちを入れ、政治生命をかけ次期衆院選を全力で戦い抜く決意をした」と述べ、辞意を撤回して続投する意向を正式に表明した。福田康夫首相との党首会談をめぐる混乱については「国民、支持者、党員、同僚議員に迷惑をかけたことを心よりおわびする」と陳謝した。
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小沢代表:翻意の理由・影響は? 旧知の2人が分析
毎日新聞 2007年11月7日 13時35分
 密室での党首会談と大連立構想。役員会で拒否されると辞意を表明し、慰留され、結局は撤回−−。一連の小沢一郎・民主党代表の動きと、民主党への影響を、かつて小沢氏に身近に接した2人に、分析してもらった。
 ◇民主、危機感でまとまりも…平野貞夫・元参院議員
 辞意撤回は今までの小沢氏のスピリットから考えればありえない話だが、党代表に就任した時に「自分自身が変わる」と宣言したので本当に変わったという証明になったかもしれない。「政権獲得」という大義のために恥を忍んで決断したのだと思う。
 マイナス面ばかりではない。民主党としては「このままでは選挙は負ける。我々も一緒になって小沢氏を支えなきゃいけない」という危機感が生まれただろう。今まで政策も選挙も党運営も小沢頼み一本で来たから逆にまとまる可能性がある。これからの努力次第だ。
 今回の連立構想は小沢氏がはめられた部分もあり、振り子の原理で今度は福田首相に矛先が向かう可能性もある。
 【平野貞夫(ひらの・さだお)氏】 71歳。衆院事務局出身。小沢氏の知恵袋と呼ばれ、自民、新生、新進、自由、民主の各党に所属した。04年引退。
 ◇対決路線は取れなくなる…政治アナリスト、伊藤惇夫さん
 民主党の慰留工作には二つの面がある。一つは小沢さんに頼るしかない他力本願。もう一つは、小沢さんを野に放つと民主党が割れるかもしれないとの懸念。民主党の多くは参院選に圧勝した「小沢神話」を引きずり、頼らざるを得ない。ほかにも人材はいるが、支えていこう、自分たちで何とか勝とうという意識が希薄だ。そして、四分五裂を食い止めたいとの思いも、民主党の大勢を占めたのだろう。
 非常に厳しい言い方をすれば、党首としての小沢さんの資格要件に疑問を感じる。ただ、以前の小沢さんなら、一度辞めると言ったら辞めていた。一連の騒動は個人的に残念だ。連立まで踏み込んだ小沢さんは今までのような対決路線をとれなくなる。自民党は余裕を持って対応するだろう。
 長期的には分からないが、短期的にはこの一連の動きに対する有権者、国民の失望感は大きいだろう。どう解消していくか、いばらの道だ。
 【伊藤惇夫(いとう・あつお)氏】 59歳。自民党事務局から新進党。太陽、民政、民主各党事務局長を歴任。01年に退任。












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石田ふたみ